言葉を操る会話術②「画像スピーチ法」

文章・プレゼン

 本日のテーマは「言葉を操る会話術・画像スピーチ法」のお話です。

 言葉の技術を正しく習得すれば、ビジネス以外でも様々なメリットが得られます。例えば、友人とのコミュニケーションを円滑に進めることが可能であったり、自分自身についても言葉というツールで深く知ることが出来るでしょう。コミュニケーション・自己洞察という2つの視点で、プラスの状況に導く言葉の技術習得を目指してみてください。

 そして前記事と本記事の2回に渡り、そんな言葉技術習得のための「言葉を操れる会話術」をご紹介しています。知人との世間話の中でも行える方法なので、是非試してみてください。本日は「画像スピーチ法」というトレーニング内容となっています。では、一体どのようなプログラムなのでしょうか?

画像スピーチ法とは

 画像スピーチ法とは、言葉ではない画像を、聞き手が分かりやすいように言語化することです。

 ここでいう画像とは「地図」・「絵画」・「写真」などが挙げられます。これらの画像を相手が「1度も見ていない」・「全く知らない」状況で、正しく理解してもらえるように話すという点が重要です。

 前回紹介した「傾聴スピーチ法」では、相手の話し言葉を自分の話し言葉に変換しました。ただ画像スピーチ法では、言葉でないものを話し言葉に変換します。この営みは大変なものですが、その労力に似合ったトレーニング効果が得られるのもまた事実でしょう。筋トレと同じで負荷をかければ筋肉が育つように、言葉の変換の負荷をあげれば言葉を操る力も育つということですね。

地図の説明方法

 では「地図」についての詳しい説明方法です。

 ある地域の土地勘がない相手に対して、分かりやすいように言語化していきましょう。最初に相手の頭の中に「東西南北で示した地図」をイメージしてもらいます。その際に言葉というツールを使って、丁寧に詳細を伝えながら道案内していきましょう。その後、実際の風景を想像してもらうための言葉もかけていく。そして先程の地図と風景を融合させていくという順番です。

 また地図を見ることが苦手な人に対しては、前工程として地図の見方も説明しましょう。その人の土地勘がある地域を使って、日本地図を用いながら基礎をサラッと説明する具合ですね。ここまでの全工程で使うものは言葉のみ。大変かもしれませんが、言葉の筋トレだと思い頑張りましょう。

絵画・写真の説明方法

 次に「絵画・写真」についての詳しい説明方法です。

 ここで重要なのは「細部の描写」を正確に解説すること。例えば「テーブル」が映った画像(絵画・写真)があったとします。この画像を相手に見せずに、正しくテーブルの状態を具体的に伝えなければいけません。

 良い例としては「テーブルの角は丸みがあり、濃い茶色のウッドで出来ているよ」などと言った具合ですね。逆に悪い例としては「美辞麗句」に走ること。美辞麗句とは、美しく飾り立てるような言葉を使った表現方法のこと。先程の例で紹介すると「大自然にどっしりとそびえ立つ、大樹をイメージさせるようなテーブルだったよ」などの説明になるでしょうか。

 美辞麗句の文章は、自分の主観や感情が入って抽象的な表現になりがちです。もちろん「感情共有」のための会話なら良いのですが、相手に対して「細部の描写」を正確に伝えるという目的は達成できませんよね。感情を伝える際は抽象的な表現でも良いですが、細部の描写を伝える際には具体的な表現が必要なのです。

 画像について伝える前に「主観・感情を伝えたいのか?」、「細部の描写を伝えたいのか?」、それらを自問自答することが大事かもしれません。これらを使い分けてこそ、本当の意味で言葉を操っていることになるのですから。

最後に

 本日は「言葉を操る会話術・画像スピーチ法」のお話、いかがでしたか?

 相手から聞いた話も、画像で見たものも、様々な体験をスピーチとしてアウトプットしていきましょう。すると実際に文章を書いていなくても言葉の力は育まれていき、あなたの人生に彩りを与えてくれるのです。

 ただ個人的な意見としては「書く」というアウトプットも実践して欲しいです。やはり書くこと以上に、言葉を操る力を飛躍させる方法はないからです。そして言語能力の向上は、すなわち「自分の頭で考える力」も身につく。全ての情報を鵜呑みにせず、自身の中で精査できるようになる。いきなりは難しいかもしれませんが、少しずつ時間捻出やルーティーン化の創意工夫をしてみてくださいね。

 本日はご精読ありがとうございました。

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