入浴でダイエットNG

入浴

 本日のテーマは「入浴でダイエットNG」というお話です。

 現代人の多くが、1度は経験したことがあるであろうダイエット。見た目がスリムであれば「ハロー効果」や「初頭効果」という恩恵によって、様々な局面でプラスに働くので当然でしょうか。そして巷で説かれる、ダイエットに入浴が合理的という考え方。この事象について、深堀りしていこうと思います。

 結論から述べると、入浴でダイエット効果を得られるという情報は多くが間違いです。健康効果で多大な効用をもたらす入浴であっても、ダイエット効果には直接的な効用が一切ありません。本記事では、入浴でダイエットがNGな理由を2視点から覗くこと。そして間接的ダイエットの要素にも触れていこうと思います。

METs

 入浴でダイエットNGの1視点目は「METs(メッツ)」です。

 METsとは、運動強度の単位のことをそう呼びます。厚生労働省が様々な運動内容と運動強度を、METsの単位を用いて公表しているのです。

 METsの指標では「安静時・1」とした時に、「入浴・1,5」・「散歩・3・5」・「ゴルフ・4」・「ランニング・8」の運動強度と言われています。この比較表を眺めれば、入浴では痩せないというファクトに気づくでしょう。全身浴であったとしても、軽いウォーキングの2分の1以下の運動強度しかないのですから。

2つの汗

 入浴でダイエットNGの2視点目は「2つの汗」です。

 ここでは「入浴の汗」と「運動の汗」の2種類に分けて、汗をかく仕組みを知っていきます。

①入浴の汗

 1つ目の汗は「入浴の汗」です。

 入浴の汗とは、お湯から熱を貰うことにより、体温が上昇して流れる汗のこと。

 つまり物理的に温められた体が、一定の体温を保つために汗をかいているだけ。入浴後に体重が減少するのは、脱水症状になっているだけで脂肪が減ったわけではありません。しっかりと水分補給をして体重を戻さなければ、それこそ熱中症で倒れてしまうので注意が必要です。

②運動の汗

 2つ目の汗は「運動の汗」です。

 運動の汗とは、体を動かすエネルギーを得るために脂肪を燃焼させて、結果的に体温が上昇して流れる汗のことです。

 どちらも体温が上昇していることや、体温調節のために汗をかくことは同じですが、性質が大きく異なります。入浴はただ熱を貰っているだけであり、運動は体の中で脂肪を燃やして熱を生み出しているという違いです。つまり入浴の汗により、ダイエットに効くだろうというイメージは勘違いです。運動の汗と同じだろうという、想像上のマヤカシなのです。

間接的ダイエット効果

 最後に、入浴の「間接的ダイエット効果」についてのお話です。

 入浴自体はここまで紐解いてきたように、ダイエット効果は全くと言っていいほどありません。しかし副産物として、間接的にダイエット効果を得ることは可能です。ここでは2つの間接的ダイエット効果をご紹介します。

①食欲抑制効果

 間接的ダイエット効果1つ目は「食欲抑制効果」です。

 入浴後には、食欲が低下します。なぜかと言えば、血流改善効果により血液が体全身に分散するから。胃や腸が食べ物の消化を行うには「血液」が必要です。血液循環が良いということは、胃や腸が働くガソリンがなくなってしまうことと同義です。そして食欲抑制の司令が、脳に届けられるということですね。夜にバカ食いをしてしまう人ほど、シャワーだけでなく入浴を習慣にしてみてはいかがでしょうか。

②脂肪蓄積防止効果

 間接的ダイエット効果2つ目は「脂肪蓄積防止効果」です。

 入浴前の食事では、脂肪が体に付きにくくなります。なぜかと言えば血流改善効果により、血糖値上昇を防止することも可能となるから。

 脂肪が体に蓄積されるときのメカニズムをお話すると、まず血糖値が上昇します。血糖値が高くなると血管に負担がかかりますから、膵臓からペプチドホルモン「インスリン」を分泌するのです。そしてインスリンは、血中の糖分を脂肪へと変えてしまう。入浴後は血糖値の上昇をインスリンの力だけでなく、血流改善の力でも下降させてくれる。だから太りにくくなるのです。

 ただ入浴時の血糖値のお話なので、その他の時間に暴飲暴食を繰り返していては、効果がないことも忘れないようにしましょう。

最後に

 本日は「入浴でダイエットNG」というお話、いかがでしたか?

 ダイエットは、健康維持のためにも、他人からの印象UPのためにも人生で重要な問題です。だからこそガセ情報に騙されず、しっかりと勉強をして、正しい情報を得るために精査していく力をつけましょう。

 本日はご精読ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました