本日のテーマは「ウォズニアックが教えてくれた・復習のタイミング」というお話です。
役に立つ情報を蓄えたいと感じたとき、人は物事を必死で暗記しようとします。しかし努力・根性で長時間の勉強をしたところで、あまり良い結果は得られないでしょう。なぜなら勉強の仕方を間違えているから…。そこで1度取り入れたものを忘れるまで寝かせ、その後に想起のタイミングを導入していきます。すると摩訶不思議、あなたはその情報を自分の技としてストックすることが可能となるのです。
とは言っても「忘れて復習するタイミングって、具体的にどのくらい?」と疑問の気持ちが浮き上がることでしょう。そこで本章では、ポーランドの研究者・ピョートル・ウォズニアックが提唱した「復習タイミング」をご紹介していきます。ご自身の勉強の中で、情報を忘れ寝かせる参考として活用して頂けると嬉しいです。また記憶や忘却に関する、別の2つの理論とも比較しながら吟味していきましょう。
復習タイミング
まずウォズニアックが教えてくれた、復習タイミングの結論です。
①5つのタイミング
そのタイミングは5つに分かれ、下記の通りです。
①1~2日後、②7日後、③16日後、④35日後、⑤62日後
自分の頭で考えて纏めた情報を、このタイミングで復習する。するとあなたの記憶保持率は、以前と比較して激変すること間違いなしです。
ちなみに想起するための仕組みとしては、ロジック・ツリーを作っていきます。体系的に纏めた情報をロジック・ツリーに収納して、復習のタイミングでは何も見ない状況下でロジック・ツリー自体を書き出す。そして大局観を得た状態で、その順序に従ってミクロの内容を書き出したり話したりしてアウトプットしていくのですね。
②記憶の80%を忘れた頃
では、なぜ前述した5つのタイミングなのでしょうか?
その理由は「記憶の80%を忘れた頃」だからです。
ウォズニアック曰く、人間は初めて情報を見聞きした1~2日後には80%の情報を忘却します。このタイミングで復習を挟めば、脳は「想起したということは、重要なことだ」と認識する。そしてその後は80%の忘却到達スピードが緩やかになっていき、3~5回と想起を重ねることにより情報が強固に繋がれるのです。この状態こそが、覚えた情報があなたの血肉へと変化したときでしょう。
ここで絶対にやってはいけない勉強法が、80%忘れる前に何度も想起してしまうこと。忘却率が低いので、想起自体は容易いと思います。ただ結局は長い目で自分の1部となってくれず、せっかくの努力が水の泡になってしまうのですね。
2つの理論との比較
次に記憶と忘却の事象を表した、2つの理論と比較していきましょう。
それは「アウトプット大全との比較」と「エビングハウスの忘却曲線との比較」です。
①アウトプット大全との比較
アウトプット大全とは、精神科医で作家でもある樺沢紫苑さんの著書です。正しい勉強法がまだ身についてない人への良書であり、きっとあなたの未来の知性をアップグレードする一助となってくれる書籍でしょう。
そんな本書の中では「2週間に3回アウトプットしよう」という格言が記されています。インプットだけの勉強で終わっていては、すぐに忘れてしまう。だからこそ2週間という短期記憶のストックタイムに、アウトプットで復習しようという内容です。具体的には「2~3日後」・「1週間後」・「2週間後」という時期が記載されています。
ではウォズニアックとの理論と比較してみましょう。ウォズニアック・5つのタイミングの前半3タイミングと、アウトプット大全の2週間に3回の時期は関連性が強いですよね。具体的数字に多少の誤差はありますが、マクロの視野では大体同じです。
②エビングハウスの忘却曲線との比較
次にエビングハウスの忘却曲線との比較です。
この理論はドイツの心理学者・ヘルマン・エビングハウスが提唱したもので、インプットした内容が時間経過とともに忘却していくパーセンテージを曲線として表したものです。その数値は初期段階で急速に忘却へと向かい、それが次第に滑らかになっていく。具体的数値については、下記の通りです。
①20分後・42%、②1時間後・56%、③1日後・74%
④1週間後・77%、⑤1ヶ月後・79%
こちらの数値も、ウォズニアックの数値と多少の乖離はあるものの共通項もありますよね。エビングハウスが示す「1日後74%の忘却数値」は、ウォズニアックが示す「1~2日後に80%忘却するので復習しよう」とほぼ当てはまります。
このように3つの全ての理論が、とても近い数値を示しています。是非、参考にして自分だけのインターバルを定めていってくださいね。
最後に
本日は「ウォズニアックが教えてくれた・復習のタイミング」というお話、いかがでしたか?
悲しきかな、人は忘却する星の下に生まれてしまいました。しかしそれに抗うこの復習タイミングこそ、まさに記憶の万能薬です。
また補足のテクニックとしては、違う角度から復習された情報はさらに記憶維持に役立ちます。だからこそ同じ内容が記された書籍を、何冊か読むことが功を奏する結果を招くのです。「どうせ同じようなことが、書いてあるんでしょ?」という気持ちは、自分が記憶に対して無知である証明と言えるかもしれませんね。
本日はご精読ありがとうございました。
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