本日のテーマは「リズムに乗る文章法・接続詞」についてのお話です。
前回の記事で、文章の「文体」はミュージックの「リズム」のようなものであるという、関連性のお話をさせて頂きました。リズム感が良い音楽が心地良い音色を奏でるように、論理展開が上手になされた文体は気持ちの良い読み心地を与えるのです。だからこそ、スラスラと文字を次に進めることが可能となるのですね。
そして本記事から、リズムに乗るための文章法を2つご紹介していこうと思います。このテクニックを身につければ、論理展開がしっかりなされた文体がつくれ、あなたの文章は素晴らしいリズム感を持ち合わせるでしょう。
本章で紹介するリズムに乗る文章法1つ目は「接続詞」です。
接続詞とは
接続詞とは、文と文の構成要素同士をつなぎ合わせてくれる言葉のこと。
具体例を列挙すれば、「そして」・「しかし」・「つまり」・「だから」などがあります。これらの言葉たちは、前の文から次の文への順路の役割を担っています。そしてこの言葉たちを組み込んでも、違和感がない文章になっていないかどうかが、論理展開が上手く出来ているか否かの確認作業になるのですね。
では2つ文を用いて見ていきます。
A.今日は店員さんに笑顔で接客してもらった。だから嬉しくなった
B.今日は店員さんに笑顔で接客してもらった。そして嬉しくなった
同じ意味の文ですが、比較してみてどう感じるでしょうか?
まずAですが、全く違和感がないように感じます。それに対してBは、意味として理解できるものの何か読みづらさを感じます。引っかかりのようなモノがある感覚です。
この引っかかりとは「だから」から「そして」へと、接続詞が変わったことにより起こりました。Bの文では「そして」という接続詞は、最適な形状ではないということです。これが接続詞の力であり、この1単語が変わるだけで文章のリズムとなる論理展開が崩れたのです。
電車連結器の比喩
この接続詞は「電車連結器」に比喩できるでしょう。
電車の型に合わせて、様々な形状の連結器が存在しますよね。そして双方が同じ連結器同士であれば、しっかりと合致する。
では異なる連結器同士の車両を組み合わせた場合、どうなるでしょうか?合致せずに引っかかりがある状態では、車両が動き出せば連結器は外れてしまうかもしれません。そうなれば重大事故の可能性すらあるのです。
文章もこれと全く同じで、文と文に合った接続詞で繋げていればリズムの良い文章になる。逆に接続詞が合っていないものを用いれば、支離滅裂な文章になってしまうのです。軽視されがちな接続詞ですが、とてつもない役割を担っているということですね。
接続詞多様は敬遠される
しかし、ここで1つ注意が必要です。
それは「接続詞多様は敬遠される」こと。
文章についての勉強をしていくと「接続詞は多様しないように」・「適度に削ったほうが読みやすいよ」などのアドバイスを耳にします。確かに文字数が増えてしまえば、それだけ読む時間や労力も必要になります。読者の「集中力」・「注意持続力」というキャパを超えてしまう可能性すらありますよね。
「接続詞どうすればいいか問題」に関しては、人それぞれ意見が分かれると思います。私の意見としては、下書きではしっかりと接続詞をいれて確認作業を行い、推敲する清書のプロセスで削っていくことがベストではないかと考えます。また過度に接続詞を削るという意識も持ち合わせていません。なぜなら「分かりやすさ」が阻害されてしまうのではないかと感じるからです。
ただ接続詞を削る派の人であったとしても、「接続詞をいれないこと」と「接続詞のチェックを省いてよいこと」が同義ではないことも心に留めておいてください。
最後に
本日は「リズムに乗る文章法・接続詞」のお話、いかがでしたか?
接続詞は意外と軽視されがちな品詞ですが、とてつもない重要度を持ち合わせています。接続詞のおかげで論理展開が上手な文体であるかの確認が出来て、スラスラとリズム良い文になるのです。
もちろん文字数過多によるリズム崩れ防止のために、削る意識も自分自身の度合いで行っていきましょう。確認作業や分かりやすさでは武器として使い、文字数削減では切削する対象として扱う。難しい課題かもしれませんが、文章作成の数を意識しながらこなせば、きっと身につけられると思います。
本日はご精読ありがとうございました。
コメント