ワーカホリズムが休めない原因

メンタルヘルス

 本日のテーマは「ワーカホリズムが休めない原因」についてです。

 ワーカホリズムとは、仕事への活動水準が高いのに、仕事への認知が不快である人のことをそう呼びます。嫌いなものに対して、たくさん活動するというのは自然に考えれば不思議な話です。なぜ彼らは、嫌いな仕事に対して休まずに取り組むのでしょうか?

 ワーカホリズムが休めない原因について、3つの可能性を示唆していきます。

恐怖・不安からの承認欲求

 ワーカホリズムが休めない原因1つ目は「恐怖・不安からの承認欲求」です。

 彼らが仕事を行う理由は、喜びが源泉ではなく、人に認められない恐怖・不安が源泉となり活動に努めています。「働いていないと周りから叩かれてしまう」・「いい仕事についていないと悪く言われる」など、ドーパミン型モチベーションではなくノルアドレナリン型モチベーションで動いています。だからこそ休むことが怖くて、止まれないのです。

 しかし恐怖・不安が源泉にある人はアウトプットの質が低く、いつかは心身ともに体調を崩します。ノルアドレナリンは危険回避として優れていますが、短期的にしかハイパフォーマンスを出せずに、その後は脳機能を悪化させてしまう。だからこそワーカホリズムは、休まない割には仕事の成果が出せないのです。

完璧主義

 ワーカホリズムが休めない原因2つ目は「完璧主義」です。

 完璧を求めがちな人は、「0か100」か「白か黒」かで物事を考える傾向があります。つまり中途半端な質やグレーのものを生み出すことが許せないのです。どんなに楽しい物事に取り組んでいても、この意識を持ち合わせていれば好きなものが嫌いへと転換していきます。

 また時間の使い方でも、完璧主義は反映されます。いつでも全力で完璧に行わなければという認識になり、休むことが全く出来なくなるのです。しかし、人は必ず集中力が発揮できない場面が訪れます。もし柔軟な考え方を持てれば「まぁしょうがないね」と休むことが出来ますが、完璧主義はそこで休むことが出来ません。休まなければ集中力は回復しませんから、完璧を求める程に低品質をたくさん生み出して最後は倒れてしまうのです。

自己否定の信念

 ワーカホリズムが休めない原因3つ目は「自己否定の信念」です。

 自己否定の信念とは「自分は何をやっても上手くいかない」・「価値がない」と潜在意識で感じる意識のこと。実はこの信念こそが「恐怖・不安からの承認欲求」や「完璧主義」の源泉となるものです。自分がダメだと思うから「承認が欲しいし、完璧に努めたいし、完璧なモノで周りを固めたい」と無意識に思ってしまうのです。

 そして厄介なことに、この信念は常に自分自身にストレスを与えます。対人関係や仕事だけのストレスであれば、それらと距離を置いて逃げることも可能です。休めば人は回復しますよね。しかし、自己否定のストレスは自分で自分を常に攻撃している。何処までいっても逃げることが出来ないものです。

 慢性的なストレスは、脳細胞にダメージを与えて「大脳皮質の灰白質」を減少させます。灰白質とは、脳の神経細胞体(ニューロン)が密集した部分のことで「思考・判断」するのには必要不可欠なもの。日々ストレスにより脳細胞が攻撃されれば、認知能力は下がり自己否定の信念にも簡単に飲まれやすくなる。もちろんパフォーマンの低下も必然です。

最後に

 本日は「ワーカホリズムが休めない原因」のお話、いかがでしたか?

 集中力を最大限発揮するためにも、高品質のモノを生み出すためにも、自分自身を破壊しないためにも「休む」ことは必要不可欠です。疲れたら元気になるまで休み、失敗を精神的に引きずらないことが重要でしょう。とは言っても、それが出来ないから苦労しているという方も多いのではないでしょうか。次回の記事では、休むためのテクニックについてのお話をしていきます。

 本日はご精読ありがとうございました。

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