本日のテーマは「慈悲の瞑想・祈る内容」というお話です。
慈悲の瞑想は、自己肯定感やマインドフルネス強化を促し、幸せな主観や良好な対人関係へと繋がるパワーを手にすることが可能です。
前章と本章の2記事に渡り、慈悲の瞑想の基本的ルールのご紹介をさせて頂いております。前回は「祈る対象」についてのお話でしたが、今回から具体的な行動となる「祈る内容」のお話に移っていきます。順序としては「幸せ→苦しみ→願い→悟り」という流れです。さぁ、どのように祈っていくのでしょうか?
幸せ
慈悲の瞑想・祈る内容1枠目は「幸せ」です。
まずはシンプルかつ単純に、幸せを祈っていきましょう。
幸せは、この世の全ての生命体に共通している潜在意識でのゴール地点です。誰しもが不幸になることを、自分のゴール地点として設定している人はいませんよね。そのシンプルな幸せという状態を、マクロの視野で祈っていきましょう。
苦しみ
慈悲の瞑想・祈る内容2枠目は「苦しみ」の除去です。
では人が幸せを求める時、まずどのような欲求・感情が湧くでしょうか?
その答えは「今ある苦しみを解消したい」とまず感じるでしょう。人にはネガティビティ・バイアスがあり、プラスの側面よりもマイナスの側面に意識が向きやすいという特徴を持っています。つまり何か新しいものを得たいという気持ちより、今ある苦痛を取り除きたいとう気持ちの方が先にやってくるのですね。
文明の進化も嗜好品の渇望も、目の前の苦しみを除去できた人たちから浮かび上がった欲求・感情です。つまり当たり前の幸せが前提にあり、まずその当たり前を手にすることを祈っていきましょう。
願い
慈悲の瞑想・祈る内容3枠目は「願い」です。
①新たな欲求
目の前の苦しみを解消すると、人は一時的に幸せを感じることが出来るでしょう。
ただその幸せは、長く続きません。しばらくすると「利便性を追求したい」、「嗜好品が欲しい」、「様々な体験がしたい」など、新たな欲求となる願いが次から次へと湧いてきます。人によって欲求の差異はあれど、誰しもが苦しみ除去だけで幸せになれないことは共通している真理ですね。
②喉元を過ぎれば、熱さを忘れる
まさに「喉元を過ぎれば、熱さを忘れる」と言う、ことわざ通りではないでしょうか。
人は過去に苦しみを感じていたこと、苦しみが解消されて喜んだこと、それらを忘却していきます。そして苦しみを感じない状況は当たり前となり、次の願いを抱くのです。このSTEPの祈りでは、その苦しみ除去が叶って、新たな幸せを感じ取れることを自他ともに祈っていきましょう。
悟り
慈悲の瞑想・祈る内容4枠目は「悟り」です。
最後は、悟りの視野を持つことを祈っていきましょう。
①マインドフルネスの境地
悟りとは、全ての現実を客観的に気づき、評価せずにありのままを観察し続けて生活すること。まさにマインドフルネスの境地と言っても良いでしょう。仏教ではこの状態を「涅槃」と言い、サンスクリット語では「ニルヴァーナ」と呼びます。
②幸せと苦しみの堂々巡り
全ての生命体は、幸せを欲しています。
「苦しみが除去されれば」・「願いが叶えば」と欲求が湧き、それを解消すれば一旦幸せを感じ取れる。ですが長くは継続できずにキリがなく、幸せは一過性の快楽としてすぐ消えてしまう。そして新たなモノが手に入らなければ、また苦しみを抱くのですね。
この堂々巡りこそが、私たちの一生です。そして一生をあるがままに観察することが、悟りという境地なのですね。
③観察の意識「心の平静さ」
マインドフルネスを意識している方はお気づきだと思いますが、観察の意識は「心の平静さ」を手にできるでしょう。そして悟りは、それが常時発動されている状態です。
つまり幸せの状態を常に維持するためには、「欲を満たす」というアクションではなく「ありのままを見る」ことが最善のアクションです。まさに世界や自分の傍観者になることで、当たり前と思っていたものが当たり前でないことに気づく。だからこそ「執着せずに感謝する」マインドが手に入るのですね。
そして自分が少しでも悟った状態に近づき、常に幸福が感じ取れるように…。さらには地球上の全ての生命体が、それを感じ取れるように祈っていきましょう。
最後に
本日は「慈悲の瞑想・祈る内容」というお話、いかがでしたか?
全ての生命体が悟るというのは、理想論であり、不可能なことはファクトでしょう。ですがイメージの中では、どんな世界を描いていても自由です。
もしも全ての生命体が悟ったのであれば、そこには絶対的正義を押し付けることも、異なる価値観への嫌悪感情もない平和な世界が訪れます。それをイメージするこそが、慈悲の瞑想の最終地点なのですね。そのような幸せな世界をイメージして、自己肯定感やマインドフルネスを強化していきましょう。そして自分自身だけでも、攻撃的で悪意のある人格を少しでも排除していきましょう。
本日はご精読ありがとうございました。
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