本日のテーマは「集中できない遺伝子・注意残余」についてのお話です。
1つの作業になかなか集中できないという悩みは、誰もが1度は経験したことがあるのではないでしょうか。この現象はあなたが特別に怠惰なわけではなく、人類全ての遺伝子に問題があるのかもしれません。なぜなら私たちは「集中できない遺伝子」を持っているから。
遺伝子の理由
まず集中できない遺伝子を持つ理由について、深堀りしていきましょう。
我々の遺伝子は、古代にもう完成されており進化が止まっています。そして古代の環境で、遺伝子が生き残るためには1つの物事に没頭することは非合理的なものだったのです。なぜなら肉食獣への警戒心が解かれ、彼らのお腹の中に一直線で吸い込まれてしまうから。つまり1つの物事に集中することよりも、意識を分散して集中させない個体のほうが生存確率が高かった。その末裔が我々なのです。
ただ現代の環境で得する人たちは「集中できる人」です。理性の高い人間たちが、この世界を少しずつ型作り、遺伝子にそぐわない環境に変えてしまったから。だからこそ集中力という分野でも、勉強に努めなければいけないのです。
注意残余とは
次に、集中できない遺伝子が引き起こす「注意残余」という現象を覗いていきましょう。
注意残余とは、物事に集中しているときに無関係の別の刺激が入ると、頭の中にその刺激が20分程残ってしまうこと。
「スマホの通知」・「街頭演説の車」など、対象への意識を一旦削がれた経験は誰しもがあるでしょう。これらの刺激は、脳の認知資源の一部を20分程侵食してしまうのです。以前の記事「選択アーキテクチャ」でもお話しましたが、ノイキャンイヤホンで外部音を遮断したり、スマホの通知を常時OFFにすることはとても重要です。これらの仕組みは、注意残余から未来のあなたの可能性を守ることに繋がるのです。
ながら作業NG
注意残余の対処法として、大事なポイントを1つ紹介します。
それは「ながら作業NG」です。
作業の合間にスマホやお菓子を食べたり、音楽を聞きながら作業することは「作業の質・スピード」ともに大幅に下落させます。それら対象への意識を一緒に抱えながら、あなたは目の前のタスクに取り組むことになるのです。時間を大切に思うのなら、絶対に行ってはいけません。
報酬というハンドル
注意残余の重要さを述べると、人によっては「その方が効率が良いし、集中力も上がるんだよ」と自論を述べる方もいるでしょう。
この自論にも原因があります。それは集中できない遺伝子が、意識分散という結果に対して脳に報酬を与えているから。「生物とは遺伝子の乗り物」であり、遺伝子が支持した通りに基本は動かされるもの。そして遺伝子は「報酬というハンドル」をまわします。報酬を与えられた我々は、遺伝子の意図する行動へと導かれる。つまり意識分散という行動で、生存確率を上げるために動かされているということ。
そしてその報酬の快楽により「集中力」や「作業の質・スピード」が向上していると錯覚してしまう。「主観的感覚と客観的事実は違うものである」という事実を知る必要がありますね。
最後に
本日は「集中させない遺伝子・注意残余」についてのお話、いかがでしたか?
タスクの最中に、スマホ・お菓子を合間に挟んだり、TV・音楽を流しながら行うことは全てがNG行動です。これらで集中力が上がっていると勘違いするのは、遺伝子がくれる報酬の錯覚以外の何者でもありません。タスクだけにしっかりと時間を注いで早めに終わらせ、余った時間で「スマホ・お菓子・TV・音楽」を楽しむほうが人生楽しいのではないでしょうか。
本日はご精読ありがとうございました。
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