本日のテーマは「ブリッジでの言葉たち」というお話です。
プレゼンテーションでは、話を物語として創造する必要性が生じます。ただ知識や情報を箇条書きにしただけでは、意味は伝わったとしてもプレゼンではないのです。そして物語を創造する際に、重要なキーとなるものが「ブリッジ」です。
ブリッジとは、言葉と言葉を繋げて関連性を示す言葉のこと。つまり知識と知識の橋渡し役の言葉たちです。どんなに知識たちが素晴らしい質であったとしても、橋渡し役ブリッジの言葉が適切でなければその良さを伝えることはできません。どのような分野でもそうですが、脇役はとても重要な役割を担っています。ついつい主役ばかりに目が行きがちになりますが、その結果を生んでいるのは脇役のブリッジたちのおかげなのです。
本章では、ブリッジの種類を2枠に分けてご紹介していきます。話の流れとしましては「1文のブリッジ」と「マス移動のブリッジ」という順です。
1文のブリッジ
ブリッジでの言葉たち1枠目は「1文のブリッジ」についてです。
1文のブリッジとは、1文と1文を繋ぎ合わせるブリッジのこと。それぞれの文の組み合わせに、適したブリッジを選択しましょう。誤りのブリッジを選択すれば、歯ごたえの悪い分かりにくい1文になってしまうこと間違いありません。
では1文のブリッジでのテクニックについてご紹介していきます。
☆逆説の接続詞
1文のブリッジテクニックとして「逆説の接続詞」は有益です。
逆説の接続詞とは、前の言葉を否定する接続詞のこと。具体例を挙げますと、「ただし」・「しかし」などの否定的な言葉たちです。
否定的な言葉はコミュニーケーションで活用すると嫌われる原因になってしまいますが、プレゼンに関しては有益な武器となります。なぜなら人はネガティビティ・バイアスにより、マイナス要素に引きつけられるという本能を持っているから。この本能を上手く利用することができ、聞き手の注目を話に集めることができるのです。
例えば「日焼け・シミ予防のためには、太陽光を徹底的に避けなければいけません」→「しかし太陽光を浴びなければ、セロトニンが分泌せずにメンタルヘルス悪影響の要素も孕んでいるのです」というプレゼン内容です。この事例では前者の日焼け・シミという視点の別の話を材料として、後者のメンタル系の話に注意喚起することを実行しているわけですね。
慣れないうちは難しいテクニックでもありますし、1つの要素のメリット・デメリット、どちらをも熟知していなければ活用できません。ですので少し慣れてきた頃合いになったら、チャレンジしてみてくださいね。
マス移動のブリッジ
ブリッジでの言葉たち2枠目は「マス移動のブリッジ」についてです。
マス移動のブリッジとは、ロジック・ツリーで作ったマスを移動する際に用いる言葉たちのこと。
特徴としては「1文のブリッジ」が小さい固まりと固まりを繋げていたのに対して、「マス移動のブリッジ」はそれよりもマクロな、大きい固まりと固まりを繋げていく言葉です。ではマス移動のブリッジのテクニックを2つご紹介します。
①問いかけ術
マス移動のブリッジテクニック1つ目は「問いかけ術」を使用すること。
問いかけ術とは、相手に質問形式を使用して次のマスへと移動することです。
具体例として「ここまで甘いものが気分を上げる要素を説明しました。ですが本当にそうでしょうか?」と言った具合で活用します。このような問いかけ術をブリッジで用いれば、受動型講義から能動型講義へと一変します。つまり参加形式になり、聞き手はインプットだけでなくアウトプットの要素も手にいれて、プレゼンを聞くことができるのですね。
これはプレゼンだけでなく文章の分野でも同じですが、一方通行のTalkから、会話を行うSpeakに色変わりをしていきましょう。
②3~4つのナンバリング
マス移動のブリッジテクニック2つ目は「3~4つのナンバリング」です。
ナンバリングとは、話の結論の要素に対して番号を明示して相手に伝えるテクニックのこと。最初に番号で伝えることにより、聞き手も終わりが見えて安心して聞くことができます。他にもロジック・ツリーをイメージできるので、理解・認知の質は格段に上がるでしょう。
ですが留意点として、ナンバリングで振る番号たちは3~4つに限定しなければいけません。なぜなら私たちの脳は、3~4つの事柄しか同時に考えることが出来ないから。それ以上の情報が一気に入ってこれば、最初の段階に見聞きした情報を忘れてしまう。だからこそ相手の記憶に全てを残したいと思った場合、4つ以内に情報を限定する必要性があるのです。
もし仮に5つ以上のことを伝えたいと感じた場合は、結論の枠組みを新たに作り直しましょう。そして別々の結論として、それぞれに3~4つのナンバリングを振る。この小さな施しで、相手も混乱せずに知識を吸収しやすくなるでしょう。
最後に
本日は「ブリッジでの言葉たち」というお話、いかがでしたか?
話が上手な人と下手な人を隔てるポイントは、ブリッジの使い方であると言っても過言ではありません。伝える知識・情報に目が行きがちになりますが、裏方を制するものこそ主役を上手く見せられることを意識してみてくださいね。
本日はご精読ありがとうございました。
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