外部の誘惑対策「選択アーキテクチャ」

集中力

 本日のテーマは「外部の誘惑対策・選択アーキテクチャ」というお話です。

 前回、自制心の阻害要素を2つ学びました。ここからは対策方法を学んでいきます。まずは1つ目の阻害要素「外部の誘惑」にフォーカスを当てていきましょう。

選択アーキテクチャとは

 外部の誘惑で、有効な対策方法は「選択アーキテクチャ」です。

 選択アーキテクチャとは、行動する人の自由意志を守りながら、合理的な行動に導くための仕組みのことをそう呼びます。

 つまり、欲のままに動いたとしても「生産性向上」・「自己成長」・「健康的な生活習慣」を手中に収めることが出来るということ。環境・仕組み化の力は、それ程までに偉大な力を持ちます。「そんなことが出来るの?」と懐疑的になった人もきっといるでしょう。ですがそれが出来るのです。

 能力が高い人と低い人の差は、過去の価値観を刷新して、仕組み化への意識を持てるか否かの違いだけなのかもしれません。素直は最強の武器であり、頑固は伸びないということですね。

Googleの実験

 ここで、選択アーキテクチャを検証した「Googleの実験」を垣間見ていきましょう。2つの実験を紹介していきます。

①スナック置き場とドリンクバー

 Googleの実験1つ目は「スナック置き場とドリンクバー」を使った実験です。

 Google社内にスナック置き場とドリンクバーを設置するのですが、ここで設置方法を2パターンの仕組みで施します。その仕組みの違いは「距離」です。

 1つ目のドリンクバーには1,8mの距離にスナック置き場を設置しました。2つ目のドリンクバーは距離を広げてみる試みを施し、5,5mの距離にスナック置き場を設置したのです。25mプールを想像してみてください。5mと言っても、特別に長い距離と言うわけではないですよね?

 しかし結果を覗けば、1,8mと距離が短かった仕組みの部署の人は、スナック菓子を口に運んでしまう確立が高かった。そして5,5mの距離の仕組みの部署の人は、我慢していたわけではないのにスナック菓子の摂取量が激減したのです。

②社員食堂のサラダ・デザート

 Googleの実験2つ目は「社員食堂のサラダ・デザート」を使った実験です。

 Googleの社員食堂は、バイキング形式のスタイルです。

 まずサラダの摂取量ですが、入り口と中間場所の2地点にサラダスペースを設置したケースで比較しました。すると入り口に設置した仕組みでの状況下のほうが、社員のサラダの摂取量が増えたのです。

 またデザートの摂取量では、食器サイズを通常サイズから小皿に置き換えてみたのです。するとデザートの摂取量は減少に転じ、甘いものの誘惑と戦わずにして糖質過多を防ぐことができたのです。

 たったこれだけの小さな仕組み化で、長期的には大きな差をつくりだす。選択アーキテクチャはまさに飛躍的な武器でしょう。

ヴィクトル・ユゴーの執筆

 もう1つ、選択アーキテクチャを実践した事例の紹介です。

 19世紀フランス・ロマン主義の小説家ヴィクトル・ユゴーは、代表作「レ・ミゼラブル」でも有名な文豪です。そして彼もまた、選択アーキテクチャを実践していたというから驚きです。

 彼は小説の執筆前になると、使用人にすべての洋服を渡して部屋に隠り、全裸で執筆をしたそうです。そして使用人には、執筆の決められた作業量・時間を終了するまでは、絶対に服を渡すなと命じたそう。つまり、外に出られない「仕組み化」を施したということ。

 文章を書くという作業は、すごく楽しい営みです。ただ脳のキャパ消費量は、比較的に必要な作業でしょう。もし外部の誘惑がやってくれば、すぐに理性が影響を受ける。作業を投げ出さなかったとしても、雑念により原稿の質は必ず下がります。

 これらの外部の誘惑に対して、ヴィクトル・ユゴーは選択アーキテクチャという仕組み化で解決したということですね。

最後に

 「外部の誘惑対策・選択アーキテクチャ」のお話、いかがでしたか?

 こんなに簡単な作業で、あなたは外側から見たときに自制心を手にした人に見える。仕組み化の投資時間をケチることなく、しっかりと行動していきましょう。

 次回の記事では、自制心の阻害要素2つ目「ネガティブ感情対策」についてです。そして、また次の記事以降で「具体的な選択アーキテクチャの方法」を紹介していこうと思います。

 本日もご精読ありがとうございました。

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