「社会性欲求」の満たし方

客観力

 本日のテーマは「社会性欲求の満たし方」のお話です。

 社会性欲求とは、ある集団に属して居場所を手にしたいという欲求のこと。人間は群れをつくって進化してきた社会性をもつ動物です。そのことから繋がりを求める性質を持ち、特定の人と1つの集団を作ることによって安心感を抱くのです。この社会性欲求が満たされない状況が「孤独」ということです。

 そして社会性欲求の満たし方には、2つのアプローチ方法があります。本記事では、それぞれの道を具体的に紐解いていきましょう。

承認欲求

 社会性欲求の満たし方1つ目は「承認欲求」です。

 承認欲求とは、他人から認められたい、分かってもらいたいと感じる欲求のこと。

①他者の評価

 このプロセスを歩む人は「他者の評価」という手段を選択します。

 他者の評価を使って、集団と自分を同期させて孤独解消を試みるのです。具体的には「時代・国家・所属団体の価値観」に自分を変容させて迎合する。なぜなら自分の心の声を貫いて自我を出しても、他者の評価を得るという目的達成の確率は低いからでしょう。

②自分中心の視点

 そして承認欲求にフォーカスしている人は「自分中心の視野」を持っています。

 表面的には、周りに迎合していることから「他者関心の視野」を持っているように見えます。しかし、心の奥底では自分が認められることで頭がいっぱい。他人に対して、1ミリも興味がないのです。

③怒りの感情

 そしてこの視野は「怒りの感情」を後に生み出します。

 迎合したにも関わらず評価をくれない相手や、自由奔放に生きている人に対して、怒りが湧いて愚痴として表出される。これらの相手は評価というGIVEをくれずに、孤独解消を満たしてくれない。これが怒りの源泉です。そして「類を友を呼ぶ」という言葉どおりに、同じような人間が集まります。お互いが承認欲求を満たすためのエサという認識なので、社会性欲求は本質的に満たされない。孤独がいつまで経っても隣り合わせで、ストレス発散のために怒りに生きるのです。

主観的貢献感

 社会性欲求の満たし方2つ目は「主観的貢献感」です。

 主観的貢献感とは、他人に喜びを与えて自己満足したいと感じる欲求のこと。

①主観での貢献

 このプロセスを歩む人は「主観での貢献」という手段を選択します。

 主観での貢献により、自分だけのイメージの中で、集団と自分を同期させて孤独解消を試みるのです。具体例を挙げると、孫正義さんがデジタル情報革命で数百年後の人類の幸福に貢献しようとしていることや、ボランティアを他者承認なしに行っている人などのことですね。

②他者関心の視野

 そして主観的貢献感にフォーカスしている人は「他者関心の視野」を持っています。

 他者に興味・関心を持ち、正解するかは別としてイメージで答えを出す。そして相手を自分のことのように認識して貢献していく。もちろんイメージが外れて、ただのお節介で終わることもあるかもしれません。ただ承認を目的としていないので、自分の頭の中では幸せいっぱいです。

③慈愛の感情

 そして「慈愛の感情」が源泉に存在します。

 慈愛の感情がベースの主観で生きているからこそ、自分という個体ではなく、集団という共同体の認識を持てる。そして集団の仲間を助けてあげたいと感じてアウトプットしていく。

 自分中心の欲を満たすときに「ドーパミン」という快楽物質が分泌しますが、慈愛の気持ちで他者関心の欲を満たすときに「βエンドルフィン」という、ドーパミンの20倍の快楽を感じる物質が分泌するのです。だからこそ「ヘルパーズ・ハイ」という事象で、ボランティアしている人はしていない人に比べて、健康状態・主観的幸福感・平均寿命ともに高い傾向があるのでしょう。

最後に

 本日は「社会性欲求の満たし方」のお話、いかがでしたか?

 承認欲求という道しか歩んだ経験がない人は、偽善だと切り捨てるかもしれません。しかし個人的には、1度試してみるという選択をオススメします。

 真実に近い評価とは、どちらも経験して初めて近づけるもの。片方しか経験していない人が、今見てる世界を肯定するのは当たり前です。そしてそのような人は、肯定の根拠を明確に説明できずに極論・ポジショントークの人物となる。自分に都合の良い情報だけを集める人にならないよう、まず全てを吸収しましょう。もちろん、鵜呑みにはせずに行動と思考を繰り返しながら自分の頭で考えていくことも必須です。

 本日はご精読ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました