あなたは今どこ?「バリューマトリクス」

問題解決

 本日のテーマは「あなたは今どこ?・バリューマトリクス」というお話です。

 前回に引き続いて本記事でも、マッキンゼー・アンド・カンパニーやイェール大学に在籍経験のあった安宅和人さんの著書「イシューからはじめよ」の中身を抜粋してお届けしていきます。

 本記事でご紹介するバリューマトリクスは、書籍の中で展開される理論を私なりの言葉に再言語化したものです。自分の仕事に対する現在地を俯瞰するための材料となる理論なので、是非持ち帰って吟味して頂けると嬉しいです。

 ではバリューマトリクスの定義と、それを構成する要素を覗いていきましょう。

バリューマトリクス・2軸

 バリューマトリクスとは、「課題の質」と「成果の質」の2軸を使って、ビジネスパーソンを4タイプに分類したポジショニング・マップのこと。

①課題の質

 まずは課題の質についてです。

 課題の質とは、目の前の問題解決のために、解かなければいけない課題の必要度合いのこと。

 1つの問題解決には無数の課題が広がっていますが、その中でバリュー(価値)というアウトプットを行うために必要な課題は実はそこまで多くありません。

 とどのつまり課題の質とは、核心的課題である又は近いものを見極められるか否かということでしょう。

②成果の質

 次に成果の質についてです。

 成果の質とは、目の前の課題に対して、取り組んだ際の成果の度合いのこと。

 ここは単純に、多くの方が仕事が出来る定義と認識している「課題をこなす能力」のこと。つまり効率よく短時間で作業をこなし、更には質の高いモノを生み出す力と言えるでしょう。

 この2軸となる2つの質は、前記事の「イシュー見極めvsライフハック」でさらに深堀りしてご紹介しています。そちらの記事もご閲覧頂けると、とても嬉しく思います。

ビジネスパーソン・4タイプ

 次にバリューマトリクスから分類される、ビジネスパーソンの種類を見ていきます。

 バリューマトリクスでは、まず課題の質を横線として引きます。この線が左側に向かうほどに核心的な課題(イシュー)を見極める力が高く、右側に向かう程にその力が低いということ。また成果の質を縦線として引き、上側に向かうほどに課題をこなす力があり、下側に向かうほどにこなす能力がないということです。

 すると2軸によって、4つのタイプにポジショニングされますよね…?では本題となる4タイプを、微細に紐解きながら解説させて頂きます。

①バリュー創出タイプ

 まず右上の「バリュー創出タイプ」です。

 バリュー創出タイプとは、「課題の質」も「成果の質」も高いビジネスパーソンのこと。

 目の前の問題に対して核心的課題を発見するイシュー見極めの力があり、さらには作業をこなせばその成果を高い水準でアウトプット出来る人のこと。まさに仕事をする上で、誰もが目指すべきポジションと言えるでしょうか。

 このタイプは最短でバリュー(価値・利益・恩恵)を生み出すからこそ、多くの人の笑顔を作り出します。結果として、自分の報酬となる今後の活動への応援金を多く手にすることが出来るのですね。

②ワースレス創出タイプ

 次に左上の「ワースレス創出タイプ」です。

 ワースレス創出タイプとは、「成果の質」は高いが「課題の質」が低いビジネスパーソンのこと。

 核心的課題を発見するイシュー見極めの力が低いことから、目に入った取り組みやすそうな課題を全て注力しようとしてしまう。ただ課題をこなす能力はあるので、注力したものは高い水準でアウトプット出来るでしょう。しかしバリューに直接関与しない課題であるため、ワースレスなものしか生み出せないという事象が生まれます。

 もちろんバリューをさらに昇華させる補助的な課題ではあるので、もしも核心的課題をクリア出来たのなら、初めてのバリューアウトプットが高品質なものになるということもあるのですが…。

③バリュー対峙タイプ

 3つ目は右下の「バリュー対峙タイプ」です。

 バリュー対峙タイプは、「課題の質」は高いが「成果の質」が低いビジネスパーソンのこと。

 多くの無数の課題の中から、バリューを生み出す核心的課題を見つける能力は長けています。つまり仮説思考力が高い人とも言えるでしょう。しかしそれをこなす能力はと言うと乏しく、なかなか高品質なアウトプットが出来ていない状態です。

 しかし彼らは回り道をせず、最短ルートを歩いている人たちです。もしも課題をこなす能力やライフハックの術を知ったのなら、鬼に金棒の状態を手に出来るのかもしれませんね。

④ワースレス対峙タイプ

 最後に左下の「ワースレス対峙タイプ」です。

 ワースレス対峙タイプは、「課題の質」も「成果の質」も低いビジネスパーソンのこと。

 仮説思考力も低いので、バリューを生み出すためにどの課題が核心的課題かを見極めることが出来ません。さらにとりあえず手を動かして向き合った課題も、効率・品質ともに悪い。もしも仮に課題をこなす能力やライフハックを身につけたとしても、イシューを見極める力を鍛えなければ、将来的にも無価値なものしか創出できないタイプということです。

 以上が、ビジネスパーソン4タイプの詳細となります。

最後に

 本日は「あなたは今どこ?・バリューマトリクス」というお話、いかがでしたか?

 このポジショニング・マップを活用することで、現在の自分の立ち位置を認識することが可能となります。すると自分は今から何の能力を研磨するべきかという、次のアクションを知ることができるのですね。

 次回記事ではバリューマトリクスで右上のバリュー創出タイプを目指すため、左下のスタート地点にいるワースレス対峙タイプの人が、どのようなプロセスとなる道を歩めば良いのかをご紹介していきます。楽しみにして頂けると嬉しいです。

 本日はご精読ありがとうございました。

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