分かるつもりの末路

客観力

 本日のテーマは「分かるつもりの末路」というお話です。

 前記事のお話で、「分かる」ことについて深堀りさせて頂きました。人は1度見聞きしたり、結論部分だけが纏められたサイトや動画を見ると、分かったと勘違いしてしまう。

 この世界には無数の知識が広がっており、1つ1つの知識がとても深いものたちばかりです。これらを知る楽しみに触れられないことも私には苦渋ですが、これだけなら趣味の問題なので他で埋めれば良いだけですよね。ですが分かるつもりの錯覚には、それ以上のマイナス面を孕んでいるのです。

 本章ではそれらを抜粋して「分かるつもりの末路」を3部構成でご紹介していきます。

逃げるか攻撃する

 分かるつもりの末路1部目は「逃げるか攻撃する」です。

①仲間と敵

 知っていることが少ない人は、対人関係が苦手です。なぜなら人間は良く知っているものを仲間だと認識して、それ以外のものを敵だと感じる本能を持っているから。無意識に野生の動物や初対面の人に、恐怖心を抱く理由もここにあります。

②逃走or闘争

 そして生物全般に言えるのですが、敵と認識した生き物に遭遇したら取るべきアクションは2つです。それが逃げるか、攻撃するかです。

 価値観が違う人間といると、その場から立ち去ろうとするのは逃げる行動です。また違う価値観の人へ、「それは違う」と最初の第1声が否定の言葉の方もおられますよね。これは本能の赴くままに、攻撃しているということ。他にも論理武装で相手を論破することも、この類いの行動なのですね。

③好奇心ある人

 ですが分かろうと、好奇心を持っている人は違います。

 相手はなぜ、自分と違う考え方を持っているのだろうと興味を抱きます。そして自分なりに相手の立場をイメージしながら、1つのバックボーンの物語を知ろうとするのですね。これが分かるつもりで終わっている人は、1つのことを深堀りする経験が少ないので闘争or逃走しか選択肢がありません。

アイデアが生まれない

 分かるつもりの末路2部目は「アイデアが生まれない」です。

①既存の要素の新しい組み合わせ

 アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせです。

 つまり0から1を生み出すのではなく、1と1を掛け合わせているのですね。それらの新しい組み合わせを見つける為には、頭の中に無数の既存の要素が含まれていることが前提条件となります。

②好奇心が原動力

 ではそれらの要素を集める原動力とは何でしょうか?

 それが好奇心です。

 興味・関心が薄い人は、付け焼き刃的な生きる上で必要最低限の表面上の知識しか集めなくなるそのような状態では、新しい組み合わせを見つけられる可能性は皆無でしょう。そして分かるつもりの勘違いに陥った人は、好奇心が弱い傾向にあるのです。

③想像力の時代

 今後の時代は、AIに人間の仕事が奪われていくと言われます。

 そんな時代に必要な力とは、従順に手際良くこなす力よりも、何かを生み出せる想像力が必要なのです。そのためにまず最初に行うことは、分かるつもりの勘違いを矯正することなのかもしれませんね。

承認に生きる

 分かるつもりの末路3部目は「承認に生きる」です。

①幸福度が高い人

 人生の幸福度が高い人は、生きる上での指針・方向性・価値観を自分で深く考えます。そして自らが描いた方向に、歩いて生きられるので幸せに生きられる。自分で自分を肯定できる。この人生の価値観のことを、信念とも呼ぶでしょう。

 ですが思考停止で考えることを放棄すると、大多数や権威が言っている指針・方向性・価値観こそが素晴らしいものだと考えます。何1つ疑わずに信じて生きるので、自分の心の声を無視します。そして自分の声を蔑ろにしたことから、他人の描いた価値観内で承認が得られなければ苦しみを感じる。他人の肯定なしに、幸せを感じられなくなるのですね。

②自分の頭で考える力

 ではどうすれば、自分で世界を描けるようになるのでしょうか?

 それは自分の頭で考える力を身につけること

 この力は好奇心に従って好き嫌いの偏見なしに、この世の全てを知ろうとする過程で育まれるもの。分かるという状態に近づくため、深堀りして吟味する。さらに行動まで落とし込めば、時間や労力を多く必要としますよね。大変だからこそ、この力は研磨される。

③分かるつもりの勘違いの影響

 そして分かるつもりの勘違いをしている人は、この過程の作業を行えません。結果的に自分の頭で考える力が身につかず、他人の作った価値観に従って、承認に生きるしか選択肢がなくなってしまうのです。自由で幸せに生きるために、まず目の前の分かるつもりの勘違いに気づきましょう。そして少しずつでも良いので、分かろうと行動に移してもらえると嬉しいです。

最後に

 本日は「分かるつもりの末路」というお話、いかがでしたか?

 分かっているという勘違いは、ただこの世界の深さや広さを知ることが出来ないだけではありません。対人関係では、常に敵と遭遇して闘争か逃走を繰り返す。他にも画期的なアイデアの皆無や、承認という本能を活用されて他人にコントロールされてしまう。

 ここから脱却するために、まずは目の前の1つ1つの知識たちと向き合いましょう。そして少しずつ深めていけば、好奇心を取り戻し、あなたは自分の幸せを自分で定義できるようになるはずだから。

 本日はご精読ありがとうございました。

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