本日のテーマは「Body languageテクニック②演技」というお話です。
プレゼンテーションの現場では言語だけではなく、身振り・表情・声のトーンなどを活用して表現豊かに伝えることが可能です。多少言葉足らずだったとしても、Body languageの力がそれを補って凌駕することすらあるのですね。
アメリカ合衆国の心理学者アルバート・メラビアンが提唱する「メラビアンの法則」でも、その事実を物語った数値が示されています。メラビアンの法則とは、コミュニケーションにおいて言語・聴覚・視覚からそれぞれ矛盾した情報が発せられた場合、人はどの要素に影響を受けるかを数値化したものです。
その結果として「言語・7%」・「聴覚・38%」・「視覚・55%」の影響度合いが示されており、人は「言葉の意味」よりも「身振り・表情・声のトーン」の情報を優先して信じる傾向があるのですね。
そんなBody languageのテクニックの第2回目は「演技」についてのお話です。演技を2つの要素に分けて、お話を展開していきましょう。
デモンストレーション
演技の要素1つ目は「デモンストレーション」です。
デモンストレーションは、日本語にすると実演という意味です。
①思考作業✗→動作作業◯
プレゼンで何かを伝えようとしている場合、きっと相手に特定の行動を取ってもらいたいと感じていることが多いでしょう。その行動の内容が「思考作業」のポイントであれば、デモンストレーションは出来ません。しかし道具を使用したり体を動かすなどの「動作作業」では、デモンストレーションは効率的に物事を説明することが出来るでしょう。
②スポーツ・音楽の具体例
その最たるものが、スポーツや音楽などの指導が目的となるプレゼンです。
もちろん言語を使用して、スポーツ道具や楽器を使いこなすための意識を伝えるのは大事なことです。使い方と言っても、相手の動きを見ただけでは気づけないポイントもたくさんあるでしょう。
しかし基本的なフォームや扱い方など、大枠の動作であればデモンストレーションの方が効率が良いのです。
③認知不可防止
メラビアンの法則で「言語7%」と結果が出ているのも、人がそもそも動物だから…。発達した大脳で他の動物より考えられると言っても、基本は見真似の方が認知不可はかかりずらいはずです。
そして人の認知が有限であることから、もしも単純作業を言語で伝えてしまえば、その説明で脳は疲労することでしょう。つまり脳が重要な意識のポイントを、言語で習得できる余白が消えてしまう。そして見真似でも盗めるような情報だけ言葉で受け取り、勉強した気分だけ感じて得たものは少なく帰っていく。
このような認知不可防止のためにも、デモンストレーションで伝えられる内容はそちらに代用していきましょう。
コーテーション
演技の要素2つ目は「コーテーション」です。
コーテーションとは、引用句のことで第三者の会話・話し言葉を指しています。
つまり特定の人の「会話・話し言葉」を自分が演技で再現するのですね。まさに舞台俳優さんになったようなイメージとも言えるかもしれません。
①向きを変える
そして会話を再現したコーテーションのポイントは、向きを変えましょう。
向きという要素により「2人の人物がいて、会話をしている」という情報が、相手は視覚で理解することができる。このようなコーテーションは臨場感を生み出し、相手の注意が1点に注がれる手伝いを促します。まさにこれ以上ない注意喚起であり、落語の表現技術をプレゼンに用いたものなのですね。
②説得の根拠
次に相手の話し言葉を再現して、説得の根拠として持っていきましょう。
例えば、ある商品に興味・関心を持ってもらうためにプレゼンを行っていたとします。
そこでプレゼン受講者に対して「Aさんは以前に「…が問題何だよな…」とおっしゃってしましたよね」とコーテーションを入れていきます。そしてその問題点と商品の特徴を関連付けながら、その後プレゼンをしていくのですね。
すると自分が感じた問題点が、商品購入の根拠となる。このようにコーテーションを用いれば、成約率はきっと上がることでしょう。なぜならAさんは自分が言った言葉に、一貫性ある自分でありたいという本能を刺激されてしまったのですから…。まさにコーテーションとは、注意喚起以上のポテンシャルを有しているという訳です。
最後に
本日は「Body languageテクニック②演技」というお話、いかがでしたか?
まさに演技とは、Body languageの真骨頂のテクニックです。言葉を使用しなくても代替できる内容であればbodyを活用して、注意喚起や一貫性欲求を刺激していきましょう。そのために素晴らしい役者さんを目指してくださいね。
本日はご精読ありがとうございました。
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