感情分離テクニック「メタファー」

客観力

 本日のテーマは「感情分離テクニック・メタファー」についてのお話です。

 前記事のお話では、デタッチド・マインドフルネスの詳細をご紹介しました。この営みでは「思考や感情」と「自分自身の意識」を分離して、第三者の視点から観察すること。ですが最初のうちは客観視しようと思っていても、いつの間にか思考・感情に意識をハイジャックされてしまうことも多いでしょう。

 そこで本章では、感情と意識の分離を正確に実行するため「感情分離テクニック・メタファー」をご紹介します。メタファーとは、比喩表現の1種で物事を別のモノに例えて考えること。思考・感情を分離して客観視するという事象を、メタファーの4つの例えとしてイメージします。すると比喩なしのケースよりも、感情分離することが容易にこなせるはずなのです。

 では4つのメタファーを覗いていきましょう。

雲のメタファー

 メタファー1つ目は「雲のメタファー」です。

 雲のメタファーでは、外部の刺激によって生まれた思考や感情を雲に例えていきます。それに対して、自分の意識は同じ位置から眺める空全体のこと。

 同じ位置から空を眺めていると雲はユラユラと動き、いずれ視界から消えていくでしょう。その雲のように、思考・感情もいずれは消えていくもの。ただじっと、今いる場所から観察していれば良いのです。しかし動く雲を追いかけてしまえば、今いる位置から自分が動くことになってしまう。これが意識の主体性を失い、無意識で思考・感情に意識を引っ張られてしまっている状態です。

 雲のイメージにより、自分は同じ位置から動かないという想像をすることで、あなたの感情分離能力は格段に向上することでしょう。

錨のメタファー

 メタファー2つ目は「錨のメタファー」です。

 錨のメタファーでは、現在の自分の主体的な意識を船の錨に比喩しています。そして思考や感情をその都度押し寄せる波に例えているのです。

 つまりマインドフルネスという錨を降ろせば、船は思考・感情という波に攫われずに停留することが可能です。もし思考・感情に意識を乗っ取られた自動操縦モードになってしまえば、それは錨を降ろせていない状態ということ。

 そこであなたが行うアクションプランは、波に根性で立ち向かうことではなく、ただ錨を降ろして心の事実を観察することなのです。

電車のメタファー

 メタファー3つ目は「電車のメタファー」です。

 電車のメタファーでは、その都度浮かび上がる思考・感情をホームにやってくる電車に例えます。そしてあなたの客観的な視野を、駅のホームに滞在することに例えているのです。

 駅のホームにいると、次々と新たな電車がやってくることでしょう。無意識な状態だと、人は思考停止でやってきた電車に乗りたくなってしまう。そこでマインドフルネスを発動することによって、乗りたい電車とスルーする電車の取捨選択ができるようになるのです。

 これが目的に対して、主体的に思考・感情を選択していくこと。つまり本当の自由を獲得している状態とも言えますね。

乳牛のメタファー

 メタファー4つ目は「乳牛のメタファー」です。

 乳牛のメタファーでは、あなたは北海道のような広い牧草地で酪農農家を経営しています。この乳牛たちが思考・感情として例える動物たちです。それに対して牛たちへの正しい飼育法があなたのマインドフルネスによる観察の視点となります。

 乳牛たちに広いスペースを与え、その中で適度な自由さを与えればストレスはかかりません。リラックスした乳牛は悪さをせず、こちらが臨む行動に従順することでしょう。しかし広いスペースをケチってしまい、囲いで小さな面積に閉じ込めてしまえば乳牛はストレスを感じ暴れだすことでしょう。

 この状況と全く同じで思考・感情という乳牛をただ観察することは、広いスペースを与えることに比喩できます。それに対して特定の範囲に乳牛を閉じ込めることは、浮かんできた思考・感情を抑制しようという行為です。感情は抑えようと意識すればする程に暴れまわるので、ただ浮かんできた思考・感情を観察する。

 このように酪農農家の経営をイメージして、思考・感情たちに広いスペースを与えましょう。すると目の前の思考・感情は従順になり、自分の意識を上手く分離することが出来るはずだから。

最後に

 本日は「感情分離テクニック・メタファー」についてのお話、いかがでしたか?

 デタッチド・マインドフルネス能力が高くなれば、メタファーがなくても大局観を広げることは可能です。ですがまだ習得度が低い状態では、油断するとすぐに意識をハイジャックされてしまいます。そのために4つのメタファーを活用して、何度も生活の様々な局面で活用してみてください。

 本日はご精読ありがとうございました。

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