本日のテーマは「プレゼンはゆっくり話す」というお話です。
プレゼンテーションの最中、経験がまだ浅いうちは緊張してしまいますよね。これはプレゼンに限ったことだけではありませんが、緊張すると人は早口になってしまうのです。早口になってしまう原因としては、緊張から早く逃れたいという防衛本能から来ています。古代の時代で猛獣に襲われれば、瞬時に闘うか逃げるかを選択しなければいけません。つまり、早くなることが求められていたということですね。
ですがプレゼンテーションにおいて、早口になることは百害あって一利なしでしょう。なぜなら相手は言葉が聞き取りにくくなり、話の内容が分からなくなってしまうから。仮に内容が聞き取れたとしても、高速に述べられた新しい情報に脳の処理スピードが追いつきません。そうなれば大局を見失って話を聞くことになり、忘れやすい短期記憶にしかなりません。だからこそプレゼンでは、ゆっくり話すことを常時意識していきましょう。
1分間350文字
ではどのくらいのスピードで、プレゼンを進めることが合理的なのでしょうか?
その解答としては「1分間350文字」で話すこと。このテンポが、遅くて飽きることもなく、早くて取り残されることもない数字です。
緊張で早口となり、間をあけずに一気に駆け進むと「1分間450文字」程度のテンポになると言われています。こうなれば聞き手はしっかり傾聴することができず、理解力・記憶力ともに大きく欠ける状態になること間違いなし。だからこそプレゼンでは、ゆっくり話すことを留意する意識が大切なのです。
ゆっくり話す練習法
次に「ゆっくり話す練習法」についてのお話です。
1分間350文字でゆっくり話すと良いよと言われても、いざ緊張してしまうとそれが出来ないのが人間でしょう。こればかりは場数をこなすしかありません。ですが普段から練習をしているか否かによって、ゆっくり話せるようになるまでの上達スピードには雲泥の差を生むのです。
では具体的にどのような練習法を施せばいいのか、大きく2STEPでご紹介します。
①原稿を書く
ゆっくり話す練習法1つ目は「原稿を書く」ことです。
基本、プレゼンでは原稿に書かれた内容を音読するのではなく、ロジック・ツリーのマスの順番にアドリブで話を展開することが重要です。暗記した文章を録音のように話そうとすると、どうしても感情が乗らずに不自然な物言いになってしまうから。
ただゆっくり話す練習をするのには、原稿を音読する必要性があるのです。どんな内容でも良いので、話したい内容を350文字の内容にまとめましょう。ここでは正確な文字数が必須ですので、文字カウントをしてくださいね。
②ストップウォッチで計測
ゆっくり話す練習法2つ目は「ストップウォッチで計測」すること。
では実際に作り上げた原稿を音読していきましょう。このとき1分間という時間も正確さが重要になるので、ストップウォッチで計測していきます。そしてタイマーの音が鳴るタイミングと同時で、音読終了を合わせていくのです。音読が早く終わりすぎてもダメですし、時間制限を超えてもダメです。
非常に難しい修練ですが、この練習を何度も反復しましょう。日々の努力によって、1分間350文字という話すスピードを体で覚えることが可能となります。この練習は緊張しない人であったとしても、多くの人が心地良いスピードを体現するために行うことをオススメします。
応用技・テンポの緩急
最後に「応用技・テンポの緩急」についてのお話です。
ゆっくり話すことは基礎部分ですが、アナウンサーの話し言葉を聞いているとテンポに緩急があることに気づきます。突風が吹いたように物凄くテンポを早く話したり、カタツムリが歩くようにゆっくり話したり、テンポを自在に操っています。
これは応用技でテンポの緩急をつけることにより、最も伝えたいポイントで意識をこちらに向かせる注意喚起の効用があるのです。例えば「1分間250文字」程度のスローペースの会話が、急に「1分間600文字」と早口になれば、否応無しに注目してしまいます。全ての話し言葉が600文字であれば、情報量が多すぎて記憶に残りません。ですがどうしても伝えたい1ポイントで急加速することは、記憶定着をアシストしてくれるのですね。
これはゴルフのアドレスやグリップに類似しているでしょう。アドレスとは立ち位置などの基本ポジションのことで、グリップはクラブの握り方です。これらはゴルフの基礎ですが、上級者は傾斜やグリーンの状況によってそれらを基礎から少し変化させることが多々あります。
これと同じで1分間350文字で話すことは、基本の定位置の技術です。ですが傾斜・グリーンのように、伝えたいポイントが近づいてきたら基本から少し変化させましょう。応用技で緩急をつければ、あなたはさらに高度な結果をもたらすことが可能となるはずだから。
最後に
本日は「プレゼンはゆっくり話す」というお話、いかがでしたか?
地道な裏での練習は、長期的な視野で見れば必ずあなたの力となり返ってきます。華やかな結果とは、たくさんの地味さによって生まれることを客観視して継続していきましょう。
また応用技の緩急に関しては、1分間350文字の基礎が体得できてから挑戦してみてくださいね。基礎が疎かの状態で、難しいことにチャレンジすると土台すら砕け散ってしまう。階段は順番にのぼっていきましょう。あなたが話すスピードを自在にコントロールできるお手伝いが、本記事で出来たのなら嬉しいなと感じます。
本日はご精読ありがとうございました。
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