リズムに乗る文章法②「客観性」

文章・プレゼン

 本日のテーマは「リズムに乗る文章法・客観性」についてのお話です。

 まずは、文章のリズムについてのおさらいです。音楽の聞き心地を良くしてくれる正しいリズム感のように、文章にも読み心地を良くしてくれるリズムが存在します。そのリズムとは「論理展開が上手くなされた文体」です。文章で語られるストーリーが正しく展開されているからこそ、そこに読みやすさのリズムが生まれてスラスラと文字を追うことができるわけですね。

 では、本題となるリズムに乗る文章法2つ目「客観性」のお話に移っていきましょう。

客観性は柱

 まずは「客観性は柱」という事象について解説です。

 客観性を保ちながら文章を書き進めることは、まさに建物を建てる際の柱がしっかりと据わっていることと同じです。基盤となる柱を固めずに建築に取りかかれば、欠陥住宅の出来上がりは目に見えています。文章も同じで、主観のままに感情を吐露してしまえば、最終的な結末は論理展開が破綻した支離滅裂な文章です。そして読者のリズム感は、不快なものへと誘われてしまうわけですね。

 ですが、客観性を維持したまま文章を書き進めるとどうなるでしょうか?

 高い位置から俯瞰することが出来れば、自分自身が選択した文章構成に対して、内容を振り分ける意識が働きます。そして論理展開が上手く行いやすくなり、1つの分かりやすい物語を創造することが可能となるのです。 

自分の主観

 しかし、ここで反論が返ってくるかもしれません。

 その反論とは、文章の最終目的は「自分の主観を伝えることだ」という意見でしょう。もちろんその通りであり、2次情報となる自分の意見を述べなければ、自分自身が書いている意味がありません。それこそコピー機のように、情報を右から左に流すだけの作業となってしまいます。

 ですが自分の主観を正しく相手に伝えるためには、客観性を保つ必要があるのです。結局のところ、分かりやすさというのは客観性です。主観的に心が思いついたままに言葉を綴っていたのでは、相手は何を言っているのか理解できませんよね。それこそ論理展開は総崩れして、文章読みにくいこと極まれなしです。

 主観を正しく伝えるために、客観性を常に保ちましょう。

美しさ→正しさ

 次に「美しさ」でなく「正しさ」への意識についてです。

 文章を書き綴るときは、美辞麗句に走って美しさを優先してはいけません。それよりも正しく物事を伝えることに意識を持つべきなのです。

 美しさにばかり目が囚われてしまうと、自分自身が主観の世界へと誘われてしまいます。なぜなら「美しさ自体が主観だから」です。美しさとは個人や時代により、好みや定義が変化するものですよね。美辞麗句に走れば、主観という色眼鏡をかけながらしか執筆ができません。

 逆に正しさを追い求めると、人間は客観的な視野を取り戻すことができます。文章の目的は事実にしろ主観にしろ、それ自体を正しく伝えること。あくまで客観性を保ちながら、論理展開の良さという文体・リズムを作り上げることが第1優先事項なのです。美しさとなる美辞麗句は、その上に付加的に乗せていくべきでしょう。

人生も同じ

 そしてこの事象は「文章」だけでなく「人生」にも言えることです。

 人生の価値観を明確にするときに、まず先に世の中を客観視すること。自分の主観となる「価値観・生き方」は、その後に考えていくものです。

 世界のことを何も見ずに、ただ自分自身の心に従っていれば暴君です。また教えられた主観を絶対的なモノと信じれば、世間体の信奉者になってしまいます。そうではなく客観性を持ち、マジョリティと自分自身を知り、主観を明確にして進みたい道筋を決める。それこそが本当の意味での価値観の明確化なのではないでしょうか。

 文章・人生ともにまず客観性を獲得し、その上に主観となる意見や価値観を描いていきましょう。

最後に

 本日は「リズムに乗る文章法・客観性」のお話、いかがでしたか?

 客観性を持つ人は、文章の論理展開を良いものにすることが容易くなり、読み心地良いリズムに整えることができます。また自分の価値観に従って、信念を貫く人生も歩めるでしょう。

 文章・人生ともに「客観→主観」の順序を厳守していきましょう。するとあなたの文章はリズムが良くなり、人生は楽しく輝き始めるはずだから。

 本日はご精読ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました