本日のテーマは「表紙・帯からコンパス活用STEP1・作成」というお話です。
前記事の「読書のコンパス・コロンブスのように大海原へ」というお話の中で、装丁にある「表紙・帯」は航海での「コンパス」の役目を果たすという比喩をご紹介しました。コンパスにより東西南北が分かっているからこそ大海原へ出られるように、表紙・帯の短く要約された文字たちがあるからこそ大枠の内容が理解できる。そして読書という旅に出かけられるのですね。
しかし表紙・帯の情報をそのままコンパスと使用するのでは、読書の方角を示す効果が半減してしまうでしょう。そこで表紙・帯を、さらに自分なりに創意工夫してアレンジしましょう。イメージとしては調子の悪いコンパスを、自ら修理してから旅に出かける感覚です。
ではコンパス活用3STEPとして、最初のSTEPとなる「コンパス作成」のお話です。
もう1度要約しなおす
まずコンパス作成のポイントとして「もう1度要約しなおす」ことです。
著者や出版社の方たちがもう要約してくれているのに、なぜ自分で要約する必要があるのかと疑問を感じる方もいるかもしれませんね。それでも要約しなおした方が、コンパスの精度は飛躍するのです。
なぜなら人が要約した内容をそのまま見聞きするだけよりも、自分で能動的に要約した内容の方が記憶にスムーズに残ります。だからこそ読書中にそれらの内容を前提として記憶に留めながら、次の文字に目を当てることが可能となるのですね。
分ける・繋げる・深堀りする
では具体的に、どのように要約しなおしていけばよいのか?
ここでは3つの手段をご紹介していきます。その手段とは「分かる・繋げる・深堀りする」です。
①分ける
まず「分ける」についてのお話です。
タイトル・帯に記載される1文を、自分なりにさらに小分けにしていきましょう。ただ分けるだけとあなたは感じるかもしれませんが、この行為も立派な要約の1種なのですね。
具体例としては「スマホで買ってしまう9つの理由Tap」というタイトルであれば、「スマホはついつい買ってしまう」・「買ってしまう理由は9つある」と2つの文に分けられるでしょう。このように1つの文章から複数の情報に小分けして、要約していきましょう。
②繋げる
次に「繋げる」です。
また2つの文を、1つの文に繋げることも立派な要約です。
例えばタイトルとして「自分のアタマで考えよう」という1文があり、帯に「知識に騙されない思考の技術」と記載されていたとします。これらをフュージョンさせれば「自分のアタマで考える人は、知識に騙されない」となりますよね。
このように他人の要約文を融合させることで、新たな情報が手に入ることは良くあることなのですね。
③深堀りする
最後に「深堀りする」こと。
この作業は難易度的には1番大変ですし、脳に負荷もかかるでしょう。ですがその負荷があるからこそ、記憶に残すスパイスとなる。楽に手に入った記憶は忘れやすく、苦労して手に入った記憶は残り続ける。これは勉強における原則です。
具体的には「脳のワーキングメモリを鍛える」というタイトルがあったとすれば、「ワーキングメモリは思考力を上げる?」と深堀りして考えてみましょう。この深堀りは、事実でなくても仮説でOKです。ただ「?」をつけることは忘れないでくださいね。あとで見返すときに、仮説ではなく事実だと自分が錯覚しては大変なことになってしまいますから…。
仮説なので読み進めて行く中で間違っていれば、文字の上から線引きすればいいだけです。また正解していれば仮説を当てた喜びの記憶が、情報の記憶保持率を激変させてくれること間違いなしだと思います。
このような3つの手段を活用して、自分だけのコンパスを作っていきましょう。
最後に
本日は「表紙・帯からコンパス活用STEP1・作成」というお話、いかがでしたか?
ただ目視で表紙・帯の文字たちを確認したのでは、人はすぐに忘れてしまいます。では忘却しないように、どうすればよいのか…?その方法は、能動的にアウトプットするしかありません。その手段として分ける・繋げる・深堀りするという3つのアクションをとり、読書の旅をスムーズに進行させるためのコンパスを作成しましょう。
本日はご精読ありがとうございました。
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