本日のテーマは「慈悲の瞑想のメリット」というお話です。
慈悲の瞑想とは、様々な人々の幸せを祈ることに集中すること。そしてマインドフルネスの要素をとりいれて、祈っている自分を観察して気づいていきます。
ですが「相手を慈しんで、幸せを祈ることが良いよ」と言われても、メリットが分からなければ行動に移すことができませんよね。スピリチュアル的要素も感じて、懐疑的な気持ちも湧いてしまうことでしょう。
そこで本章では慈悲の瞑想が持つ強大なメリットを、科学的要素も混ぜつつ3つご紹介していきます。
自己肯定感UP
慈悲の瞑想のメリット1つ目は「自己肯定感UP」です。
他人を慈しんで幸せを祈る行為は、自分に余裕があるときでしか出来ませんよね。つまりどんな状況でも揺らがない、ありのままの自信「自己肯定感」を持っていなければ、慈悲の気持ちを継続することは難しいのです。
①慈悲の感情トレーニング
そこで「慈悲の感情トレーニング」の意識を持ちましょう。
慈悲の感情を育む練習と捉え、何度もアウトプットしていきます。
反復して何度も想起した感情は、それだけ脳の回路として良く取り出される感情となる。そのことから様々な局面に遭遇したとき、慈悲の気持ちが湧きやすくなるのですね。そして逆説的に、自己肯定感を向上させていくというアプローチです。
また科学的には、慈悲の気持ちにより「オキシトシン」という愛情ホルモンが分泌させます。そしてオキシトシンにより、温かい気持ちを感じる時間が多くなれば、自己肯定感も右肩上がりになるでしょう。
②偽善からスタート
ポイントとしては「偽善スタート」でも構いません。
最初は慈しみの感情など持っていなくても、形だけでも良いので行ってみてください。すると一貫性の力により、行動と思想を一致させようとする力が無意識に働きます。
そして「多くの人の幸せを祈ったという行動」と「その後の思想」が一致しないと気持ち悪くなり、知らぬ間に人に慈愛を与えようとする人格へと変化するのです。
共倒れしない
慈悲の瞑想のメリット2つ目は「共倒れしない」ことです。
誰にでも、大事に思っている人は必ずいるかと思います。その人たちの幸せを祈ることは、とても良いことでしょう。ですが自己肯定感が低く自動操縦モードでは、逆に苦しみに引きずり込まれて共倒れしてしまうかもしれません。
①自動操縦モード
自動操縦モードとは、感情に意識をハイジャックされている状態です。
私たちの心は、前頭前野の働きからなる「理性」と、大脳辺縁系の働きからなる「感情」の2つに分かれます。
理性優位であれば、合理的な判断をしたり、その場の状況を正しく客観視して気づくことが可能です。しかし感情優位の状態では、情動によって自動で意識を操縦されてしまう。結果的に非合理な方向へと、行動を引っ張られてしまうのですね。
②強くなければ守れない
そして心が強くなければ、大事に思っている人を本当の意味で守ることもできないでしょう。相手の苦しみに共感しつつ、自分はそれに引きずられて倒れないようにする。そのためには、どんな状況の自分でも肯定できる自信が必要です。
また自己肯定感の低い人による、他人への慈しみには打算が生じます。大抵が共依存の状態であり、それは相手への真の思いやりではなく、苦しい自分の息継ぎ(承認)を満たすための道具だと本能では感じているのですね。
③2つの能力向上
そこで慈悲の瞑想が、これら2つの能力向上を促します。
慈悲の気持ちの反復で自己肯定感を育み、その行動を観察することでマインドフルネス強化を果たす。これら2つの能力を手にできれば、本物となる慈悲の気持ちを感じられ、どんな負の感情にも引っ張られない理性も獲得できる。そしてあなたは大切な人を守る際に、共倒れせずにすむのです。
嫌悪が和らぐ
慈悲の瞑想のメリット3つ目は「嫌悪が和らぐ」ことです。
①嫌悪を感じる相手
人間はそれぞれが別々の主観を抱いており、それらに相性があります。また価値観は共通していても、生理的にどうしても受け付けない人、話すテンポ感が合わない人もいるでしょう。そのことから、嫌悪を感じる相手が存在することは致し方ないことかもしれません。
ですが現代社会では、自分が気に入った居心地の良い人間とだけコミュニケーションがとれるわけではありません。自分の心の底から嫌悪が湧き上がってくる相手と、その感情を隠しながら話さねばいけない場面も多々あります。
②会う前に慈悲の瞑想
そんな相手と会う前に、是非慈悲の瞑想を行ってみてください。すると今までと違った感覚で、その相手とコミュニケーションをとれるかもしれません。
今までより嫌悪が和らぐことはもちろん、もしかすると嫌悪感情の喪失や、それを飛び越え信頼関係を構築できる可能性だってあるのです。
嫌いと感じる人が少しでも減少すれば、それこそ人生の幸せ要素の割合が増大します。まさに慈悲の瞑想とは、相手の幸せを祈るというプロセスを通じて、自分の幸せを創造することなのですね。
最後に
本日は「慈悲の瞑想のメリット」というお話、いかがでしたか?
日本人は無宗教という主観が大多数で、慈悲の瞑想と聞くと宗教チックさを感じて敬遠してしまいがちです。しかし私も無宗教の価値観を持っていますが、慈悲の瞑想の内容をしっかり紐解けば、論理的にも科学的にも優秀なテクニックだと気づきます。
これは私の主観となりますが、重要なことは1つの帰属団体の価値観を思考停止で、そのまま鵜呑みにしないこと。どこが良い側面で悪い側面なのか、自分の頭で考える。そしてそれぞれの帰属団体から良い側面を抽出して、自分なりの価値観を形成していきましょう。現在の先入観に囚われず、自分を更なる高みにグレードアップさせる方が、少しでも増えたら嬉しいなと感じます。
本日はご精読ありがとうございました。
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