本日のテーマは「3つの知性①・環境順応型知性」のお話です。
今回ご紹介させて頂く内容は、「なぜ人と組織は変われないのか」という書籍に記載されている内容です。人生をより豊かに過ごすためにも、良い方向へ成長するためにも、重要なキーとなりえる内容だと感じたので本章で解説させて頂きます。
この書籍では、客観力・視野の広さのことを「知性」と定義しています。ですので本章でも、知性という言葉を借りてお話を進めていきます。もちろん時折、客観力・視野という言葉も織り交ぜていきますね。では本題に移りましょう。
人間の知性のレベルには、大きく分けて3つのステージが存在します。そのステージは「環境順応型知性」・「自己主導型知性」・「自己変容型知性」の3つです。本章では1つ目の知性「環境順応型知性」にフォーカスを当てて、深堀りしていきます。
集団価値観が客観視NG
環境順応型知性とは、自分が所属している集団の価値観を客観視できていない人のこと。
集団の思想もマクロの視点から見れば、1つの主観であることに変わりありません。この時代のマジョリティが滞在地として置いているだけなのです。事実としてはそうなのですが、知性が低ければそれに気づくことが出来ません。
このように客観視できていない彼らは、群れの考えを絶対的な正しさだと認識して日常を生きています。そして団体や所属メンバーからの承認が自分の生きる理由となり、自身のアイデンティティを集団の一員として型作っていくのです。
強力な集団思想
そして環境順応型知性の人は「強力な集団思想」を脳内に描きます。
思想のメリット・デメリットは一長一短あるので、どれが正しいかの答えはありません。ですがどの思想にもデメリットが存在することもファクトで、強力に偏りすぎればデメリットは顕著に目立つようになるでしょう。そんな集団思想に偏るデメリットをここでは3つ紹介します。
①攻撃性
強力な集団思想のデメリット1つ目は「攻撃性」です。
集団から逸れる人は、環境順応型知性の人が大事にしている考えを一見蔑ろにしています。なぜなら絶対的である集団の価値観に背いて自由に生きることは、彼らからしたら悪だからです。これは宗教に例えると、分かりやすいかもしれません。キリスト教の信奉者がいたときに、仏教の信奉者が「神より仏でしょう」と言ってきたら怒りを露わにしますよね。
そして悪である逸れた人間に対して、大多数という仲間と共に攻撃する。この攻撃は悪意のあるものではなく、世界の真理から外れた悪人への正義の執行です。つまり彼らにとっては良いことをしているのですね。これが世間体・常識が1主観であることを客観視できないことの、大きなデメリットだと思います。
②思考停止
強力な集団思想のデメリット2つ目は「思考停止」です。
また1つの集団を絶対的な正義と信じる人は、そこから与えられた情報を鵜呑みにする傾向があるでしょう。つまり思考停止で、考えることを放棄してしまっている状態です。目の前の行動はどんなメリットやデメリットがあり、自分の目的に関与するのかと考えを巡らすことは皆無なのです。
集団からの情報を鵜呑みにすることは、合理的な判断が出来なくなるだけではありません。その集団でのカースト上で位が高い人に、搾取されてしまうという2次災害をも引き起こすのです。非合理や搾取に進もうがそれに気づかず、表面に見えるものだけを認識して本人は幸せという場合も多々ありますが…。
③権威の服従
強力な集団思想のデメリット3つ目は「権威の服従」です。
集団の崇拝と権威の崇拝はイコールなので、権威を持つ人は絶対的に正しい人だと認識して服従します。ペコペコ頭を下げるスネ夫のようなタイプですね。具体例を上げると「ナチスの言いなりに動いたドイツ人」・「戦争中にお国のためにと考えていた日本人」などが最たる例でしょう。
また身近なもので言えば、資本主義や世間体の信者も同じです。彼らはお金を持つ人や世間的な地位を持つ人を、神様のように認識しており存在を全肯定します。あなたは世界的に有名な「起業家」やカリスマの「芸能人・アイドル」を素晴らしい人だと心の奥で感じていないでしょうか?
確かに結果を出していることや、歌唱力・演技力・顔の整い具合が良いことは素晴らしいことです。ですが自分と関わった上で素晴らしいと感じるかどうかは、相手と何度か対面して内面を見なければわかりません。あくまでその尊敬は、権威の服従から来ているのです。
最後に
本日は「3つの知性①・環境順応型知性」のお話、いかがでしたか?
実はインターネットによりグローバル化が開かれた現代でさえ、環境順応型知性の人は統計的に6割以上の人数を占めています。またこの統計も中流大学卒を対象に行われたものなので、全体的に見れば人口の割合はそれ以上を占めるでしょう。
もちろん、環境順応型知性が不幸とは一概には言えません。現代の日本は平和な思想を持っているので、そのまま団体を信じ続けてもお花畑で生きることも当分は可能です。多少搾取されることは仕方ありませんが…。
ですが自分の好奇心を大切にするためにも、能力を向上させるためにも、自由に生きるためにも、本当の意味での他者貢献をするためにも、私は知性のレベルアップをオススメしたいと思っています。次回の記事では、残り2つの知性についてお話を進めていきます。楽しみにして頂けると嬉しいです。
本日はご精読ありがとうございました。
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