慈悲の瞑想「祈る対象」

生活習慣

 本日のテーマは「慈悲の瞑想・祈る対象」というお話です。

 慈悲の瞑想は、自己肯定感やマインドフルネス強化を促し、日々の幸せな毎日へと繋がります。慈悲感情のメリットが十二分に理解できたとして、いざ始めてみようと思う。ですが初めてだと、何からどう祈ればいいのか分かりませんよね。

 そこで本章と次章では、慈悲の瞑想の基本的ルールを紐解いていきます。目次としては「祈る対象」・「祈る内容」の順で続き、本日は「祈る対象」のお話です。

自分

 慈悲の瞑想・祈る対象1枠目は「自分」です。

①自己肯定感が低い方

 まだ自己肯定感が低い方や、現在1人だけで幸せを感じ取れない人は、まず自分を大切にしてあげましょう。あくまで自分が満たされているからこそ、他人に幸福をお裾分けしようという気持ちが湧くもの。自分が満たされていない状態での善意は、そのような人間に見られたいという承認でしかありません。

②偽善と思うか否か

 自分の自己肯定感が低いか分からないという方は、それを確認するチェック方法をご紹介します。

 あなたは、慈悲の瞑想のテクニックに対して「偽善だな」という主観が湧きましたか?

 もし答えがYesなら、まだ自分に余裕がないのだと思います。そうなれば対人関係の目的は、承認を満たして苦しみを軽減すること。慈悲を含む他者への貢献ではなく、その主観の食い違いによって偽善と感じたのだと思います。

③慈悲のスタート地点

 この状態で他人の幸せから祈ったところで、本当の意味で幸せを祈れません。

 なのでまず自分自身で自分の幸せを祈り、あるがままの自分で良いのだという自己肯定から始めましょう。この状態に達して始めて、慈悲や貢献のスタート地点に立つことができるのですから。

親しい人

 慈悲の瞑想・祈る対象2枠目は「親しい人」です。

①目の前の階段を踏みしめる

 最初に幸せを願う他人は、自分の親しい人から始めてみましょう

 なぜなら「見ず知らずの人」や「嫌いな人」の幸せをいきなり願おうとしても、どうしてもモチベーションが湧きにくいですよね。全ての物事には順序があるので、1つずつ目の前の階段を踏みしめるイメージです。

②自分の幸せ実感に繋がる

 そして他人の幸せを祈る行為を通して、自分の幸せを実感することに繋がります。

 理由として、人間は社会的な動物として進化しており、人と触れ合ったときに分泌するエンドルフィンやオキシトシンによって幸福度が増すからです。自分の幸せを実感できれば、そんな自分がどんどん好きになって、自己肯定感が向上するというプロセスです。

 「情けは人の為ならず」と言うことわざ通り、他人に施したものは、相手から直接的なものでなかったとしても、巡り巡って自分に返ってくるのですね。

生きとし生けるもの

 慈悲の瞑想・祈る対象3枠目は「生きとし行けるもの」です。

①範囲を広げる

 親しい人と本当の意味で共同体感覚が得られたら、その範囲を広げていきます。自分とはこれまで関わりがなかった人たちや、この地球上に生まれた動植物たち、全てにも対象を広げていくのです。

 多くの対象と共同体感覚が得られれば、あなたの周りの全てが味方に見える。この主観を持ち合わせていれば、きっと目先の幸せを感じながら今を楽しめるはずでしょう。

②イメージ力

 この範囲を広げることを可能にする力が「イメージ力」です。

 人は実際に体験してないことでも、イメージの世界でそれらを感じ取ることができます。この文明を発達させたのもイメージから始まり、少しずつ具現化した結果ですよね。慈悲の瞑想で祈る対象もイメージで広げ、そして誰にでも恩恵を届けられるような人物を目指しましょう。

嫌いな人

 慈悲の瞑想・祈る対象4枠目は「嫌いな人」です。

 さぁ、いよいよ最後の難関となるSTEPです。あなたが交流時に、不快感を感じる嫌いな人の幸せを祈っていきましょう。

①認知的不協和

 嫌いな人を祈ると、相手への嫌悪感情が和らいでいきます。

 なぜなら人は思想と行動が一貫していないと、不快感を感じる「認知的不協和」という現象を引き起こすから。つまり「嫌いという思想」と「嫌いな人の幸せを祈る行動」のギャップに苦しみます。そして不協和という苦しみを消し去るために、相手のことが「嫌い」から「好き」という思想に変化させてしまうのですね。

②返報性の原理

 さらに実際のコミュニケーション時、相手にプラスのアウトプットができるでしょう。

 最初は嫌いな人から好意が投げられ、相手は不快感を感じるかもしれません。ですが心理学の「返報性の原理」により、回数を重ねる程に相手の思想も悪意から好意へと変化する。そして嫌いな人が減り、好きな人が増えていくのですね。

③嫌いな人を祈るポイント

 とは言っても、嫌いな人を祈ることはとても難易度の高い営みです。

 そこで嫌いな人を祈るポイントを2つご紹介します。

 1つ目は、少し苦手な人からチャレンジしましょう。ここまでの順序と同じく、階段は飛び越えられないものではありません。目の前の一段ずつ、しっかりと踏みしめていきましょう。

 2つ目の方法は、相手の大切な人をイメージするのも有効です。自分の嫌いな人にも大切にしている人たちがいて、その人を大切に思っている人がいる。それらのバックボーンの人たちを感じ取れれば、きっと嫌いな人でも祈ることができるでしょう。

最後に

 本日は「慈悲の瞑想・祈る対象」のお話、いかがでしたか?

 最初のアクションで、いきなり嫌いな人の幸せを祈ることは出来ないかもしれません。そこでは結果を急ぎすぎず、まずは嫌悪を感じている自分も含めて肯定する。そして自分の幸せを祈ることに集中です。順序良く一歩ずつ進んで、長期的に嫌いな人がほぼ0に近い状態を目指していきましょう。

 本日はご精読ありがとうございました。

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