デタッチド・マインドフルネス

客観力

 本日のテーマは「デタッチド・マインドフルネス」についてのお話です。

 マインドフルネス関連の情報に目を通している人は、デタッチド・マインドフルネスという単語に何度か遭遇すると思います。そこで疑問として浮かぶのが「通常のマインドフルネスとは何が違うの?」という気持ちです。色々な用語が増えすぎてごっちゃになり、正しい理解を妨げてしまう人もいるでしょう。

 そのような状況に陥らないために、本記事ではデタッチド・マインドフルネスについて詳しく紐解いていきましょう。話の流れとしては2部構成となっておりまして「マインドフルネスとの違い」と「感情採点&感情物体化」の順に進めていきます。

マインドフルネスとの違い

 まずは「マインドフルネスとの違い」についてのお話です。

 2つの違いを明確に理解してもらえるよう、本項ではそれぞれの定義の話をしていこうと思います。まずマインドフルネスの定義をおさらいして、新たにデタッチド・マインドフルネスの定義も覗いていくという順番です。

①マインドフルネス

 マインドフルネスとは、今ここの現実に客観的に気づくこと。

 私たちは目の前に広がるファクトに対して感情が生まれますが、その気持ちに飲み込まれると観察する視点を失ってしまいます。

 例えば、ペットの犬を見て癒やされるなと感じていたとします。しかしその気持ちと同期してしまえば、ペットの犬を見て癒やされている自分に全く気づけていない状態です。ここでマインドフルネスが起動できている人は、自分の行動にも客観的に気づくことができるので、犬を見ている自分の意識が消え去ることはありません。

 さらに詳しい内容を知りたい方は「マインドフルネスと自動操縦モード」の記事でもご紹介しているので、是非そちらをご閲覧ください。

②デタッチド・マインドフルネス

 次にデタッチド・マインドフルネスです。

 デタッチド・マインドフルネスとは、浮かんできた思考・感情と距離を置いて、その心の動きを客観的に気づくこと。つまり思考瞑想や感情瞑想とも表現できるでしょうか。

 私たちは喜怒哀楽の様々なパッションが、外部の刺激をきっかけとして頭の中を巡ります。その思考や感情と一体化して終わりではなく、その心の動きを第三者の心の動きのように観察すること。デタッチドには分離や切り離すという意味合いを持ちますので、思考・感情は自分のモノではあるのですが、それらと自分の意識を切り離すことを表しています。

 イメージとしては「週刊少年ジャンプの漫画・遊戯王」が手助けになるかもしれません。主人公・武藤遊戯の頭の中には、ゲームのアドバイスをくれる「もう1人の僕」が滞在します。漫画と同じように、様々な局面で今のファクトを教えてくれる「もう1人の僕」をイメージできれば、デタッチド・マインドフルネスの上達も早くなるかもしれませんよ。

感情採点&感情物体化

 次に「感情採点&感情物体化」のお話です。

 喜怒哀楽の情動と自身の意識を分離するという方向性は分かったけれども、慣れないうちは難しいと感じる作業です。そこでデタッチド・マインドフルネスのお助けテクニックを、本項では2つご紹介したいと思います。それは「感情採点」と「感情物体化」です。

①感情採点

 感情採点とは、自分の思考や感情に点数をつけていくこと。

 なぜスコアをつけると合理的なのかと言うと、数字は客観的な視野を手にするためにとても有効なモノだからです。具体例としては、退屈を感じていた場合は「退屈な気持ち40点」、焦燥感を感じていた場合「ソワソワする感覚70点」といった具合で行います。100点満点をマックスとして、自身の感情の強弱度合いがどの立ち位置にあるのか採点していきましょう。

 このように数字という客観的な尺度に置き換えることによって、抽象的な思考・感情を正しく客観視することの一助となるのです。

②感情物体化

 感情物体化とは、自分の思考や感情を物体でイメージすること。

 なぜこのテクニックが有効になるかと言えば、先程の感情採点では1度感情を言葉にする必要性が生じます。ですが自分の感情を正しく認識できておらず、あやふやで分かっていないケースもありますよね。そうなれば言葉にできず、点数をつけるにも何に点数をつけるのかが分からない状態です。

 そこで複雑な感情に対しては、物体のイメージをしてみてください。具体的には、どの位置で感情を察知しているのか、また感情はどのような大きさ、形、色なのかをイメージしていきます。もちろん本当にその箇所にあって、想像した大きさ・形・色をしているわけではありません。ただ思考・感情を見ようという意識が働くので、言語化する程ではありませんが客観視を手伝ってくれます。

 是非、思考や感情を言葉に出来なくてお悩みの方は、物体化のイメージの力でデタッチド・マインドフルネスに挑戦してみてくださいね。

最後に

 本日は「デタッチド・マインドフルネス」のお話、いかがでしたか?

 普段からふとした瞬間にデタッチド・マインドフルネスを行うことを習慣にすると、あなたはどんな状況でも自分の思考や感情に飲み込まれずに分離する力を手にできるでしょう。

 また思考や感情が、湧くタイミングや状況など未来も読めるようになる。そうなれば未来の思考・感情から逆算して、今の行動や環境を選択することも可能となります。この状況を手に出来れば、人生全体が今よりイージーになると思うのでコツコツと継続していきましょう。

 本日はご精読ありがとうございました。

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