暗記のために忘れよう

勉強・読書

 本日のテーマは「暗記のために忘れよう」というお話です。

 皆さんは勉強することに対して、こんな悩みを抱えていませんか?

 その悩みとは「すぐに覚えたことを忘れてしまう」というもの…。そんな自分に嫌気が指して勉強自体を放棄し、欲求を満たす手段を勉強からエンタメに切り替えてしまう。そんな人も多いのではないかと思います。

 しかしその悩みはあなたの能力が低いからではなく、ただ勉強方法が間違っているだけです。努力・根性で時間投下する姿勢も重要なことですが、間違った方向に時間投下しても得られる結果は目に見えていますよね。ではどう具体的に、勉強していけば良いのか?

 それは暗記のために、1度覚えたことを忘れること。では暗記と忘却の関連性について、深堀りして覗いていきましょう。

勉強の3フェーズ

 まず「勉強の3フェーズ」について見ていきます。

 そのフェーズは「吸収」・「思考」・「想起」の3つです。

 一般的に勉強はインプットだけでなく、アウトプットしようと巷で囁かれます。これは人間の性質上から真理ですが、少し大雑把な表現なので具体的に何をすれば良いか分かりにくいですよね。

 そこで「インプット・アウトプット」と「勉強の3フェーズ」を照らし合わせて考えてみましょう。まずインプットが吸収のフェーズであり、アウトプットは2つのフェーズに分かれます。それが思考のフェーズと想起のフェーズです。では少し前置きが長くなりましたが、それぞれのフェーズのお話に移っていきましょう。

吸収

 勉強の1フェーズ目は「吸収」です。

 吸収とは、自分の知らない新たな情報に触れること。

①インプットしないとアウトプットできない

 「勉強では、インプットよりアウトプットが大事である」と言っても、インプットしていないモノはアウトプット出来ません。だからこそ深く考えず目の前の情報に対して、ニュートラルな視点で没入していくことが大事なのですね。

②アンダーライン&メモ

 また主は吸収ですが、次の思考フェーズの準備も兼ねていきます。

 それがアンダーラインやメモです。

 読書を進める中で重要だと思ったポイントを抜粋して、赤ペンでアンダーラインを引いていく。すると思考フェーズで情報に対して考えていく際に、すべての情報をまた見聞きする手間が省けます。

 読書ではなくインターネットの場合でも、重要だと感じた内容に対してメモで箇条書きしていけば、アンダーラインの代替策になるでしょう。このように吸収と言っても、最低限のアウトプットはしていく必要があるのですね。

思考

 勉強の2フェーズ目は「思考」です。

 思考とは、得た情報を自分の頭で考えて纏めていくこと。

①深堀りと多面観察

 アンダーラインした情報やメモなどを見ながら、それらに対して深く吟味していきます。

 考える具体的方法としては、情報の深部を覗くために「なぜ?どのように?」と質問していく。または多面的に情報を見るために、他の情報との関連性を模索したり、別の言葉に置き換えたりする営みが有効です。

②ロジック・ツリー作成

 そしてロジック・ツリーを新たに作っていきます。

 作った1つ1つのマスに、吟味した情報を収納していくという具合です。

 この作業は部屋の整理整頓をする際に、収納スペースの仕組みを考え、実際にあるモノを振り分けていく作業にソックリですよね。勉強しながら片付けの技術もスキルアップ出来てしまって、まさに一石二鳥とはこのことでしょう。

 この営みこそが、一般的に認識されているアウトプットのフェーズです。ただ私の感覚から申しますと、ここまでのフェーズだけだと忘却率は高まります。だからこそ最後のフェーズへと進行する必要があるのですね。

想起

 勉強の3フェーズ目は「想起」です。

 想起とは、忘れたことを思い出すこと。

①忘れることは人間の性

 思考のフェーズにより、頭の中に精査された情報が滞在しやすい状態が作られました。

 しかし悲しきことに、忘れることは人間の性なのでしょう。実際に多くの記憶と忘却の理論でも、この事実は証明されています。

②1度忘れる

 ではどうすれば、この忘却という自然現象を緩和させることが可能となるのか?

 それこそが、暗記のために1度8割程忘れることなのですね。

 忘れたモノを思い出す営みこそが、長期記憶された脳内へとあなたを誘ってくれることでしょう。なぜなら脳は忘却したことを想起したときに「忘れたことを想起したということは、重要なことなんだ」と認識するから…。

③伸びない人のメカニズム

 またまだ忘却しておらず、記憶の大部分に残っているときに想起する方がおられます。

 この状態では、脳が「知っていることだから、そこまで重要ではないな」と認識してしまいます。ここでの勉強は暗記にとって、とても非効率と言える。これが努力・根性で大量の投下時間を注いで、伸びない人のメカニズムだったのですね。

最後に

 本日は「暗記のために忘れよう」というお話、いかがでしたか?

 完璧主義な人ほど、絶対に忘れないようにと何度も何度も短時間に詰め込む方が多いでしょう。しかしその行為自体が暗記するという結果への、マイナス要因になっていることもシバシバある。

 是非とも忘れる過程に対して、知識習得の通り道という認識を持ちましょう。そのような前向きな視野が持てれば、きっと忘れるというコトですら前進している感覚が得られて、喜びを味わえるかもしれません。

 想起する復習のタイミングについては、次回記事でご紹介していきたいと思います。楽しみにして頂けると嬉しいです。

 本日はご精読ありがとうございました。

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