本日のテーマは「広い視野のメリット」のお話です。
まず、前記事のおさらいを軽く述べさせてください。勉強して物事を知りながら広げていく「視野」を、人間が成長していくことで伸びていく「身長」に例えてご紹介しました。
身長が低ければ目先の壁しか見えませんが、高ければ壁を超えた向こう側の土地を見ることができます。それと同じで視野が狭ければ瞬間的な欲求という壁で頭がいっぱいになりますが、視野を広げれば瞬間的欲求の壁を乗り越えた未来が見通せるようになるのです。
そして本記事と次回記事の2回に分けて、視野広狭のそれぞれのメリットを覗いていきます。この章では「広い視野のメリット」を3つ紹介します。それは「過去・未来の俯瞰」・「世界単位の視点」・「瞬間的快楽の軽減」です。では、それぞれ深堀りしていきましょう。
過去・未来の俯瞰
広い視野のメリット1つ目は「過去・未来の俯瞰」です。
視野が広い人は、目先の欲求という壁に意識を飲み込まれる確率が下がるので、それらを超えた過去や未来を俯瞰することが出来ます。具体的には、遥か昔のことから学びを得たり、未来予測の正解確率を高めるなど。また最善の未来のために、現在の行動を選択するようにもなるのです。
だからこそ「歴史的偉人」や「仕事の成功者」は、過去や未来の人類と共同体感覚を得ながら、未来の人類の幸せを描くのでしょう。過去から渡されたバトンを、未来に届けることができるのは広い視野が持てているからです。
これと比較して視野が狭い人は、欲求という壁の範囲内にある現在地しか見えません。未来が見えなければ自身の信念を「瞬間的快楽」と同期するしか選択肢がないので、代表例となる承認欲求が生きる目的となります。すなわち「与えられた価値基準通りの人物」になり、物語作成者に意識をハイジャックされている状況です。
過去・未来のイメージ範囲は「思春期だった時代」から「数年先の未来」くらいであり、あまり遠い時間軸のことを考えることも出来ません。
世界単位の視点
広い視野のメリット2つ目は「世界単位の視点」です。
視野が広くなれば、自分中心から他者関心の視野へと切り替わります。つまり世界単位で物事を考えられる方向性へと進んでいき、様々なことに好奇心を感じるようになるのです。
コミュニケーションでも他者に興味関心を持つ姿勢になるので、相手の立場をイメージする力が向上します。そして自分とは異なる他者の価値観にも、攻撃的になることが少なくなるでしょう。
しかし視野が狭ければ、基本は自分中心の視野です。好奇心もあまり感じず、興味関心も特定のモノにしか持ちません。
またコミュニケーションでも自分の承認欲求を満たすことが目的なので、別の価値観に触れれば「攻撃・評価」して自分の優位性を証明しようと試みます。相手に興味関心を一見もっていると思えるシチュエーションでも、自分の価値観と同じ人への共感です。つまり深堀りすれば、承認欲求を満たしている作業と何ら変わりないのです。
このように視野は過去・未来の時間軸だけではなく、単体から共同体への意識の変化にも影響があるということですね。どちらが主観的満足感を感じるか、攻撃的な感情が浮かびにくいかは明らかでしょう。
瞬間的欲求の軽減
広い視野のメリット3つ目は「瞬間的欲求の軽減」です。
視野という身長が高ければ、瞬間的欲求という近くの壁の先を見ることができます。すると目先の壁ではなく、長期的欲求という遠くに見える壁を満たしたい気持ちに駆られるのです。つまり瞬間的欲求への自制心は果てしなく強くなります。しかし視野という身長が低ければ、瞬間的欲求という壁がその人にとって認識の全てです。それを満たすことが人生になるので、自制心を持つ意味も感じられないでしょう。
目先の承認欲求に繋がれれば、「プロセス・継続」より「結果」に価値を持ちます。偉大な結果を残す過程となる「プロセス・継続」に価値を持てなければ、出る杭は打たれることが怖くて行動できません。出すぎた杭は打たれませんが、そこへ到達するためには打たれる程度の突出時もあるということです。このように視野が広いことには、自己実現・他者貢献を目指すために必要不可欠な要素であることは間違いないでしょう。
最後に
本日は「広い視野のメリット」のお話、いかがでしたか?
視野を広げることには多大なメリットがあり、目先のアクションプランは「好奇心のままに、様々なことを勉強する」こと。勉強を継続していくと、いつか点と点の知識が線となり繋がり、脳内にネットワークが出来上がるという体験に遭遇します。
そして過去や未来、全てのモノは繋がっているのだという世界観を感じることが出来るでしょう。また視野を手にするための近道としては「歴史の勉強」です。理由としては、過去を見るために身長を伸ばすことになるので、結果的に未来も見えやすくなるから。
本日は、広い視野のメリットばかり解説してきましたが、全てのことに一長一短あるのもまた事実です。次回の記事では「狭い視野のメリット」のお話をしていきます。
本日はご精読ありがとうございました。
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