本日のテーマは「モノから空間への焦点変化」というお話です。
片付け遂行を目指して思考するとき、人は何かしらに焦点を当てています。その焦点を基準として、言葉を綴りながら考えているのですね。
そして片付けを遂行・維持できない人には、間違った焦点の意識がある。進む方向性が最初から間違っている訳ですから、どんなに思考してもゴールには辿り着けないでしょう。
本章では多くの人が陥りがちな間違った焦点と、片付けを遂行するための正しい焦点についてそれぞれ紐解いていきます。そして自分が前者の焦点ならば、焦点変化というスタートに戻って思考を始め直しましょう。
モノへの焦点
まずは「モノへの焦点」のお話です。
モノへの焦点とは、モノが使えるか否かを考えながら片付けを実践すること。
①デフォルトの焦点
片付けで取捨選択するターゲットこそがモノであり、多くの人がデフォルトで意識している焦点とも言えるでしょうか。「モノの片付けなんだから、モノに焦点を当てるのは普通でしょう?」と懐疑心が浮かばない人もきっと多いはず。
②もったいない精神
しかしモノ焦点の状態では、高確率でキレイな空間を維持することは出来ません。
なぜかと言えば、使えるか否かの有効性で考えれば、必ず人は執着の気持ちが浮き彫りになるから。つまり「もったいない精神」が働き、どのモノたちも手放したくない衝動に駆られます。そしてモノが時間経過とともに次第に増えていき、結局は管理できない物量へと肥大化してしまう。
ではターゲットであるモノではなく、一体どこに焦点を向ければよいのでしょうか?
空間への焦点
その解答は「空間への焦点」です。
空間への焦点とは、空間が美しく保てるか否かを考えながら片付けを実践すること。
①ゴールから逆算思考
キレイな空間が片付けのゴールであり、終わりから逆算思考で物事を考えるのは世の習いと言えるでしょう。
つまりモノとは手段でしかなく、渇望している結果は空間な訳です。そこに意識を向けなければ、問題解決の勝ち筋は開けない。だからこそゴールの空間に焦点を当てて、モノの最適量を絞り込んでいく必要があるのですね。
②旅行の例え
これは旅行に例えると、分かりやすいかもしれませんね。
まずはどこに旅行に行くか観光地を定め、その後にどの道で進んでいくかを吟味します。いきなり観光地を決めずに、道を選ぶ人はまずいないでしょう。もちろん行きあたりばったりの旅行にも魅力はあると思いますが、特定の観光地には辿り着けません。
片付けも全く同じで、モノ焦点での取捨選択とは道を最初に選ぶこと。キレイな空間という観光地が定まっていないので、片付けという旅がグダグダになって徒労に暮れることでしょう。だからこそ、まずはキレイな空間という観光地に焦点を当てましょう。
③捨てる意識
最後に、空間への焦点を手にするためのポイントをご紹介します。
それは「捨てる意識」です。
モノに対して「残す意識」を持つと、無駄なモノでさえも全てを手持ちに置きたくなるもの。そして大切なモノが見えなくなってしまう。しかし「捨てる意識」を前提に考えれば、自分にとって本当に大切なモノを見極められる。
④文章作成も同じ
この捨てる意識は、文章作成でも重要な意識です。
文章を書く際に誰もが、1つのテーマに対して全てを教えたくなってしまうもの。しかし情報量が多すぎれば、相手は脳のキャパを突破してしまい、全てが右から左へと流れてしまうでしょう。だからこそ、伝えたいポイントを搾る必要性があるのですね。
しかし残すという意識では、どの内容も大切に感じてしまって文章が纏められず時間だけがかかってしまう。だからこそ捨てる意識で、内容をどんどんと削っていく。そして本当に伝えたいものが見つかるのです。
最後に話を戻して締め入りますが、目の前のモノが使えるか否かのモノ焦点ではなく、キレイな空間を保つためにモノを捨てようという空間焦点が大事ということです。
最後に
本日は「モノから空間への焦点変化」というお話、いかがでしたか?
片付けや文章作成以外でも、選択肢が増えすぎれば人は多大なストレスを感じるものです。
例えば料理の注文で捨てる意識を持たなければ、なかなかメニューから決められませんよね。そこで料理の注文を、捨てる意識の練習だとイメージしてみてください。そんな外食でのちょっとしたアクションが、片付けで空間への焦点を手にする一助になるはずだから…。
本日はご精読ありがとうございました。
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