3つの知性③「自己変容型知性」

客観力

 本日のテーマは「3つの知性③・自己変容型知性」のお話です。

 3記事に渡り、「なぜ人と組織は変われないのか」という書籍で語られている「知性」についてお話させて頂いております。この書籍で定義されている知性とは、一般的にいう俯瞰・客観力のことです。つまり、どれだけ視野を広げて物事を見れているかの尺度のことですね。

 では客観力の極みとなる3つ目の知性「自己変容型知性」について覗いていきましょう。

固定観念存在の認識

 自己変容型知性とは、自分自身の思想内にある固定観念の存在を認識できている人のこと。

 目の前に達成したい目的があったとして、自分の中に気づけていない固定観念があれば難易度は大幅に上がります。なぜなら固定観念が目的達成と相反する考えだった場合、長期的には目的阻害行動をとってしまうから。

 具体例をダイエットで見ていきましょう。「タンパク質多め・糖質少なめの食事」という手段を知っていても「甘いお菓子を食べることが幸せ」という固定観念を持っていればどうでしょう?

 体重が目標をクリアしたら、また食べ始めてしまって体重維持が難しくなるかもしれません。それ以前に固定観念のせいで、食事内容が継続できずクリアできないこともあるでしょう。

 このように目的達成の手段を知っていたとしても、固定観念が長期的に阻害行動を100%引き起こします。そしてその行動が足を引っ張り、目的の達成・維持ができないのです。

客観視できていないことを知っている

 ただここで1つ、反論が飛んでくるかもしれません。その意見は「自分の固定観念を全て客観視できている人なんて、この世に1人もいないんじゃないか」という内容です。その通りごもっともで、客観視できていないからこそ人間味があるのでしょう。

 しかしここで重要なのは「客観視できていないことを知っている」ということ。自己変容型知性の人は、自分が見えてないモノがあることを知っているのです。だからこそ日々、勉強を習慣にして努めるのでしょう。つまり今の価値観は一時的に滞在しているだけということを知っていて、そこに居続けることは成長していないことと同義ということも知っているのです。

 もし今の価値観に執着して、そこに居続けている人は結果いつまで経っても今のまま。年齢だけ重ねて、何も変わらない人間の出来上がりです。いや変わらないというより、新しいことを吸収しなければ脳細胞の維持は難しくなる。老化により退化してしまうでしょう。年齢を重ねた人の多くが、固定観念いっぱいの頑固になるメカニズムはここにあります。

好奇心旺盛

 そして自己変容型知性の人は「好奇心旺盛」という特徴を兼ね備えます。

 この世に存在する全ての情報に対して、興味・関心を寄せて常に新しい情報を求めます。新しい情報により、自分の価値観をグレードアップしていくわけですね。

 また今の価値観・目的に沿った情報収集だけでは、自己主導型知性のままで固定観念を発見できないことを知っているとも言えます。だからこそ目的や価値観に沿わない情報にも警戒心を解いて、どんどん吸収していかねばならない。それによって目的や価値観が変わったのであれば、それこそが成長です。なぜなら自分の頭で考える作業を繰り返した先の結果なので、1つの思想の善悪を取っ払えば確実に良い方向へ進んでいるからです。

 そしてコミュニケーションをとる相手にも気に入られるでしょう。自分が好きなことを知りたがっている相手と遭遇すれば、それを教えてあげたい気持ちが湧きます。なぜなら人に教えるという営みは、自分自身の承認欲求を満たす行為だから。そして楽しそうに情報を集める自己変容型知性の人は、承認欲求を満たしてくれる相手であり、どんどん情報開示してしまうのです。

最後に

 本日は「3つの知性③・自己変容型知性」のお話、いかがでしたか?

 自分自身が変わらなくても、世界の流れは確実に変わっていきます。現在では合理的な選択も、世界が変われば合理的でなくなるというのはザラなこと。新しい時代に頑固者にならないように、固定観念があることを客観視して、どんどん変化していきましょう。変化こそ成長していることであり、同じ価値観にいるということは成長していない証なのですから。

 本日はご精読ありがとうございました。

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