本日のテーマは「クレペリン検査から学ぶ時間術」というお話です。
皆さんは、クレペリン検査という研究をご存知でしょうか?
クレペリン検査とは、作業を行ったときの集中度合い変化を時間ごとに観察して、それを記録した研究のこと。研究内容としては、被験者に1桁の足し算を1分間こなしてもらいます。そしてどれだけの足し算量をこなせたのか、時間ごとに計測して作業曲線として表したのですね。
そしてクレペリン検査の結果から学び、その知見を時間術へ取り入れましょう。するとあなたの生産性は、飛躍すること間違いなしです。本章では3部構成で深堀りして、話を展開していきます。
ドイツ精神科医・エミール・クレペリン
まずクレペリン検査の結果をお知らせする前に、実験実施者のご紹介です。
クレペリン検査実施者は「ドイツ精神科医・エミール・クレペリン」です。
①統合失調症と双極性障害
クレペリンは19世紀後半から20世紀前半の人物で、彼が行った業績は精神医学に革命をもたらしました。精神障害の分類を体系としてまとめ、統合失調症と双極性障害の2大分類を提唱したことなどで有名です。
②クレペリン検査の結果とは…
では本題に戻りましょう。
クレペリンがクレペリン検査で導き出した「集中度合い変化の結果」とは、一体どのようなものだったのでしょうか?そしてその答えを、私たちはどのように時間術へ活用していけば良いのでしょうか?
次項でたっぷりお話していきます。
初頭努力と終末努力
まずクレペリン検査の結果を、紐解いていきます。
結論から述べると、検査の結果として「初頭努力と終末努力」という2つの事象を彼は定義します。
①初頭努力
初頭努力とは、作業開始直後は作業効率が高いという事象のこと。
作業開始時は疲労も蓄積されておらず、脳が元気な状態ですから当然と言えば当然なのかもしれません。誰しもが1度は、最初は高い集中力を継続していたのに、徐々に集中度合いが下がってしまったという経験をお持ちではないでしょうか。これは初頭努力の影響が、喪失されたということですね。
②終末努力
ですが面白いのはここからです。作業開始直後だけではなく、もう1つのタイミングで集中度合いが上がる時間帯があるのですね。皆さんは、どの時間帯だと思いますか?
その答えが、終末努力という事象です。終末努力とは、作業終了直後も作業効率がまた高くなるということ。つまりあと少しだと脳が認識することにより、最後の馬鹿力が発揮されるということです。
③Uの字の作業曲線
この初頭努力と終末努力は「Uの字の作業曲線」により発見されました。
まえがきの話を、思い出してみてください。クレペリン検査は被験者に1桁の足し算を1分間こなしてもらい、どれだけの足し算量をこなせたのか時間ごとに計測して、作業曲線に表したものです。
この作業曲線の結果が「Uの字」になったということ。初頭努力により最初は足し算をこなした数が多く、終末努力により最後も足し算をこなせた数が増える。そして中間の時間帯は、最も集中力が落ちて足し算のこなせる量が減少してしまう。そのことからUの字となり、初頭努力と終末努力が発見されたということですね。
作業を区切る
ではこのクレペリン検査から、私たちは時間術にどう活用していけば良いのでしょうか?
それは「作業を区切る」こと。
①1時間1セット
例えば、1時間ぶっ通しで作業したとします。
その時間中には、最初の5分間と最後の5分間に集中力が上がって作業効率UPが起こりました。このケースでは、1時間中10分間の集中時間を獲得できたということになりますね。
②20分3セット
では次に作業を20分に区切り、3セットに分けてみましょう。
1セットの場合だと、2度の集中力UPの時間しか手にできませんでした。トータルの集中時間は10分間のままですよね。これが3セットになれば、初頭努力と終末努力の回数は6回です。トータルとして、あなたは1時間中30分の時間を作業効率高くこなすことが出来たということ。
これら2つの比較の通り、作業を区切ることは初頭努力と終末努力の理論をフル活用すること。同じ時間内の集中であったとしても、少しの創意工夫によりこれまでの差異を生み出すなら、もうやるしか選択肢はありませんね。
最後に
本日は「クレペリン検査から学ぶ時間術」というお話、いかがでしたか?
クレペリン検査をフル活用した、代表的なテクニックとして「ポモドーロ・テクニック」が有名です。人は無意識だと、疲れ切った状態になるまで作業に没頭したいという欲求が湧いてしまいます。ですが仕事・勉強を継続したいという欲求を逆に抑えて、インターバルを是非区切ってみてください。
本日はご精読ありがとうございました。
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