本日のテーマは「国債という借金」についてのお話です。
日本財政は赤字であり、国の借金は増え続けていると言われています。具体的な数字を見てみると、税収(国の収入)が約55兆円なのに対して、一般会計(国の支出)が約100兆円を超えています。なぜ毎年収入以上の支出を出しながら、国家を持続させていくことが出来ているのでしょうか?
本記事では、そんな状況でも国家を持続可能としている要素「国債という借金」についてのお話です。是非、自分が住んでいる国で自分が関与している事象なので、学んで持ち帰って頂けると嬉しく思います。
国債
国債とは、国がお金を貸してくれた相手に対して発行する証書のこと。
日本政府は国債という金融商品を発行して、お金をどんどん借りています。どれだけ財政赤字に陥ろうとも、国債が発行できる限りは社会保障や年金を未来永劫と支払うことが出来るのですね。
①金融機関&投資家
では、誰からお金を借りているのでしょうか?
直接的な取引相手としては「金融機関」や「投資家」です。
彼らからお金を借り続けることにより、毎年借金が嵩むけれども国として機能していける。ちなみに大手銀行は資産の2割、保険会社は資産の4割を国債に投資していると言われています。
②あなたは借金していない
そして多くの人が陥っている、最大の勘違いをご紹介しましょう。
それは「あなたは借金していない」ということ。
国の借金を、日本国民1人1人に換算して「1人あたり~~円の借金が…」と巷で言われますが、この情報は大きな間違いです。なぜなら国債を発行してお金を借りているのは国であって、国民ではないのだから…。
そして間接的には、日本国民に対して国は借金をしているのですね。これを聞いて「私たちは、お金を国に貸してないよ」ときっとあなたは思うでしょう。この仕組みを理解するために、ある組織の商売の形を見ていきましょう。
③銀行の商売
それは銀行の商売です。
銀行といえば誠実で真面目なイメージがありますが、行っている商売は金貸しです。つまり誰かから安い金利でお金を借りて、そのお金を別の誰かに高い金利で貸す。その利鞘で儲けているのですね。では、一体誰に借りているのでしょう?
勘が鋭い方は、気づいたかもしれません。そう、借りているのはあなた達1人1人の日本国民に借りています。「えっ?貸していないけど?」と感じた方もおられるかもしれませんが、銀行に預金していますよね?
私たちにとっては預金という認識でも、銀行から見れば借金です。そして非常に僅かでありますが、利息もついています。その国民から預金として借りたお金を、銀行は国家にそれよりも高金利で貸している。つまり国債とは銀行が儲けるための手段であり、国家が財政赤字でも維持していくための手段なのです。
自転車操業
そして国債で回る、日本の財政を「自転車操業」と比喩されます。
自転車操業とは、赤字状態でありながら他人資本を次々と回転させて、国家・事業を継続していくこと。
①自転車比喩の理由
さて、なぜ自転車の比喩が使用されるのでしょうか?
自転車はペダルを漕ぐことにより動き、2輪であっても倒れず立ち続けることが可能となります。もしも漕ぐことを放棄してしまえば、自転車は止まるだけではなく倒れてしまうでしょう。
日本政府の国家維持もこれと全く同じであり、国債発行で借金することにより国家として事業を継続し続けられる。もしもこれ以上の借金を辞めてしまえば、国の運営ができなくなり、残った借金により国家破綻へと向かってしまう。しかし他人資本をどんどん借りて、事業を辞めない限り、いつまでも自転車のように国家は立って動き続けることができるのですね。
②債務不履行しない理由
最後に1つ、次回記事への問いをご紹介して終わりにしたいと思います。
なぜ日本は債務不履行(デフォルト)しないのでしょうか?
債務不履行とは、国債の買い手がいなくなり、年金・医療保険などの社会保障ができずに行政サービスが終わること。実際にギリシャがデフォルトした事例もあり、当時のギリシャの借金は43兆円と言われています。しかし、日本の借金はそれ以上の額となる1100兆円(2020年)です。
次回記事では、自転車操業がいつまでも継続できて債務不履行しない日本の状態についてお話させて頂きます。楽しみにして頂けると嬉しいです。
最後に
本日は「国債という借金」というお話、いかがでしたか?
1つお伝えしたいのが、日本に借金があるからと言って、あなたが借りているわけではないということ。むしろ貸している側なのですから、それに対して落ち込むことはないのですね。
ただ社会保障に助けられて、快適な生活が出来ている。そんな自分たちを助けてくれる団体が、そのような状態だと聞くと未来に対して怖くも感じるでしょう。しかし、それらの環境が逆に普通ではなかった。昨今は世の中のデフォルト基準に近づいただけで、ぬるま湯で有り難いこれまでが恵まれすぎていた。
だからこそ執着せず感謝のマインドで、他責思考から自助努力に意識変革してくれる方が増えたら嬉しいなと感じます。
本日はご精読ありがとうございました。
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