苦しみの源泉「見せかけの鎧」

客観力

 本日のテーマは「苦しみの源泉・見せかけの鎧」というお話です。

 私たちは普段の生活の中で、ポジティブな事柄よりもネガティブな事柄へと意識が向きやすい遺伝子を持っています。理由としては古代の環境に型造られた遺伝子は、ネガティブな出来事にアンテナを張っていた方が生存確率が高かったから。ですが本当にネガティブ思考の原因は、遺伝子の問題だけなのでしょうか?

 この事柄について深堀りしていくと、原因は遺伝だけでなく環境面にもあったことが理解できます。その環境こそ、子供時代に受けた教育が「自己否定の価値観」を養成してしまったことなのです。例えではありますが、周りに迎合しなさいという教育を「見せかけの鎧身に纏う」と比喩しました

 本章では苦しみの源泉・見せかけの鎧について、2部構成でお話を進めていきます。

子供時代の防衛手段

 苦しみの源泉・見せかけの鎧1部目は「子供時代の防衛手段」というお話です。

 鎧を纏うように、周りの価値観に迎合して自分自身を守ること。この行動の蓄積が、私たちの潜在意識の中に自己否定の価値観を刷り込んでいきます。ではなぜ鎧に例えているのでしょうか?

①大人達の価値観迎合

 その理由は、子供時代には大人達の価値観に迎合しなければ生きていけなかったから。

 小さな子どもは1人だけの力では生きていけず、周りの大人達に守ってもらう必要がありますよね。そして庇護してもらうには、大人たちの価値観を受け入れ、自分の欲求を我慢する必要があるのです。

 もし仮に自分自身の価値観が強すぎれば、きっと親や教師は手に負えずに他の子供達のようには守ってくれない。つまり価値観の迎合は、自己否定の価値観を強化するとともに、防衛手段としての役割も果たしていたということ。だからこそ「見せかけの鎧」に例えました。

②自己肯定感と自尊心

 次に「自己肯定感」と「自尊心」という自信のご紹介です。

 自己肯定感とは、他者の評価なしにあるがままの自分を好きでいられる自信のこと。自分の心の声を大事にして生きれば、そんな自分が好きでいられる。何を持っていなくても、内側から自己肯定できる。この自信の持ち主として芸術家や、利益ではなくビジョンのために突き進む経営者などが多いですよね。

 それに対して自尊心は、世間の価値基準を纏うことにより自分を好きでいられる自信のこと。地位・お金・見た目・持ち物など、人によって差異はありますが、世間で評価されるものを渇望します。つまり自尊心とは見せかけの鎧のことであり、自己否定の価値観を持つことと表裏一体です

 プラスの見方をすれば、周りが羨むものを何でも持っている幸せな人。マイナスの見方をすれば、羨むものがないと幸せになれない自己否定の信奉者です。あくまで私の主観となりますが、真の鎧とは周りからの評価がなくても、自分の全てが大好きだと内側から湧き上がってくる自己肯定感ではないでしょうか

③ネガティブ思考の原因

 そして大人になった後、世間的な評価を得られない立場の人もいるでしょう。

 見せかけの鎧を纏い、世間体に迎合しているにも関わらず周りが評価してくれない。この事実からマジョリティは、ネガティブな事柄を何度もアウトプットしてしまっている状態なのですね。これが環境面での、ネガティブ思考の原因です。

見せかけの鎧・具体的行動

 苦しみの源泉・見せかけの鎧2部目は「見せかけの鎧・具体的行動」です。

 では見せかけの鎧を纏い続けている人たちは、具体的にどのよう行動をしてしまうのでしょうか?

 本項では、3つの具体的行動をご紹介します。

①承認欲求強化

 見せかけの鎧・具体的行動1つ目は「承認欲求強化」です。

 鎧を纏っている人は、自己否定の価値観がデフォルトですからそんな自分が嫌いです。だからこそ、他者からの承認を必要以上に渇望してしまう。つまり褒められたくてしょうがない、批判が怖くてしょうがないという状態に陥るのですね。

 しかし対人関係で承認を渇望した人は嫌われやすく、相手の承認を満たすために共感した人が好かれます。皮肉な話ですが、承認をゴールにしていない人の方が承認を得られるのですね。

 承認欲求強化によりアウトプットされる行動としては「過度なお節介」や「地位・お金への競争」に自分の人生を捧げるなどがあるでしょうか。対人関係やビジネスの源泉が、相手への慈愛の気持ちからの親切や、他者貢献のためのビジネスではないということです。

②他者支配

 見せかけの鎧・具体的行動2つ目は「他者支配」です。

 自分に自信がなくてしょうがないのであれば、マジョリティが描く価値のモノサシにより自分より低い立場の人を支配しようと試みます。世間体が絶対的であるという前提のもと、その価値観を振りかざしてマウントをとる。マイノリティの人間が揶揄されてきた背景も、ここに当てはまるでしょう。これらは潜在意識に渦巻く自己否定解消のため、他人を支配することにより自分はすごいのだと妄想で価値を感じようとした状態です

 また世間体のモノサシで他者支配できなければ「子供や妻へのDV」・「職場内のいじめ・ハラスメント」など、非合法的な方面へと走るのも全て他者支配から来ています。

③現実逃避

 見せかけの鎧・具体的行動3つ目は「現実逃避」です。

 では世間体の価値のモノサシで優位性も感じられず、DV・いじめ・ハラスメントも行えない程の弱者はどうなるのでしょうか?

 彼らは、最後の逃げ穴となる現実逃避へと向かいます。具体的には「お酒」・「ドラッグ」・「ギャンブル」・「糖質」・「スマホ」など、各種依存行為へと走ります。現代社会は、自己肯定感が低い人をターゲットとしたビジネスが蔓延っています。これらの不安・恐怖心を利用され、彼らが金持ちになるために自分自身の人生を捧げてしまうのですね。

最後に

 本日は「苦しみの源泉・見せかけの鎧」のお話、いかがでしたか?

 見せかけの鎧を身にまとい、他者に従うことは大人になってからはリスクばかりです。是非、意識的にヨロイを脱ぐ習慣を心掛けていきましょう。いきなり上手く脱ぐことは出来ないかもしれませんが、必ず身軽になることができるものです。次回記事では、偽りのヨロイを脱ぐ方法についてのお話をしていきます。楽しみにして頂けると嬉しいです。

 本日はご精読ありがとうございました。

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