要求を通すテクニック「譲歩GIive法」

心理学

 本日のテーマは「要求を通すテクニック・譲歩Give法」というお話です。

 相手に自分の要求を受け入れて欲しいと思う気持ちは、誰もが1度は遭遇する感情でしょう。具体的なモノを列挙すると、好きなドラマ・漫画などに興味の心を持ってもらいたいというプライベートなものから、ビジネスシーンで商品・サービスを享受したいと感じてもらうなど多岐に渡ります。

 しかし願いとは裏腹に、要求を通すことは困難な課題です。きっと多くの人が上手くいかずに、悩みを抱えていることでしょう。本記事では、その悩みを解消するために「返報性の力・譲渡」を使った要求を通すテクニックをご紹介していきます。

 「譲渡Give法」と名付けたこのテクニックを、2部構成で紐解いていきましょう。

拒否される要求→小さな要求

 譲渡Give法・1部目は「拒否される要求→小さな要求」の順番で提示すること。

①新しい行動という負担

 いきなり相手に受け入れて欲しい要求を提示しても、要求が通る確率は低くなってしまうもの。なぜなら善意の気持ちで教えていたとしても、相手にとっては新しい行動をするという負担作業だから…。

 つまりいつものルーティーンから抜け出し、相手へのGive・歩み寄りのための行動を追加するという認識になってしまうのですね。

②譲渡というGive

 では先に、Giveを与えてみたらどうでしょう?

 すると返報性の力が働き、相手はそのGiveを返したいと感じてくれるはずです。しかし相手から、何の要求も提示されていない。つまりGiveしたくても、Giveする内容がない状態です。

 そこで活用できるのが「譲歩というGive」なのですね。

 まずは相手が拒否するであろうLevelの要求を、最初に提示します。そして1度断ってもらい、その断るという要求を自分が飲む。これはまさに相手への譲歩であり、紛れもないGiveとなります。そして実際に飲んでもらいたい要求を提示すれば、譲歩Giveへの返報性により相手も譲歩してくれる。つまり譲歩として、2番目の小さな要求を飲んでくれるはずでしょう。

コントラストの魔法と併用

 譲渡Give法・2部目は「コントラストの魔法と併用」にもなるというお話です。

 以前の記事でご紹介したコントラストの魔法のテクニックと、譲渡Give法のテクニックは、実は無意識に組み合わさっているもの。そして大きなシナジーを生み出しているのですね。

①コントラストの魔法とは

 まずはコントラストの魔法について、内容を振り返りましょう。

 コントラストの魔法とは、最初に見聞きしたモノと2番目に見聞きしたモノが異なる性質を持っていた場合に、2番目の性質が実質以上に強く感じる現象です。

 例えば1万円を払った後に、1000円を払うのは安価に感じるモノ。しかし500円の支払い後であれば、1000円を払うことはすごく高価な値段に感じてしまいますよね。このように前段階で触れていたものにより、認知の歪みを起こして同じモノでも全く別のモノに感じてしまう。これをコントラスの魔法と呼びます。

②シナジー効果

 では実際に、シナジー効果について覗いていきましょう。

 譲歩Give法で提示した「最初の拒否されるであろう要求」と「2番目に提示した通したい要求」では、要求度合いに緩急をつけています。もちろん同じレベルの要求であったとしても、譲渡の返報性により2番目の要求は通りやすくなるでしょう。

 しかし緩急の採用はコントラストの魔法を取り入れることになり、2番目の要求がより小さいモノだと錯覚を起こす。これこそ譲歩Give法の、真骨頂と呼べるものなのですね。そして2つの効用が混じり合ったシナジーは、普通であれば到底通らない要求でも相手は飲んでしまうもの。もちろん悪用厳禁で、相手を幸せな方角へ導くという信念のもとに活用してください。

最後に

 本日は「要求を通すテクニック・譲歩Give法」というお話、いかがでしたか?

 自分が好きなモノを相手にも知ってもらうことは、とても嬉しい営みです。そして相手がその先に幸せを感じてくれれば、自分にとっても至福のときですよね。

 しかしどんな崇高な勧めであっても、相手にはまだ知らない新しい行動です。だからこそ譲渡Give法をプラスの方角へ活用して、多くの人に幸せを伝播していきましょう。

 本日はご精読ありがとうございました。

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