本日のテーマは「アイデアは花である」というお話です。
アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせのことをそう呼びます。つまり「0」から「1」を生み出すのではなく、「1+1」のまだ発見されていない「2」という組み合わせを見つけることがアイデアなのですね。
そして本章でご紹介する「アイデアは花」という比喩は、公立中学高校の美術教師である末永幸歩さんのつくった例えとなるアイデアです。彼女の著書「13歳からのアート思考」で紹介されていた内容で、非常に強く感銘を受けた為、言葉に着色を加えてご紹介したいと思います。
開花3要素
ではアイデアと花の繋がりを知って頂くために、開花要素を3つに分けてご紹介していきます。
①好奇心→種
開花3要素1つ目は「好奇心→種」です。
花が咲くためのスタート地点として、命の源泉となる種が必要です。種を地中に埋めて、しっかりと水をやりながら育てていく。だからこそ美しい花は、地上に姿を現すのですね。そしてアイデアにも種のようなスタート地点があり、その源泉こそが自分が知らないモノに心がトキメめく好奇心なのです。
好奇心とは世間から求められる承認・合理性に関係なく、条件なしに心が知りたいと思えるモノです。「評価されないかもしれない」・「結果が出るか分からない」、そんな事象に自分の心の底から「知りたい、見たい」という感情が溢れ出てくる。この気持ちこそが、種に詰まった養分のようにアイデアを生み出すのですね。
②行動→根
開花3要素2つ目は「行動→根」です。
種にある養分により、植物は地中深く根を伸ばしていきます。この根は不規則に何の脈略もなく成長していくのですが、まだ地上には姿を現していません。しかし植物たちは、地下ですくすくと成長していく。
これは好奇心に従って行動することを、根が成長していくことに例えたモノです。先程、何の脈略もなくと言いましたが、結果・承認を得るための勉強・行動ではないので、全く別方向に根が広がっていくでしょう。
③アイデア→花
開花3要素3つ目は「アイデア→花」です。
種の養分から不規則に伸びた根は、地中奥深くで1本に繋がります。この瞬間、ついに植物が地上世界に姿を現すのですね。きっと根を広範囲に伸びた植物ほど、人々を魅了する花を咲かせることでしょう。
これは好奇心という養分により、勉強・行動した先に、それらの経験が1つに繋がった瞬間です。合理性や承認ばかり求めては、そのジャンルの範囲内の情報しか手に入りません。するとその中で得られる情報の組み合わせは、もう世に出ているアイデアである可能性が非常に高いというわけです。だからこそ画期的なアイデアを生むことは、とても困難な営みなのですね。
花職人へ転職
そしてマジョリティは、花職人へと転職します。
①造花をつくる
自分だけの花を咲かせることが困難すぎることから、途中で諦めてしまう人が続出するわけです。そして他人が咲かせた価値となるアイデアを、模倣することに人生を費やすようになるでしょう。つまり造花をつくる。
地上で造花をつくることに注力しているのですから、種や根の面倒がみれずに枯れてしまうのは必然です。ではなぜ多くの人が、花職人へ転職してしまうのでしょうか?
②承認欲求
その理由は承認欲求です。
人に承認されたいという気持ちは、事を成すための原動力となることは間違いないでしょう。そこに執着してしまえば、承認が得られない物事への注力は無駄だと感じるようになってしまう。これこそ大人になればなるほどに、好奇心を失ってしまう原因なのですね。
しかし前項でご紹介した通り、画期的なアイデアは好奇心が原動力となる行動によって生まれます。そんな困難で孤独な道から、多くの人がアイデアを諦めて、花を真似て造ることを人生の目的に転換してしまう。
③花を咲かせる人の特徴
では花を咲かせる一部の人はどうでしょう?
彼らは、他人の承認を気にしていません。
自分の心の赴くままにいき、根をどんどん伸ばしていく。そして花が咲かせられない時期は、大多数から異端児だときっと笑われることでしょう。もちろん生きている間に、開花できる保証はどこにもありません。もしかすると根を地中深くに育てる活動で、人生の時間が終わってしまうという懸念もあります。
まさに花職人ではなく、自分だけの花を咲かせることは、承認という対価を捨てる気持ちが必要なのですね。
最後に
本日は「アイデアは花である」というお話、いかがでしたか?
好奇心のまま行動という根を育て、画期的なアイデアを生み出すことは茨の道かもしれません。人類の歴史で見ても花を咲かすことができず、根だけ伸ばして亡くなってしまった人もいるでしょう。きっと世間に笑われたまま、この世を去ったと思います。
しかし私の主観では、そんな不器用な生き方をした先人たちに対して、名も知りませんが尊敬の念を感じます。もちろん極論だとは思うので、自分の頭で考えて、自分の人生の価値感では「好奇心・承認」の塩梅をどうしていくのか選択していきましょう。
本日はご精読ありがとうございました。
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