不快作業への対処法

集中力

 本日のテーマは「不快作業への対処法」についてのお話です。

 自分自身の価値観に則った仕事や勉強をしている人は、作業に対してプラスの印象を持っているかと思います。やはりマイナス印象を持っている作業より、プラス印象への作業の方が成果が高くなる傾向にあるのは真理でしょう。ですが価値観に則った仕事・勉強だから、不快作業が0になるかと言えばそれも違います。必ず何かしらの状況下で、不快作業が生まれるのも必然なのです。

 例えば、インプット時間は好奇心が刺激されて楽しいものですが、アウトプット時間では知っていることの出力です。つまりインプット程の楽しみは感じられない。ですがこの作業を放棄すれば、自分の身になりません。またモチベーションも常に仕事・勉強に向いているわけではなく、時々によって様々な欲求が頭の中を飛び交います。つまり楽しいことも、不快に感じる時期があるということ。

 このように不快作業とは、絶対に離れることができない定めなのです。では不快に感じるタスクに対して、どう向き合っていけば良いのでしょうか。本章では「不快作業への対処法」を2枠でご紹介していきます。

プチ不快の習慣

 不快作業への対処法1枠目は「プチ不快の習慣」です。

 プチ不快とは、8割程の確率で耐えられる不快のこと。ではなぜワザワザ鬱陶しく感じる不快を、日々の生活に習慣として取り入れなければいけないのでしょうか?

①精神の筋トレ

 その理由は「精神の筋トレ」になるからです。

 筋肉にダンベルやバーベルなどの重りで負荷をかければ筋繊維は切れ、その回復する過程で筋肉が太くなっていきますよね。不快に対する自制心も、この作業と全く同じです。精神に対して不快という負荷をかけて少し苦しみを感じ、それに耐えていく過程で精神力は研磨されていきます。そして自分が達成したい課題・問題に直面したとき、これらを成し遂げるために必要な不快作業を遂行できるようになる。そのための精神トレーニングなのです。

 もちろん筋トレでもそうですが、大きすぎる負荷は体を壊して怪我の原因になるでしょう。精神も同じで不快レベルが高かったり、休む間を与えなければうつ病へと進行してしまうかもしれません。ですので、8割程の精神的負担となる不快に留めておくのですね。きっとその不快を達成したあとには、筋トレ後の心地良さのような達成感を感じられるはずでしょう。

②お酒と自制心

 またお酒好きの人に対して自制心を調べた研究でも、プチ不快の効果を示唆します。

 この研究ではお酒好きを集め、2つのグループに分けました。そのグループとは「アルコールが強いグループ」と「アルコールが弱いグループ」です。そして結果を覗いてみると「アルコールが弱いグループ」の方が、自制心が高い傾向にあるのだとか。

 理由としてはアルコールが弱い人がお酒を飲みすぎれば、吐き気や胸焼けなど不快感を感じる可能性が高まります。そのことから否応なしに「お酒を我慢する」というプチ不快を、日頃から経験することになっているのです。しかしアルコールが強い人は、気持ち悪さというフィードバックが表出しません。ですからプチ不快を耐えるという経験を、お酒からは得られなかったと言うことですね。

 このように少しのプチ不快の習慣で、大きなゴールを達成するための強固な自制心を手にすることができます。自分の生活の中でプチ不快を取り入れられないか、吟味してみてください。

不快5のルール

 不快作業への対処法2枠目は「不快5のルール」です。

 不快5のルールとは、5という数字を意識して不快作業に向き合うテクニックのこと。ここでは2つのテクニックをご紹介していきます。

①作業5継続

 不快5のルール1つ目は「作業5継続」です。

 作業5継続とは、取り組んでいる作業を辞めたい気持ちが生まれたら、5の数だけ最後の一踏ん張りでタスクを継続してみること。例えば、読書を辞めたくなったら5ページだけ頑張って読んでみる。目の前の仕事に嫌気がさしたら、あと5分だけ頑張ってみる。

 この5という数字で行うタスクは、微々たる量かもしれません。ですが「塵も積もれば山となる」ということわざ通り、継続していけば膨大な作業量となって自分の身に返ってきます。また作業5継続は、前項でご紹介したプチ不快を耐えることにもリンクします。つまり塵積の蓄積だけでなく、精神の筋トレにもなっていると言うことですね。一石二鳥の効果があるので、是非お試しください。

②5秒カウントダウン

 不快5のルール2つ目は「5秒カウントダウン」です。

 5秒カウントダウンとは、作業に対してモチベーションが上がらないとき、5秒数え始めて時間内にタスクにとりかかるテクニックのこと。

 嫌だと思って頭で堂々巡りしていても、絶対にプラスの決断をすることはありません。考えれば考えるほどネガティビティバイアスによって、楽しいはずの作業が嫌いになってしまう可能性だってあるのです。そこで5秒のカウントダウンを頭の中で鳴らして、すぐさま作業に取り掛かりましょう。この秒読み自体を習慣にしてしまえば、あなたは嫌な作業の妄想で時間を浪費することが減少するはず。

 もし作業に取り掛かって、それでも苦しければ辞めても結構です。大切なのは5秒で作業にとりあえず着手したという事実です。そして不思議なことに、人は作業すると嫌な作業でも楽しくなってきます。この事象を「作業興奮」と呼びます。

 作業興奮とは、意欲が全く湧かない作業であったとしても、着手さえすれば自然と集中力や意欲が湧いてくる事象のこと。つまり1番最初が苦しい。そこを5秒の秒読みという習慣で乗り切る、そんな仕組みづくりを施しましょう。

最後に

 本日は「不快作業への対処法」のお話、いかがでしたか?

 完璧主義になって「絶対にしなければいけない」と思うほどに、不快作業は出来なくなってしまいます。ですから肩の力を抜いて「プチ不快を少し感じる程でいいや」・「あと5の数字だけ頑張ろう」・「5秒以内に作業だけして、嫌なら辞めればいいや」くらいの気持ちで望んでみてください。すると思った以上にモチベーションが湧いてきて、あなたの自制心はどんどん成長していくはずだから。

 本日はご精読ありがとうございました。

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