選択アーキテクチャ④「時間」

集中力

 本日のテーマは「選択アーキテクチャ・時間編」です。

 まず、選択アーキテクチャの理論をおさらいです。この理論は、行動する人の自由意志を守りながら、合理的な行動に導くための仕組み化のことをそう呼びます。

 そして最後の仕組みは「時間」です。

 時間を仕組み化するか否かにより、あなたのモチベーション管理能力を昇華させられるかが決まります。気分が上がっているときに頑張り、そうでない時に休む。これも自分にムチを打つよりは、パフォーマンスレベルに良い影響を与えるかもしれません。ですが仕組み化してしまった方が、奇特なパフォーマンスレベルを生み出します。

 では4つ目の仕組み「時間」で整えることを2つ見ていきましょう。

時間帯

 時間で整えること1つ目は「時間帯」です。

 ここでは「作業の時間帯」・「休む時間帯」などを決めていきます。あとは定めた仕組みに合わせて活動していくだけ。気分が高揚・憂鬱などに左右されず、やりすぎず・やらなさすぎずの意識です。

①ルーティーン

 つまり1日の時間帯の流れを「ルーティーン」にしてしまう。

 ルーティーンが仕組み化できれば、時間をかけずに「作業や休憩への意識」と「自分」を同期させることが可能となります。つまりスタートダッシュが切れて、対象への意識に必要な労力節約に繋がるのです。

②クロノタイプ

 そしてルーティーン作成で意識するのが「クロノタイプ」です。

 クロノタイプとは、個人がどの時間帯に最も活動できるかを示す時間特性のこと。

 人間は時計遺伝子により、25時間周期の概日リズム(サーカディアンリズム)で動いています。一般的に体内時計と呼ばれるもので、活発に頭が冴える時間は個人の時計遺伝子により違います。そしてクロノタイプで適した時間を作業のルーティーンに落とし込めば、自分のポテンシャルを無駄なく最大限に活用できるのです。

 またクロノタイプは単体記事にする予定です。ここでは6つの種類を軽く触れて締めます。それは「朝型」・「昼型」・「夜型」・「朝夜型」・「常時覚醒型」・「常時無覚醒型」です。

インターバル

 時間で整えること2つ目は「インターバル」です。

 インターバルとは、作業する時間と休憩の時間を定めて繰り返していくこと。

 人は活動時間が連続すれば、目先の集中力は下がり、その後のモチベーションも低下させます。また休憩時間が連続すれば、極度のリラックス状態に陥り、活動へのモチベーションを取り戻すのに相当な労力をかけなければいけません。自分に適したインターバルをつくり、これらを回しながら過ごしましょう。ここでは3つ程、インターバルの仕組み化を紹介します。

①ポモドーロ・テクニック

 インターバルの仕組み化1つ目は「ポモドーロ・テクニック」です。

 ポモドーロ・テクニックとは、25分の作業と5分の休憩を交互に行う時間管理術のこと。

 提唱者はイタリアのコンサルタント「フランチェスコ・シリロ」です。彼は、自らの生産性向上に悪戦苦闘して、その先にこのテクニックを編み出しました。その際、トマト型のキッチンタイマーで時間を計測していたそうです。トマトはイタリア語でポモドーロと呼ぶことから、この時間術をポモドーロ・テクニックと命名しました。

②ラトビア・ドラウジエム社の調査

 インターバルの仕組み化2つ目は「ラトビア・ドラウジエム社の調査」による最適なインターバルです。

 ラトビアで上位クラスのIT企業ドラウジエム社は、2004年に立ち上げたSNSの成功により北ヨーロッパで最も飛躍した企業です。そして同社は、上位10%の優秀な社員のインターバルを調査しました。すると彼らは、平均52分の作業と17分の休憩を交互に繰り返していたのです。集中力に少し自信がある方は、50分・10分のインターバルに取り組んでみてはいかがでしょうか。

③人間の極み

 インターバルの仕組み化3つ目は「人間の極み」の紹介です。

 集中力という分野の鍛錬により極みの域に達した人は、90分と20分のインターバルを熟すことが可能となります。

 人間の体内時計には、25時間周期の「概日リズム(サーカディアンリズム)」の他に「ウルトラディアンリズム」というミクロなものが存在します。ウルトラディアンリズムでは、90分の覚醒状態と20分の安静状態を繰り返すと言われており、このリズムをフル活用できた究極体がこのインターバルでしょう。自信がある方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。

最後に

 最終章となる「選択アーキテクチャ・時間」のお話、いかがでしたか?

 ピーター・ドラッカーの明言「時間は最も希少な資源。時間をマネジメントできなければ、何もマネジメントできない」という言葉どおりでしょう。まず最初に仕組み化しなければいけないのは、時間なのかもしれません。

 ここまで4記事に渡り、選択アーキテクチャの理論にお付き合い頂きありがとうございます。次回以降の記事でも、有益な情報を届けることに尽力していきます。

 本日はご精読ありがとうございました。

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