本日のテーマは「入浴の恐怖・ヒートショック」のお話です。
正しい入浴を習慣にすることは、健康的な毎日を手にするために重要なキーとなります。具体的には副交感神経のスイッチの切り替えや、血流改善による新陳代謝アップ。他にも得られる恩恵は計り知れません。
そんなメリットばかりに見える入浴ですが、入り方のルールを間違えてしまうと突然死や疾患へのトリガーとなってしまいます。つまり「薬が毒」に変貌してしまうということですね。ではトリガーになるものとは一体、何なのでしょうか?
それは「ヒートショック」という現象です。本章ではヒートショックに対して3部構成に分け、お話を進めていきたいと思います。
ヒートショックとは
まず「ヒートショック」とは何なのでしょうか?
ヒートショックとは、急激な温度差変化により、血圧が急上昇して血管にダメージを与えることです。血管へのダメージが日々の習慣になってしまえば、後の重大な病気を誘発することにも繋がります。また最悪の場合は、突然死に至ってしまうケースさえあるのです。
真冬には入浴が関連していなくても、ヒートショックを起こしてしまうケースさえありえます。「温められた室内」と「冷えた外気」の行き来でさえヒートショックを誘発するのですから、温度差変化の激しい「入浴」はそれ以上にルールを従事しなければいけません。
入浴でのヒートショック
次に「入浴でのヒートショック」についてのお話です。
ヒートショックを起こしてしまう原因は、入浴関連だと大きく2つ存在します。その事象とは「42℃の湯船」・「脱衣室の寒さ」です。
①42℃の湯船
入浴でのヒートショック1つ目は「42℃の湯船」です。
42℃を超える熱さの入浴は、血圧の急上昇を促します。そして血管にその都度ダメージを与えてしまうのです。「熱いお風呂が好きだ」という方も多いとは思うのですが、健康という視点から見るとあまりオススメな入浴法ではありません。この現象は甘いお菓子を食べて、生活習慣病へ1歩近づくことに似ているかもしれませんね。快楽と健康が、必ずしも比例しないことを示した事例でしょう。
特に高齢者は若者よりも、熱さへの感度が鈍くなっています。結果的に熱いお風呂を好む人が多くなり、重大な事故へと繋がってしまう。入浴で亡くなる方は「年間平均1万9千人」にも及ぶともいわれ、圧倒的に高齢者に多いそうです。
②脱衣室の寒さ
入浴でのヒートショック2つ目は「脱衣室の寒さ」です。
寒さという刺激も、血圧急上昇へのトリガーとなりえます。真冬の脱衣室というのはとても極寒で、温かい部屋との温度差は凄まじい差異があるでしょう。そんな中、「入浴の温かさ」と「脱衣室の寒さ」の相性はまさに最悪。結果的に、真冬の入浴での死亡事故が多い理由にも繋がります。
対策方法としては「ヒーター」などを設置しましょう。簡易的なものであれば、数千円代からでもネットショップで手に入ります。その小さな自己投資が、あなたの健康寿命を飛躍させ、多くのリターンとして返ってくるはずです。
ヒートショックによる疾患
最後に「ヒートショックによる疾患」のお話です。
急激な温度差の刺激が習慣になり、血管にダメージが与えられ続けると、どのような疾患を患ってしまうのでしょうか?
ここでは代表的なものを2つ紹介します。それは「脳卒中」と「心筋梗塞」です。
①脳卒中
ヒートショックによる疾患1つ目は「脳卒中」です。
脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破裂したりしてしまう病気のことです。意識を失い突然死もありえますし、意識障害や手足の麻痺などの後遺症を背負ってしまう可能性も起こりえます。脳卒中には大きく3つの種類があり「脳梗塞」・「脳出血」・「くも膜下出血」が挙げられます。
脳梗塞は、脳の血管が詰まって、脳細胞に酸素やエネルギーが回らずに壊死してしまう病気のこと。脳出血は、脳の血管が破裂して脳内で出血してしまう病気のこと。流れ出た血液が脳内の神経細胞を圧迫して、後の後遺症の可能性を生み出します。
くも膜下出血とは、くも膜と軟膜の間にある「くも膜下腔」で起きる出血のこと。頭蓋骨と脳の間には、「髄膜」という脳を包みこんで保護する膜が存在します。そしてこの層は3層あり、「硬膜」・「くも膜」・「軟膜」と分かれているのです。このくも膜と軟膜の間を「くも膜下腔」と呼び、ここで出血を起こしてしまう疾患となります。
②心筋梗塞
ヒートショックによる疾患2つ目は「心筋梗塞」です。
心筋梗塞とは、心臓の筋肉に酸素や栄養素を送る「冠動脈」が詰まることにより、心筋細胞が壊死してしまう病気のことです。
心臓は動脈で全体の臓器に血液を届け、静脈で血液を回収する役割を果たしています。そして冠動脈とは、その心臓自体に血液を送る動脈のこと。ここが塞がれてしまえば、ひどい胸痛を感じたり、最悪の場合は体全体に血液が回らなくなってしまうのです。まさに心拍停止による突然死の状態です。
最後に
本日は「入浴の恐怖・ヒートショック」のお話、いかがでしたか?
脳も心臓も、私たちが健康的に活動するためにはとても重要な体内器官です。常に働いてくれている体内器官たちに、感謝の気持ちを持って労る生活習慣を心掛けてあげたいと私は思っています。きっとGiveすれば、体内器官たちはまた健康的な毎日としてGiveを返してくれるはずですから。
その為にも入浴に関してもルールを守り、正しく楽しみながら恩恵を得ていきましょう。次回記事では「ヒートショックの予防法」についてのお話をしていきます。楽しみにして頂けると嬉しいです。
本日はご精読ありがとうございました。
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