コミットによる一貫性の強化術・Part1

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 本日のテーマは「コミットによる一貫性の強化術・Part1」というお話です。

 人間は特定の事柄にコミットメントすると一貫性の力が働いて、そのベクトルの価値観や行動を選択しがちになるでしょう。なぜなら「自分がコミットした事柄」と「未来の自分」が相反するものであれば、支離滅裂な自分に自己嫌悪を感じて苦しくなってしまうから…。そして以前の記事で、この理論を活用して相手のマインド変化を促す「コミット戦法」の技をご紹介させて頂きました。

 そこで本章からはコミット戦法をさらに強化するための、キーとなる4つのテクニックをご紹介していきます。合計2記事に分け、本章では前半2つのテクニックです。少し長丁場となりますが、お付き合い頂けると嬉しいです。

行動

 コミットによる一貫性の強化術1つ目は「行動」です。

 相手に言葉として肯定のコミットを貰うだけでも、もちろん一貫性の効果はあります。しかしある事柄に相手が何らかの行動をすると、その力は更に強固たるものになるのですね。

①思考・言葉より具体的

 なぜなら行動は「思考・言葉より具体的」だから…。

 頭の中で思考させて、ただ肯定のコミットメントを浮かべても妄想に等しいですよね。また言葉にして他人にアウトプットすれば、少しは具体的要素が強くなります。ですがまだ口だけ番長の状態です。

 どちらもドラマの主人公に一旦感情移入したような状態にしかならず、所詮は他人事の認識です。もちろん人によって差異はありますが、あまり自分自身がコミットしたという認識を感じにくいでしょう。

 しかし行動の力は、誰が見ても明らかな具体性を表出させます。そして脳は認知的不協和を強く感じ、行動と価値観を一体化させないと落ち着かなくなってしまうのですね。

②価値観形成の2つの道

 ではここで少し話を脱線させましょう。脱線内容としては「価値観形成の2つの道」をご紹介していきます。

 その道とは「感情」と「行動」です。

 感情は、外部の環境に遭遇することより偶然的に生じるものです。その感情の積み重ねにより、これらが思考の材料となって、あなたの主観は形作られていくのですね。しかしこちらの道は、運に任せた価値観形成の道とも言えるでしょうか。なぜなら生まれてくる喜怒哀楽の情動を、全て自分でコントロールすることは出来ないからです。

 次に行動は、この実世界で私たちが身体を活用した最も具体的なアウトプットです。ここまで分かりやすく表出されれば、利他ともに認識できてしまいます。だからこそ行動と価値観の乖離による認知的不協和を強く感じ、その解消のために過去の行動と一貫した価値観を描くのですね。

 憂鬱なときに笑顔をつくると知らず知らずのうちに楽しくなってきますが、ここにはコミットによる一貫性の力が働いているのでした。

③他人活用・コミット戦法

 そして話を振り出しに戻します。

 この価値観形成・行動の道を、他人に活用されたケースこそコミット戦法です。1度行動を起こせば、相手側の要求の価値観が膨張していく。まさに行動・価値観スパイラルに突入したとでも言えるでしょうか。

 この理屈を知ることはペテン師への見極め力や、自分1人でこの理論を活用して自己成長していけるなど長所満載です。是非、行動を用いたコミットメントの技を習得してくださいね。

公表

 コミットによる一貫性の強化術2つ目は「公表」です。

 自分と相手の間柄だけでコミットされたものよりも、それが公に多くの人に知れ渡ったときに一貫性の力は更に昇華されることでしょう。

①パブリック・コミットメント

 この事象は「パブリック・コミットメント」と定義されています。大衆に知れ渡ったコミットの事実は「一貫性を貫く、誠実な人に思われたい」という承認欲求を、高いレベルで掻き立ててしまいます。

 それに対して2人の間柄の中だけでのコミットや、自分1人で行ったコミットを「プライベート・コミットメント」と言います。こちらの方が知っている人が少ない分、一貫性欲・承認欲ともにそれほど強い力はかからないのですね。

②コミットメントの実験

 ではここで1つ、コミットメントの実験をご紹介しましょう。

 この実験では、コミットメントの力を推し量るために3つのグループに人を分けました。内訳としては「パブリック・コミットメントした人」、「プライベート・コミットメントした人」、「コミットせず、自分の意見を頭の中だけで考えた人」です。

 彼ら3グループを追跡しその後の固執度合いを調べたところ、統計的にはパブリック・コミットメントのグループが最も頑固に自分の意見に固執したそう…。その後の固執度合いのレベルとしては「プライペートコミットメント→コミットメントなし」と続きました。

 これが公表による一貫性の力を顕にした、エビデンスとも言えるでしょうか。

最後に

 本日は「コミットによる一貫性の強化術・Part1」というお話、いかがでしたか?

 少しコミットメントにスパイスを加えるだけで、更に強固な一貫性の力へと変貌します。身近な人の幸せの手助けや自分自身の自己成長のために、この薬を活用して頂けると嬉しいです。くれぐれも毒の使い道は避けてくださいね。

 次回記事では、残り2つの強化術もご紹介していきます。楽しみにして頂けると嬉しいです。

 本日はご精読ありがとうございました。

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