本日のテーマは「承諾が得られる・コミット戦法」というお話です。
相手とコミュニケーションを営む中で、自分の意見に共感してもらいたい。またはビジネスで商売をしていて、自社商品・サービスの購入をして頂きたい。このような経験は誰しもが1度は、身を持って触れたことがあるのではないでしょうか?
この2つの要素の共通項として、相手のマインドが自分のマインド寄りに刷新されています。どちらも自分の価値観に相手が近づいてきたからこそ、共感や購入という承諾のアクションへと繋がるのですね。
本章では相手からの承諾を得るために、コミットメントの力を活用してマインドを変化させる術をご紹介します。記事の流れとしましては、まずコミットメントの力について軽くお浚いした後に、2つのコミット戦法をご紹介していきます。コミットメントの原理の詳細については、過去記事の「一貫性欲求の源泉」をご閲覧頂けると嬉しいです。
コミットメントの力
まずはコミットメントの力のお話です。
コミットメントには、一貫性の力が働いて未来の行動・価値観を変革する力を持っています。
例えばファーストフードが大好きな人が、健康的な食生活を否応無しに長期間コミットしたとします。すると「ファーストフード好きという価値観」と「健康的な食生活という行動」の2つの要素が、認知的不協和を起こして人は苦しみを抱くようになるのです。もちろん逆も然り…。
つまり人は価値観と行動が合致した時に幸福を感じ、不一致であれば苦しみが生じます。そして苦しみ解消のために、コミットという行動に価値観が引っ張られて整合性がとられるのですね。
では本題となるコミットメントを活用した、コミット戦法を覗いていきましょう。
関連コミット先取り法
コミット戦法1つ目は「関連コミット先取り法」です。
関連コミット先取り法とは、承諾(共感・購入)と関連性のあるコミットを、先に確保しようとする手法です。
①抽象・関連事の会話
いきなり「自分の意見」や「商品・サービス販売」を伝えた所で、共感や購入という目的が奏功する確率は低いでしょう。そこでまずは承諾要請内容の「抽象的概念」や、同じ概念を持つ「関連事の事象」を述べていきます。
例えば「web3」に対して抱くワクワク感に共感して欲しいのなら、まずは好奇心の喜びの話を取り上げる。そして相手に「好奇心って素晴らしいよね」と共感してもらうのですね。
②肯定のコミットメント
この肯定のコミットメントが貰えたのなら、ゴールは近いでしょう。
ここで貰うコミットは、口頭のような安易なものでも構いません。1度でも良いので自分から主体的にコミットしたと、相手自身が感じていることが重要となります。実際に言葉として「意見主張」や「立場明確化」を行えば、あとは認知的不協和による一貫性の力が、相手のマインドをこちらの承諾内容に引っ張ってくれるはずだから…。
③合致した要求
最後に、いよいよ合致した要求の提示です。
共感して貰いたい自分の意見や、ビジネスでの商品・サービス販売を実際に述べていきます。
関連したコミットという下準備は、まさに味噌汁の出汁をとるようなものでしょうか…。香り・味などに複雑さを持たせるように、きっと共感・購入して頂ける確率も飛躍すること間違いなしです。
段階コミット要請法
コミット戦法2つ目は「段階コミット要請法」です。
段階コミット要請法とは、小さなコミットをまず貰い、少しずつ目的のコミットへと要請を大きくしていくテクニックのこと。
①小さなコミットメント
最初から大きなコミットメント(共感・購入)を促したとしても、違う価値観に滞在する人がその考えに飛び乗ってくれることは稀有なことでしょう。
では動かすことが全く出来ないのかと言えばそれもまた違い、積み重ねの力にはどんなに大きな山でも動かすパワーを持つでしょう。これはスキルを伸ばす時にいきなり完璧を求めず、目の前の課題に注力して少しずつレベルアップさせる。すると気づいた時には、自分が凄い所へ到達している事と理屈は全く同じです。
だからこそ相手の価値観を変革したいなら、まず小さなコミットメントを促しましょう。一見、取るに足らないようなものでも構わないのですから…。
②徐々にコミット大きく
そしてコミットを貰えたのなら、徐々に相手に促すコミットを大きくしていきます。
目先の1つずつのコミット行動が認知的不協和により、ジワリジワリと相手の価値観を変容させていく。そして知らぬ間に、自分とシンパシーを感じられる仲になっているかもしれません。
ビジネスではこの小さなコミットメントの積み重ねを、長期間で実践している営業の方がおられるのも事実です。
③目的となる要求
さぁ、いよいよ目的となる要求を伝えていきましょう。
コミットをいくつか貰い、相手のマインドは自分寄りに近づいています。そこで自分の意見への共感や、商品・サービスの購入を提示していく。きっといきなり承諾を促した時とは雲泥の差を生む事実に、あなたは驚愕することでしょう。
最後に
本日は「承諾が得られる・コミット戦法」というお話、いかがでしたか?
コミット戦法は、ビジネスのマーケティングはもちろん、普段の友人との意思疎通にも大いに役立つことでしょう。
ただこの戦法を活用して、悪徳商法するペテン師がいるのも事実です。私たちは護身として、それらは見分ける術も手にしなければいけない。次回記事では、コミット戦法から身を守る護身術のお話をさせて頂きます。楽しみにして頂けると嬉しいです。
本日はご精読ありがとうございました。
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