ラベリングのコツ

客観力

 本日のテーマは「ラベリングのコツ」というお話です。

 ラベリングとは、今この瞬間に遭遇したことや感じたことを言葉にしていくことです。マインドフルネスで今ここの現実に客観的に気づき続けるためには、言葉として繋ぎ止めるラベリングは必須作業なのですね。

 本章では、マインドフルネス維持を上手く行うための「ラベリングのコツ」について3ポイントご紹介していきます。是非、上手く活用して普段の瞑想や偶然の気付きを活かしてくださいね。

1割の意識

 ラベリングのコツ・1ポイント目は「1割の意識」です。

①集中の意識・観察の意識

 マインドフルネス瞑想時には、2人の意識を登場させなければいけません。

 それは「集中の意識」と「観察の意識」です。

 ある対象に集中している自分が1人いて、もう1人の自分がその活動を観察している。その両方の意識を持ち合わせるからこそ、作業をこなしながら客観を保つことが出来るのですね。

②言葉というアンカー

 そこで必要になるのが「言葉というアンカー」です。

 なぜなら私達はすぐに忘却してしまう生き物で、言葉で繋ぎ止めておかねば物事を客観視する前に忘れてしまうのですね。だからこそ見聞きしたモノや感情など、次々と消えゆく意識を言葉というアンカーで繋ぎ止めましょう。その作業こそがラベリングなのです。

③観察9割・ラベリング1割

 しかしラベリングの意識が強くなりすぎると、逆に観察の意識が失われてしまうことがあります。そうなればラベリングは、ただの呪文を唱える作業となってしまうでしょう。では観察・ラベリングの意識割合のイメージは、どう向けていけば良いのでしょうか?

 その解答こそが「観察9割・ラベリング1割」です。

 もう少し深堀りすると、あなたの意識を「集中と観察」の2つに分けていますよね。その観察の意識の中で「観察9割・ラベリング1割」とさらに分割していくイメージです。つまり3人の意識を登場させると言っても過言ではないかもしれませんね。最初は難しいかもしれませんが、そのためにマインドフルネス瞑想で鍛錬を繰り返していきましょう。

マインドフルネスとラベリング

 ラベリングのコツ・2ポイント目は「マインドフルネスとラベリング」です。

①偶然の気付き

 マインドフルネスのトレーニングは、意図的に瞑想の時間を設けることが代表的な方法です。ですがそれだけではなく、偶然の気付きをマインドフルネストレーニングとして活用することも出来るのですね。誰でも何かしらの感情に飲み込まれていた状態から抜け出し、我に返る経験をしたことがあるでしょう。そのハッとした瞬間こそが、マインドフルネスです。

②すぐに失われる

 しかし多くの人は、すぐにマインドフルネスの意識が消えてしまいます。

 なぜならラベリングしていないからです。言葉にしなければ、その観察の意識を繋ぎ止めておけないことは前述した通りです。普段の生活の中で偶然の気付きを得ても、無意識だとまた感情に意識をハイジャックされてしまう。

③マインドフルネスした

 そこで「マインドフルネスした」とラベリングしてみてください。

 起こった出来事や感情にマインドフルネスしても、マインドフルネスしたという出来事をマインドフルネス出来ていない。だからこそ長く継続できない。それならばマインドフルネスしたことをラベリングすれば、観察の意識は今まで以上に長く維持できる。

 このように時間を設けなくても、いつでもマインドフルネストレーニングは可能です。そしてこれを繰り返せば、あなたの客観力はどんどん向上していくはずでしょう。

3秒ルール

 ラベリングのコツ・3ポイント目は「3秒ルール」です。

①3秒という時間

 マインドフルネス瞑想で観察し続けるときでも、偶然のきっかけでマインドフルネスが発動した際でも、どちらでも守るべきルールが存在します。それこそが3秒ルールです。

 3秒ルールとは、観察している自分を3秒以内にラベリングすること。基本的に人間はプレイヤーとして、この世界を味わいながら生きているので観察の意識は長く続きません。その観察の灯火を消さない時間が「3秒」という時間なのです。

②過去・未来・自分・他人

 そして1度観察の意識が消え去れば、今この瞬間への意識から「過去・未来・自分・他人」など妄想の意識へと気持ちが移ろうことでしょう。また厄介なことにネガティビティ・バイアスによって、これらの妄想はマイナスの感情が主となり膨らみやすいもの。つまり過去への後悔、未来への不安、自己嫌悪、他人への不満などの反芻を起こしやすいのですね。

 だからこそ3秒という時間を基準にして、何度もラベリングで今ここに意識を戻しましょう。観察とはまさに妄想の世界で生きず、今この瞬間を生きるために必要な意識のこと。その具体的な方法がラベリングという意識なのです。

最後に

 本日は「ラベリングのコツ」というお話、いかがでしたか?

 多くの人が、集中の意識と観察の意識を両立することが苦手です。その理由は、まさにラベリングが上手く活用できていないことにあるのですね。今回のコツを守り、それを繰り返しましょう。するとあなたはマインドフルネスの達人にきっとなれることでしょう。

 本日はご精読ありがとうございました。

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