本日のテーマは「返報性の気持ちはなぜ起こる?」というお話です。
返報性とは、相手からされた行為に対して、同じ行為を返したいと感じる本能のこと。
恩恵も搾取も譲渡も、綺麗な感情も汚い感情も、人は無意識だと全てを鏡のように返したくなるものです。ではなぜ私たちは、返報性の気持ちが浮かび上がる本能を持っているのでしょうか?
本章では、返報性の気持ちが起こる理由について吟味していこうと思います。
社会性の遺伝子
返報性の気持ちが起こる理由について、まず結論から述べていきましょう。
それは「社会性の遺伝子」を持っているからです。
私たち人間は、群れをつくって発展してきた動物です。だからこそ協力し合う必要性が生じ、相手に与えなければいけなかった。
①与えることは怖いこと
しかし、与えることは怖いことです。
もしも仮に相手がGiveを貰うだけで返さない人だとするならば、自分の行為は無駄になってしまいますよね…?
だからこそ遺伝子の支持となる本能から、施されたら施したいという気持ちが組み込まれていたのです。なかなかこの感情に背くことは、強い意志がなければ出来ません。もしも背いたのであれば、深い罪悪感も感じることでしょう。
②他人も同じだと錯覚
そして人は、自分の体験している世界を他人も同じように感じていると錯覚するもの。
だからこそ返報性の感情が自分にあるのだから、きっと相手も持っているだろう。だからGiveをしても、返してくれるだろうと思える。この返報性の気持ちを、自分自身が感じていることが担保となり、先に与えることができるわけですね。
テイカーという存在
しかし、私たちは「テイカー」に気をつけなければいけません。
テイカーとは、貰うだけ貰い返さない人のこと。
①マイノリティーの遺伝子
人間は分母が増えるほど、マイノリティーの遺伝子だって産まれてくるもの。個体は千差万別であり、あくまで大多数が返報性に従う遺伝子を持っているだけなのですね。
マイノリティーの遺伝子を持つ彼らは、返報性に従わず行動できる、そんな特殊な遺伝子を持ち合わせています。もしくはそのような人との出会いにより、環境的にテイカーになった人もいるでしょう。
②3種類の人間
では次にテイカーの理解を深めてもらうため、3種類の人間をご紹介します。
この世界は大きくマクロの視点で見ると、この3種類に誰もが属しています。それは「ギバー」・「テイカー」・「マッチャー」です。
ギバーとは、相手の行動に関係なく施しを与えようとする人のこと。それに対してテイカーは、相手の行動に関係なく貰うことばかり考えている人です。そして1番大多数となるマッチャーは、返報性に忠実に従うオーソドックスな人をそう呼びます。
ギバー・テイカーの人格が形成される過程には「遺伝的影響」と「環境的影響」がありますが、結果的な事象として3種類のタイプがいるということを抑えておきましょう。
③制裁・嘲笑・嫌悪
そしてテイカーを見抜かれた人は、世間から「制裁・嘲笑・嫌悪」される。
なぜなら返報性の気持ちが起こる理由となる、人類が協力し合って前に進む弊害になってしまうから。それを察知するために、搾取に対しても返報性が働くと言えます。
ですがそれ故に自分もテイカーの人格に伝染されたり、ネガティブ思考を強くしてしまう懸念もある。全てのモノにメリット・デメリットがあるように、この返報性による復讐の連鎖は多くの戦争を起こしてきました。
やはりプラスの感情には返報性に則り行動して、マイナスの感情には返報性を客観視してテイカーから逃げ出す。これが自分も身近な人も、幸せに過ごせるテクニックではないでしょうか。
最後に
本日は「返報性の気持ちはなぜ起こる?」というお話、いかがでしたか?
返報性とは、私たちが協力し合って前に進んでいくために必要なモノです。もし返報性の力がなければ、きっと多勢という力を行使できずに食物連鎖の頂点に君臨できなかったことでしょう。
ですが間違っても、テイカーから受けた負の返報性を他の誰かに返さないように…。遺伝上のテイカーとなる彼らも被害者であり、しょうがないことだと穏便な気持ちでファクトを眺める。ただ自分もテイカーの人格に乗っ取られる懸念があるので、自己防衛として自分は離れる。これらを守ることが、幸せに生きるキーではないかと思います。
本日はご精読ありがとうございました。
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