本日のテーマは「プレゼン言語テクPart2」というお話です。
プレゼンテーションでは、非言語となる「表情・ジェスチャー・声のトーン」などを使用できます。そのことから語彙力に多少自信がない人でも、Body languageの力で分かりやすい説明が出来ることも多々あるのですね。
しかし、物事を伝えるための1番の手段が「言葉」であることには変わりありません。明確で具体的な内容を伝播するには、言葉の力は必要不可欠なのです。そして前章から2記事に分けて、プレゼンで効果的な言語テクをご紹介させて頂いています。最終章となる本章では「修辞法」・「メタファー」の順にお話を展開していきましょう。
修辞法
プレゼン言語テク・3つ目は「修辞法」です。
修辞法とは、伝えたいポイントの前に美しく巧みな言葉を使用すること。
まさに言葉の下ごしらえであり、この手間により伝えたいポイントが相手の心の琴線を響かせてくれるのです。
①シンプルに伝えるリスク
しかし、ここで反論を抱く人もきっといるでしょう。
それは「巷では、シンプルに短く伝えることが称賛されているよ」という内容です。しかしそれらが奏功しないケースもあり、シンプルに伝えることにもリスクがあるのですね。
そのリスクとは「抑揚のない単調の文章」になってしまうこと。もちろん好奇心が強めな傾向の方には、それでも心に突き刺さることでしょう。
ただ誰しもが好奇心いっぱいで生きているわけではなく、承認・お金への欲求が強い人もいるのです。そのタイプの人には、なかなか単調な文章では見聞きすらしてもらえない可能性も…。彼らには、その情報がなぜ必要なのかという下ごしらえの物語が必要です。そのためのテクニックが修辞法であり、相手の好奇心を呼び覚ます力を持つのです。
②2つのレトリック
修辞法は、英語でレトリック(rhetoric)と表記されます。そしてレトリックは「レトリック・フレーズ」と「レトリック・パーツ」の、2つに分類されます。
レトリック・フレーズは、長めの修飾的な言葉たち。例を挙げていくと「さらに驚くべきことがあります…」・「これだけ覚えると、自分のレベルが1段階UPします」・「3つだけ覚えて頂ければ結構です」などなど。
それに対してレトリック・パーツは、短めの修飾的な言葉たちです。具体例としては「たったの」・「わずか」・「~しか」・「~だけ」など。
③シンプルと修辞法の比較
ではシンプルに伝えたケースと、修辞法を用いたケースを実際に比較していきましょう。
Aがシンプル、Bが修辞法の具体例です。
A.「そこで私は調べました。その結果5名でした。」
B.「そこで私は調べました。その結果、驚くべき事実が分かったのです。なんとたったの5名でした。」
さぁ、2つの例文を読みどう感じましたか…?きっとBの方が、伝えたい内容が心に刺さったのではないですか?
つまりこれらの修飾的な言葉たちが活用されているか否かが、読み手の興味・関心を火種から業火に一変させる鍵になるということですね。シンプルさだけに囚われず、言葉の綴りたちも芸術品のように昇華させていきましょう。
比喩表現
プレゼン言語テク・3つ目は「比喩表現」です。
比喩表現とは、説明したい事柄と本質的な特徴が類似した別の事柄に、例えながら相手に説明していく技法です。
①アイデア・万華鏡の具体例
例えば、アイデアについての理論を説明したとしましょう。
ここではアイデアを、万華鏡に例えながらご紹介していきます。
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせですが、万華鏡も似た本質的な特徴を持っています。なぜなら万華鏡は色ガラスの小片が組み合わさったものであり、手持ち色ガラスのバリエーションが増えるほどに新たな描写を生みだすから…。
これはアイデアでは、10の知識を持っている人と100の知識を持っている人では、新しい組み合わせを見つける可能性が変わってくるのと同じですよね。」
このように比喩表現を使って関連付けながら説明していくと、聞き手にとっては初めて触れる情報であったとしても、スッ~と頭に入ってくるのですね。
②脳の性質
そして比喩表現を使用すると、理解度が上がる理論として「脳の性質」があります。
脳には1000億個のニューロン(神経細胞)があり、それらを1000兆個のシナプス(軸索・樹状突起)が繋いでいます。ニューロンに記憶された情報が、シナプスを用いて電気信号で情報伝達を行っている。このようにして、脳の中には壮大なネットワークが広がっているのですね。
それを具体的に表出した事象こそが、人が物事を覚え考えて行動していくこと。
脳は新たな外部の刺激に対して、ニューロンやシナプスのネットワーク形状を変化してゆく器官です。新たにニューロンへ情報が書き込まれ、それらをシナプスが繋いでいく。これこそが自己成長であり、人間の振れ幅を広げることに繋がります。
③単体→関連
この脳の仕組みから考えれば、物事は「単体」ではなく「関連」で覚えていく重要性があることを知れるでしょう。だからこそ単体の情報として説明するのではなく、一般の人が知っている情報と比喩で組み合わせて説明していくのですね。
最後に
本日は「プレゼン言語テクPart2」というお話、いかがでしたか?
これにてプレゼン言語テクのお話は一旦終了となりますが、大きく4つのテクニックを意識して反復して頂けると嬉しく思います。
プレゼンにおいて非言語(Body language)が大事なことは事実ですが、やはり主役は言葉であると思います。是非言葉がもつ不思議な魅力に浸りながら、言語能力を研磨していきましょう。
本日はご精読ありがとうございました。
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