嫌いなのは自分かも「投影」

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 本日のテーマは「嫌いなのは自分かも・投影」というお話です。

 皆さんは、他人に対する苛立ちや怒りの感情の正体について考えたことってありますか?

 その正体とは、自己肯定感の低さが原因です。自己肯定感とは、ありのままの自分を好きでいられる自信のこと。この種類の自信を持っている人は、誇れるものを持っていなくても、周りに評価されていなくても自分が大好きでいられる。そして他人に対して怒りを感じにくい。ではなぜ自分が嫌いな人ほど、他人に苛立ちや怒りを感じるのでしょうか?

 この事実は、心理学用語「投影」により説明することができます。本章では投影について、深堀りしていこうと思います。

投影とは

 まず「投影」の定義を見ていきましょう。

 投影とは、自分と同じマイナス面の特徴を持っている人に対して、攻撃したくなったり腹立たしく思うこと。つまり自分が持っているマイナス面でなければ、苛立ちや怒りは感じにくいということです。この現象を深堀りしていくと、自己肯定感の低さがや攻撃性に繋がることが理解できるでしょう。

 もし自分のマイナス面を認めてしまった場合、最初に現れる感情は自己否定ですよね。自己否定は自分から自分への攻撃ですから、どんどん心が疲弊していきます。その自己否定を感じないように自己防衛として、自分のマイナス面は見ない方向へと無意識に心が働く。

 そして代わりに同じマイナス面を持った他人に対して、その悪い面を全て押し付けてしまうのです。つまり実は相手ではなく、自分が嫌いでしょうがない。そんな潜在意識が原因なのです。

 では次の項から「投影の対策方法」を3つご紹介していきます。

自分と相手の受容

 投影の対策方法1つ目は「自分と相手の受容」です。

 自分か相手の嫌なところ、それをありまま受け入れる。すると一貫性の力が働いて、自他共に好きへと転じていくはずでしょう。自他のどちらから受容プロセスを始めて頂いてのも良いのですが、2ケースの具体的方法論を軽くご紹介しようと思います。

①好奇心に従って動く

 まず自分の受容プロセスでは、好奇心に従って好きなことを行ってみてください。あなたが自己受容できないのは、世間や親が提唱したレールを優先したから。自分の心を抑えつけ、人の言いなりになっている自分が本能的に嫌いなのでしょう。

 ですが周りの承認や評価を自制する対象と受け止め、心のままに生きれば、どんどん自分が好きになる。そしてマイナス面であっても受容することができ、それを含めて自分が好きだなと感じられる。自分が好きだから、他人のマイナス面に対しても寛大になれるというわけですね。

②バックボーンのイメージ

 次に相手の受容プロセスです。方法として、バックボーンをイメージすることが有効です。人の性格・学力・運動能力などを平均すると、遺伝子50%・環境50%で型造られます。つまり相手のマイナス面の特徴は、半分が遺伝子で決まっている。またそんな遺伝子の親の元に生まれたのだから、環境もマイナス面を生み出すモノの可能性が高いでしょう。

 こう考えてみると、どちらも主体的に選択したものではない。もし自分が相手と同じ遺伝子や環境で生まれていたら、きっと自分もそうなっていただろうと認識できる。イメージを働かせて相手の立場に身を置けば、自他共に大好きで優しい人間になることでしょう。

ハロー効果・初頭効果の客観視

 投影の対策方法2つ目は「ハロー効果・初頭効果の客観視」です。

①ハロー効果・初頭効果のご説明

 まずは「ハロー効果」と「初頭効果」のご説明から入ります。

 ハロー効果とは、相手の一部の特徴をみて、その人の全体の傾向であると判断してしまうこと。つまり苛立ち・怒りを感じる特徴があるということは、全てが悪いところばかりなのだなと思ってしまうわけですね。

 初頭効果は、最初に見た特徴でその人の全体の傾向を判断してしまうこと。つまり悪い初対面であれば、全てが悪い人だと思ってしまう。そして確証バイアスという、自分に都合の良い情報しか集めない偏りの視野によって、この初頭効果は持続しやすいという特徴を持っています。

②所詮は幻想

 ですが所詮は、1部の特徴と初対面の印象です。この幻想に取り憑かれて相手に怒りや苛立ちを感じ続けることは、とても滑稽なことではないでしょうか。また投影の定義から考えれば、似ている部分があるのですからプラスの共通点も多いのかも。腹を割って話せば、誰よりも仲良く慣れる親友になるかもしれません。1部の特徴や初対面の印象を、真に受けないように心掛けましょう。

褒める

 投影の対策方法3つ目は「褒める」こと。

①悪口は嫌いの強化

 嫌いな人には、どうしても悪口を言いたくなってしまいますよね。ですが悪口を実際にアウトプットしてしまえば、その言動に感情が引っ張られて、相手が嫌いという思考はさらに強化されてしまう。この悪口が蓄積されれば、もう手の施しようがない程に、嫌悪の感情が膨れ上がってしまうでしょう。

②褒めるは好きの強化

 そうなる前に褒めましょう。嫌いな人間を褒めるのは、心と一致していないので認知的不協和を感じて鬱屈した気持ちになるかもしれません。ですがその気持ちがキーなのです。この認知的不協和を解消しようと、褒めるというアウトプットに感情や思考が引っ張られていく。そして少しずつ価値観は変容し、知らぬ間に相手を好きになっているということも。

 つまり褒めることも悪口も蓄積され、あなたの未来の他人への感情に影響を及ぼします。せっかく共通点ある人と出会えたのですから、その点について共感しあう仲間に出来ると良いですよね。

最後に

 本日は「嫌いなのは自分かも・投影」のお話、いかがでしたか?

 相手を嫌いと感じるのは、自分自身を見つめるチャンスでもあります。そして投影の対策方法を施せば、どんどん自分や他人を好きになることができる。マーク・トウェインの言葉に「彼は人を好きになることが好きだった。だから、人々は彼のことを好きだった」という言葉があります。そんな素敵な人物を目指していきましょう。

 本日はご精読ありがとうございました。

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