マインドフルネスの起源「シッダルタ」

歴史

 本日のテーマは「マインドフルネスの起源・シッダルタ」のお話です。

 マインドフルネスは、1970年代にマサチューセッツ大学教授「ジョン・カバット・ジン」が提唱したアイデアです。彼は「従来の心理療法」と「仏教の座禅」の要素を組み合わせて、1つのアイデアとしたのです。

 ですが本章ではさらに時代を遡って、マインドフルネスのルーツへの旅へと皆さんをお連れしたいなと思っています。ではマインドフルネスの起源という名の時間旅行へ、3部構成で冒険していきましょう。

紀元前5世紀インドの皇子

 マインドフルネスの起源1部目は「紀元前5世紀インドの皇子」についてです。

 仏教を開祖した人物で「ブッダ」という人物は有名です。彼は紀元前5世紀インドのとある王国の皇子として「シッダルタ」という名を与えられ、この世に生を受けました。恵まれた王族の家に生まれたので、山海の珍味や絶世の美女も与えられ、労働の苦労もありません。一般の人々が欲するものは、最初から手にできている立場です。しかしそんな状況だからこそ、彼には次のステージの不安が見えてしまったのです。

 それは老いて、病気になり、死んでいかねばいけないという苦痛です。どんなに恵まれた状況を手にしていたとしても、人間である以上はこれらを止めることは出来ません。普通の人であればそれ以前の悩みと対面しており、老苦・病苦・死苦の不安には到達していないでしょう。しかし彼は恵まれているが上に、意識がそれらに向いてしまったということですね。

不安除去への試行錯誤

 マインドフルネスの起源2部目は「不安除去への試行錯誤」です。

 シッダルタは老苦・病苦・死苦という不安を除去するために、様々な方法を試行錯誤で試していきます。この項では、失敗に終わった試行錯誤の方法を2つご紹介していきます。

①快楽にふける

 不安除去への試行錯誤1つ目は「快楽にふける」こと。

 まず彼は3つの不安に対して、様々な快楽にふけて忘れようと試みたのです。豪華な料理や美貌を兼ね備えた女性など、何かを満たしている最中は不安を見てみぬふりすることが出来ますよね。

 ですが自分の心の声に蓋をして別の対象へ意識を向け続ける行為は、長期的に見ると自己肯定感をさらに低下させてしまいます。そしてシッダルタの潜在意識の中では、苦痛・不安がさらに肥大化していったのです。このケースは物が溢れた現代社会で、嗜好品により不安を一掃しようとするアクションに類似しているかもしれません。

②苦行する

 不安除去への試行錯誤2つ目は「苦行する」こと。

 快楽にふけても不安は消えず、逆に悪化してしまうことに絶望したシッダルタは遂に新たなアクションを試みます。それは恵まれた王宮から飛び出し、山へと出家して苦行による精神修行を行ったのです。

 つまりどんな苦痛・不安にも耐えられる力を、手にしようと思ったわけですね。不安が消せないのなら、耐えられるようにすれば良い。これは日本人的な発想に近いかもしれません。そして彼は、滝や断食などの苦行を繰り返しました。ですが3つの不安は解消できません。苦行は身体的な苦痛には耐えられるようになりましたが、精神的な不安を取り除くには有効な手段ではなかったのです。

 この2STEPが、シッダルタが不安除去へ試行錯誤した失敗ケースです。では次の項でシッダルタによる3つ目の試行錯誤であり、不安除去に対して彼の見つけた解答をご紹介していきます。

シッダルタ解答・観察する

 マインドフルネスの起源3部目は「シッダルタ解答・観察する」です。

 快楽や苦行の試行錯誤も、老苦・病苦・死苦の不安を解消できませんでした。そこでシッダルタは、ついに観察するというアプローチ法へと辿り着いたのです。このアプローチでは、心が生み出す不安はどこからやってくるのか、正体は一体何者なのかを観察しようと考えました。

 感情と意識を分離して、第三者のように距離をとりながら観察する。これこそが「マインドフルネスの起源」です。そして心の観察を継続していくと、思考・感情は発生して消えるを繰り返すシャボン玉のようなものであることを理解します。

 つまり一過性の幻想であることを突き止めたのです。不安の感情を消えるまで観察すれば、その後は静寂な世界を手にできる。そしてシッダルタは「苦しみ・悩みは実在せず、自分の思考が作り出している物語なのだ」と悟り、ブッダになったと言われています。

最後に

 本日は「マインドフルネスの起源・シッダルタ」のお話、いかがでしたか?

 有名企業であるGoogleやインテルなどが、企業研修で取り入れているマインドフルネス。その起源を探る時間旅行は、楽しめて頂けましたでしょうか。この手法が仏教の禅の理論であり、中国を介して日本に伝わりました。そして20世紀になりアメリカでマインドフルネス瞑想として広がり、日本に名を変えて再び到来したということですね。

 これからもあなたのマインドフルネス発動へのお手伝いができる記事UPに、努めていきたいと思います。ご閲覧頂けると嬉しいです。

 本日はご精読ありがとうございました。

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