本日のテーマは「固定観念を見つける・免疫マップ」のお話です。
本章でも「なぜ人と組織は変われないのか」という書籍で、紹介されていた内容のご紹介です。
自分自身の固定観念が、目的達成への変革行動を無意識に邪魔してしまう。だからこそ固定観念を認識して、まずその考えを変容せねばいけません。ですが現在、気づけていないから固定観念です。今、自分が見えていないものを見えるようにするというのは、相当骨が折れる作業でしょう。
そこで開発されたツールが「免疫マップ」です。このテクニックは、ハーバード大学のロバート・キーガン教授達が固定観念発見のために編み出したもの。免疫マップでは、ある4つの項目を順番に埋めていき、ゴールとなる4つ目の項目「強力な固定観念」を明確にするというものです。
では、一体どのように埋めていくのでしょう?4つの項目の特徴をそれぞれ見ていきます。
改善目標
免疫マップ1つ目の項目は「改善目標」です。
改善目標とは、課題達成や問題解決など、自分の意思で改善したいと渇望している目的のこと。
具体例を挙げると「体重を減らす」・「他人に気を使うのをやめる」など、誰しもが身近なモノでOKです。どんな目標でも良いので、すぐ試しに作ってみてください。変革への第1STEPは行動することであり、本日で言えば免疫マップを作ること。ここで「後でやろう」と考えた人は、きっと後になっても作成する確率は低いはずでしょう。
阻害行動
免疫マップ2つ目の項目は「阻害行動」です。
阻害行動とは、改善目標を邪魔する無意識で行ってしまう自分自身の行動のこと。
目的も明確で、そこまでの手順も知っている。なのに達成できないのは、その目的や手順に反する行動をとってしまうからですよね?それを素直に書き綴りましょう。誰に見せるわけでもないので、躊躇しないことが大切です。
例えば、先程の例で言えば「改善目標・体重を減らす」が達成できない人は「阻害行動・食べる量が多すぎる」を無意識にとってしまっている可能性があります。また「改善目標・他人に気を使うのをやめる」が達成できない人は「阻害行動・自己主張ができない」という無意識の行動のせいで、相手が自己主張過多になってしまっているのかもしれません。では、なぜ無意識の阻害行動をとってしまうのでしょう?
その理由は、免疫マップの3つ目の項目にあります。
裏の目標
免疫マップ3つ目の項目は「裏の目標」です。
裏の目標とは、阻害行動を引き起こしてしまう、自分自身が無意識で望んでいる目標のこと。
意識的に作りだした「改善目標」と、無意識に描いている「裏の目標」。この2つが相反する方向に進むものだった場合、改善目標への阻害行動を行ってしまうことは何も不思議ではありません。そして改善目標達成という変革は成し遂げられませんし、裏の目標も中途半端にしか満たせない。この苦しさや失敗体験が、変革に向かうことは「成長」ではなく「苦痛」という認識を固めてしまうのでしょう。
先程の例では「改善目標・体重を減らす」→「阻害行動・食べる量が多すぎる」という内容なのであれば、裏の目標として「退屈しない」・「周りの人に迷惑をかけない」というゴールを目指しているかもしれません。退屈したくないから、ついつい食べ物に走ってしまう。また人付き合いで「自分はダイエットしているから、デザートの注文はいいかな」と発言して、空気を壊して迷惑をかけたくないと思っているかもしれません。
また「改善目標・他人に気を使うのをやめる→阻害行動・自己主張ができない」という内容であれば、「裏の目標・全ての人に好かれたい」という気持ちがあるのかもしれません。他人に気を使うのを辞めることと、全ての人に好かれたいことは、相反する目標であることは誰の目からみても明らかです。どれだけ努力しても、2つの目標を達成することは出来ないでしょう。
強力な固定観念
免疫マップ4つ目の項目は「強力な固定観念」です。
強力な固定観念とは、自分自身が客観視できていない主観のこと。絶対的正義だと認識している考えのことです。この免疫マップを作成する上でのゴールでもあり、変革へのスタートとも言えますね。なぜなら固定観念を発見して、はじめて変革への行動に正しく着手することができるからです。
そして「強力な」という言葉がついているのは、著者いわく「あまりにも強すぎて事実と決めつけてしまっている。真偽を問うこともしなくなってしまうだろう」と述べています。つまり思考停止に陥るということですね。
先程の例、「改善目標・体重を減らす」→「阻害行動・食べる量が多すぎる」→「裏の目標・退屈しないor周りの人に迷惑をかけない」という3項目を埋めた人で見ていきましょう。この方は「退屈=苦痛である」という固定観念や、「人との関わりが1番の幸せ」という固定観念を持っていたのかもしれません。
ですが人によって「退屈は心をリラックスさせられる時間」と認識している人もいれば、「人との関わりよりも、自己投資して成長することの方が幸せ」と認識している人もいるでしょう。
また「改善目標・他人に気を使うのをやめる」→「阻害行動・自己主張できない」→「裏の目標・全ての人に好かれたい」という3項目を埋めた人は、「孤立した人間は哀れ」という固定観念が真実として持っているのかも。だからこそ人に好かれたくてしょうがないのです。そして、この考えに対しても「群れたがる人は自信がない」という固定観念の人もいるので、千差万別であり絶対的な正しさなんてこの世にありません。
この幻想を正しく発見して、改善目標に沿った考えへの変容を心掛けてくださいね。
最後に
本日は「固定観念を見つける・免疫マップ」のお話、いかがでしたか?
全てのことに言えますが、まず最初は現状把握です。これがどんな課題・問題を解決する際にも通らなければいけない道のりであり、だからこそ免疫マップを作るのです。是非、あなたも今すぐに自分の固定観念を客観視できるよう努めてください。固定観念の変容方法については、次回記事でご紹介したいと思います。楽しみにして頂けると嬉しいです。
本日はご精読ありがとうございました。
コメント