本日のテーマは「マインドフルネス瞑想の4段階」というお話です。
人の心の状態は「集中」と「観察」という2つの要素から、4つのパターンに分けることが可能です。瞑想では、1つの物事に集中するので「集中」の要素に関連しています。マインドフルネスは、今この瞬間に気づくことなので「観察」への関連ですね。
つまりマインドフルネス瞑想によって、4段階の心の状態を駆け上がっていく。そして最終段階となる4段階目を目指し、この領域に達するとマインドフルネス熟練者になれるでしょう。そこで本章では「スキル取得の4段階」や「固定観念払拭の4段階」をモチーフとして、「マインドフルネス瞑想の4段階」を順番にご紹介していきます。
1段目・集中なし観察なし
マインドフルネス瞑想の4段階1段目は「集中なし観察なし」の状態です。
集中なし観察なしの状態は、目の前のことに集中しておらず、意識が散乱した自分に気づけていない状態のこと。何か物事を行おうとしても、集中できずにすぐ投げ出してしまう人は、大抵がこの段階にいることでしょう。
集中力が欠如して観察の意識がないと、外部の刺激に対して生まれる感情のままに行動をします。具体的には良いことがあったら明るくなり、嫌なことがあったら暗くなる。俗に言うメンヘラはこの状態のこと。また普段は集中力とメタ認知能力を兼ね備えた人でも、睡眠不足・疲労・アルコールなどの影響で1段目に戻ってしまうことも多々あるでしょう。
2段目・集中あり観察なし
マインドフルネス瞑想の4段階2段目は「集中あり観察なし」の状態です。
集中あり観察なしの状態は、目の前のことに集中していますが、自分が集中しているというファクトに気づけていない状態のこと。つまり自動操縦モードで、目の前のモチベーションという感情に乗って集中している人です。
もちろんビジネス・スポーツ・音楽など、成果・スキルアップを目的とするだけなら、この状態で差し支えないことは多々あります。心から好きで望んでいたり、ヤラなければいけない状況に追い込まれれば、人はモチベーションが湧きますから。あとはその感情に乗って、作業・練習・勉強に集中して継続するだけです。
逆にその1分野だけに集中したい職人タイプは、観察の視点がない方が目的達成に1番合理的な可能性もあると思います。ただ成果・スキルアップは獲得したいけど、周りの誘惑に弱いタイプや、複数の能力を手にしなければいけない課題に直面している人の場合は違います。これらの人は観察の視点なしに、集中力を維持することは出来ず、挫折の可能性が高まってしまうのです。
3段目・集中あり観察あり
マインドフルネス瞑想の4段階3段目は「集中あり観察あり」の状態です。
集中あり観察ありの状態は、目の前のことに集中しており、自分が集中しているというファクトに気づけている状態のこと。つまりマインドフルネスを維持したまま、目の前の作業に集中できている人のこと。マインドフルネス瞑想の表向きのゴールでもあり、普段の瞑想トレーニングでいつでも3段目の心の状態に持っていくスイッチ習得を目指します。
例えば、読書を用いて見ていきましょう。本を読むことに集中しながら、その読書している自分に気づいている。だからこそ雑念が湧いたときに、すかさず本に意識を戻すことが可能となります。ですが観察の視点がなければどうでしょう?集中している時間は良いですが、雑念が湧けば意識をハイジャックされてしまうことでしょう。そうなれば時間ロスを強いられてしまいますよね。
4段目・集中なし観察あり
マインドフルネス瞑想4段階3段目は「集中なし観察あり」の状態です。
集中なし観察ありの状態は、集中の対象を決めずに、自分を取り巻く外部の世界と自分自身の体や心の感覚の全てに気づいている状態のこと。観察の視点が自分が感じ取れる全方位に向いていて、行っている作業、周りの音、見えるもの、体の感覚など、5感全てが研ぎ澄まされている。まさに自然と一体化した感覚で、マインドフルネス瞑想の真のゴールがここにあります。
3段目から4段目に登るときは、マインドフルネス瞑想の観察範囲を1つのモノから複数のモノへ徐々に増やしていきます。慣れないうちは「1段階目・集中なし観察なし」の状態に、急に戻ってしまうこともあるでしょう。ですが何度もチャレンジしながら修練を重ねていけば、いつのまにか4段目に到達できるはず。是非、この境地を目指してみてください。
間違えやすいポイントとして、目の前のことに集中していなくて、それを観察している状態ではありません。
最後に
本日は「マインドフルネス瞑想の4段階」のお話、いかがでしたか?
行き急がずに、1段ずつ順番に登っていきましょう。まず2段目に上がるためには、瞑想で集中力を向上させます。この段階ではマインドフルネスが出来ていなかったとしても、浮かんでくる雑念を棚上げして、対象への意識に戻れるのならOKです。そして3段目に登るときは、マインドフルネス瞑想のトレーニングで観察する意識も取り入れてみてください。
本日はご精読ありがとうございました。
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