コミュニケーション「議論の勝利後」

リーダーシップ

 本日のテーマは「コミュニケーション・議論の勝利後」というお話です。

 ビジネスでより良い方向へのアイデアを出すために、様々な人が意見を出し合う議論はとても重要な営みでしょう。ですがこの言葉を鵜呑みにすることは危険なこと。

 なぜなら論理的に説明されただけで誰しもが動くわけではないし、雑談コミュニケーションでは自己主張に嫌気が差して嫌われてしまうからです。仕事への意識が強い人ほど、常時議論してしまいがちですが議論したい気持ちを抑えましょう。

 本章ではコミュニケーションで議論の勝利後、どのような事象が起こるのかを3枠に分けてお話していきます。

他責思想の強化

 コミュニケーション・議論の勝利後1枠目は「他責思想の強化」です。

①相手の意見は変わらない

 合理的な選択を絶対的と思っている人ほど、ついつい相手の間違いを指摘したくなるでしょう。ですが理路整然とした道筋を示し、議論で相手の間違いを気づかせたとしても相手の意見は変わりません。

 それどころか相手は自身のプライドを守るために、自分の悪いところを棚上げして他人に責任転嫁する物語を描いてしまうのですね。

②議論の勝利と相手の変革

 つまり議論で勝利することと、相手を変革させることは全く別のこと

 議論の真の目的が相手を変えることにあるのなら、一体何のために議論をしたのでしょうか。まさに合理的な自分をアピールして、承認欲求を満たしただけではないのでしょうか。

 仕事で部下を良い方向へ促すためにも、プライペートで円滑なコミュニケーションを営むためにも、絶対に議論は避けましょう。

仕返しの可能性

 コミュニケーション・議論の勝利後2枠目は「仕返しの可能性」です。

①返報性の原理

 議論の勝利後、返報性の原理が相手にかかります。

 つまり相手の間違いを強制的に悟らせれば、必ずと言ってよいほど仕返しをされるのですね。なぜなら自分は善意のつもりで変革を促したとしても、相手は自尊心を傷つけられたと受け取ってしまうからです。

 その具体的方法として、あなたの粗探しを習慣として始めるでしょう。そして1つの欠点を見つけたら、返報性の原理により議論で仕返しされてしまうのですね。

②議論の勝利と相手の好意

 基本的に「議論で勝利すること」と「相手から好意を得ること」は両立しません。

 なぜなら議論は人と人との戦いとも捉えられ、小さな戦争のようなものだから。戦争を仕掛けられた国と親睦を深めようとはしないように、自分を言い負かした相手と仲良くする気も起きないのですね。

嫌悪・怒りの反芻

 コミュニケーション・議論の勝利後3枠目は「嫌悪・怒りの反芻」です。

①非合理的・承認欲求への気付き

 客観力を広げると、自分・相手の双方にとって議論はマイナスの結果を生むことが俯瞰できます。

 つまり相手と仲良くしたり良い方向へ導くために、議論は非合理的なことを理解できる。また自分が承認欲求に駆られて、議論を仕掛けたことにも気づきます。感情にハイジャックされている最中は「自分の主張は正しくて、相手の行動は間違っている」という絶対的正義の信奉状態とも言えますね。

②2次災害の負の感情

 それらを客観視できれば、2次災害の負の感情が生まれるでしょう。

 負の感情とは、自分自身の惨めさから嫌悪や怒りを感じてしまう。または自己防衛のため他責思考になり、相手への嫌悪や怒りの感情が湧いてしまうかもしれません。「自分は合理的に間違いなことを言っているのに、なぜ自分が嫌な思いをしなければいけないのだ」という具合にです。

 自分・相手のどちらに嫌悪や怒りをぶつけるにしても、自分が苦しいことには変わりありません。負の感情の反芻とはそのようなモノで、やはり議論はしない方が合理的なようですね。

最後に

 本日は「コミュニケーション・議論の勝利後」というお話、いかがでしたか?

 相手を良い方向へ導いたり、親睦を深めたいと思ったのなら、絶対に議論をしてはいけません。ですが親しいからこそ、相手の間違いを放任したくないという方もいるでしょう。

 次回記事では、部下や大切な人の誤りを矯正させる対応方法についてご紹介します。楽しみにして頂けると嬉しいです。

 本日はご精読ありがとうございました。

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