本日のテーマは「仮説検証を混ぜる・起転承結法」というお話です。
「起承転結法」という文章構成は、皆さん良く見聞きするのではないでしょうか。では「起転承結法」という文章構成を、聞いたことがありますか?一見読み間違えてしまいそうな両構成ですが、「転」が3番目から2番目へと移行しています。一体、どういうことでしょう?
なんと「転」を移動させて話す順序を少し変えるだけで、文章の中で読者が仮説検証を疑似体験して頂くことが可能となります。そして能動的な読書によって、内容の理解度や行動への意識などが高まりやすくなるのですね。
では「仮説検証を混ぜる・起転承結法」について3部構成でお話を進めていきます。
「Speak」→「Talk」
仮説検証を混ぜる・起転承結法1部目は「Speak→Talk」です。
相手を変革させる文章を執筆したいのなら、文字の中で相手とTalk(対話)する必要性が生じます。ただ一方的に壇上から、Speak(話す)のイメージを持ってはいけないということですね。
そして対話形式の文章を執筆する方法こそが「仮設を混ぜる」こと。自分自身の伝えたい主張を仮説として提示して、文章の中で相手に問いかけながら一緒に検証していく。その仮説検証の文章法こそが、「転」を2番目へと動かした起転承結法なのです。
起転承結法の構成
仮説検証を混ぜる・起転承結法2部目は「起転承結法の構成」です。
では本題となる、起転承結法の構成内容について本項ではご紹介させて頂きます。それは「起・一般論」→「転・仮説」→「承・検証」→「結・検証結果」です。
①冒頭に一般論
まずは起として、冒頭に一般論を述べていきます。
このターンでは世間の大多数が一般的に信じていて、それが実はあまり合理的ではないものを述べていきます。または人によって意見が分かれるもので、自分とは真逆の意見を提示していくのもアリでしょう。
②反する仮説
そして転として、一般論に反する仮説を投げかけていくのですね。
このターンこそが文章で伝えたい主張であり、断定せずに仮説として提示していきます。一般論となる共通認識を投げかけた後ですから、意外性の特性できっと読者は注目して集中力が上がるはずです。
通常の起承転結法であれば、何かを伝える文章では合理的な選択ではありません。なぜなら後半に転が出てくるので、今までの話が否定され混乱を招きやすいからです。しかし転を前半部分に持ってくることにより、一般論への否定は興味・関心を引き立てるスパイスとなるのですね。
③検証→結論
そして次の承で、反論・疑問の主張を読者と一緒に検証していく。
ここでは相手とTalkしながら、読者自身にも検証や知識吸収を味わい楽しんでもらう。そして結論へと導いていく具合です。これこそが起転承結法の醍醐味なのですね。
100%フルーツジュースの具体例
仮説検証を混ぜる・起転承結法3部目は「100%フルーツジュースの具体例」です。
では最後に、起転承結法を活用した具体例のご紹介です。その内容とは100%フルーツジュースがもたらす、健康への影響のお話です。文章構成の大枠は下記の通りとなっています。
起・100%フルーツジュースは体に良いと言われる。
転・しかし、100%フルーツジュースは体に良くないという主張がある。
承・その主張の根拠を検証すると、糖質は液体で摂取するとGI値が上がってしまう。
結・だからこそフルーツの栄養素は、生で取るべきである。
このように一般論で、現代人の救世主・フルーツジュースを否定する仮説を投げかけます。多くの人が果物不足に陥っている中、毎日意識的にジュース摂取をしている人も多いでしょう。その当たり前を否定して、興味・関心を惹きつける。その後一緒に仮説検証を読者と楽しみ、GI値の情報を学んでいくといった具合です。
最後に
本日は「仮説検証を混ぜる・起転承結法」というお話、いかがでしたか?
相手の理解度UPや行動への意識を高めたいなら、Talkできる文章作成を目指しましょう。そのために仮説を提示して、一緒に検証していく起転承結法が有効です。是非、自分が伝えたいと思う主張と真逆にくる「不合理な一般論」や「反対意見」を起に持ってきて、読者と楽しみながら検証できる文章作成を目指してみてくださいね。
本日はご精読ありがとうございました。
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