本日のテーマは「思考力喪失の理由」というお話です。
日本人の多くは学力は高くとも、思考力が低い人が多いと言われています。その対象は高学歴・上場企業に勤めている人も例外ではなく、彼らも学生時代に鍛えたのは学力のみなのです。学力と思考力の違いについては、以前の記事となる「学力と思考力は異なる能力」を是非ともご閲覧ください。
では本題となる、多くの人が思考力を喪失してしまった理由についてのお話です。何事も問題解決の為には、まず問題が起こりうる理由を知ることがスタート地点です。理由を知った先に、是非とも思考力を鍛える習慣を取り入れてくれると嬉しいです。
思考力喪失の理由は、大きく分けて3つに分類されます。それぞれ紐解いて覗いていきましょう。
甘い環境
思考力喪失の理由1つ目は「甘い環境」です。
現代は過去の時代と比較しても、とても甘い環境です。とくに日本では、命を失う危険と隣合わせの環境ではありませんよね。だからこそ思考力がなかったとしても、他人が作ってくれた思想・レールの上で、安泰に生きることが出来るのです。
①古代の環境
では古代の環境は、どのようなモノだったのでしょう?
太鼓の人類は、サバンナでの生存競争に明け暮れていました。まさに弱肉強食の世界であり、負ければ肉食獣の血肉となってしまいます。
だからこそ人類は、瞬時に思考を回して生き残る方法を模索し続けたのです。このように強制的に思考せざるをえない機会があったからこそ、思考力は強化されていった。そして先祖が思考力を発揮して文明を前進させてくれたからこそ、我々の恵まれた甘い環境があるのですね。
②保守的思想
ここまでのお話だけ聞くと、とても良いこと一杯に感じるでしょう。もちろん素晴らしいことなのですが、それに対するトレードオフのデメリットも生じてしまいました。
そのデメリットとは、保守的思想の人が増えすぎてしまったことです。私たちが成長したり、更なる幸福を得ようと願うのなら、今ある恩恵を一旦捨てなければいけません。リスクが怖くて動けなければ、そこで成長・幸福はSTOPしてしまうでしょう。
さらには老いや、思考力がある人が世の環境を変革した世界についていけず、長期的には不幸になってしまう。しかし甘い環境が目の前に広がっており、その誘惑を捨てられないのが人間の性です。そして自分でも知らずしらずのうちに、保守的な価値観を形成させてしまうのですね。
詰め込み教育
思考力喪失の理由2つ目は「詰め込み教育」です。
日本の学校教育では、今ある既存知識を頭に暗記させる詰め込み教育が主流です。
①学力&受験ノウハウ
先人たちが思考の先に発見してくれた、情報や数式の解き方などの学問をインプットしているだけ…。ただ鵜呑みにしていても、学力は鍛えられるものなのです。
また受験という1つの競技に対して、そのノウハウも頭に叩き込まれます。具体的には時間制限がある中での解き方として、簡単な問題から解いていくこと。その他にも、例年の傾向から出題予測をして、範囲内を集中的に暗記したりするなどです。
もしも自分の頭で、このノウハウを発見できたのなら思考力は身についています。しかしそれすらも、教えられ鵜呑みにしたものでしかないのですね。
②高度経済成長時代のアメリカロードマップ
本来であれば学問や受験ノウハウを、自分の頭で考えさせる教育をすべきです。それなのに高度経済成長時代の、アメリカに与えられたロードマップを愚直にこなす人材育成のため、ひたすら暗記勉強をさせられる。
もちろんその環境下では合理的な方法ですが、課題先進国になった現代では、新たな正解を自らが発見できる思考力こそ求められるのですね。
③誤りな自意識
それなのに思考力がないので、環境変化に対応できません。そして誤りな自意識を形成していきます。具体的には受験という競技の勝者は思考力が低いのにも関わらず、過度な自信をつけていきます。さらに敗者は、ただ1つの受験という競技に敗北しただけなのに、強烈な自己嫌悪に陥ります。
過度な自信も自己嫌悪も、その先の勉強・思考を放棄しやすい環境を作ってしまう。そして止まった人間となってしまうのです。
集団主義
思考力喪失の理由3つ目は「集団主義」です。
一般的に日本は集団主義の国であり、アメリカの個人主義と対極に位置します。もちろんどちらの思想にも一長一短あるのですが、思考力研磨という視点からすれば、集団主義はマイナスに働くものです。
①従順と我慢
なぜなら集団主義では、足踏みを揃えることが正義です。それを遂行する厳然なるものとして、従順と我慢を教えます。
この2つは、相手の意見に何も考えずに従うこと。まさに思考力を去勢している行為とも言えるでしょう。もちろんみんなが1つの意見を信じれば、争いがない平和な世が出来るかもしれません。ですがそんなに簡単に、真の平和は実現するでしょうか?
②出る杭は打たれる
必ずと言ってよいほど、集団から外れようとする異端児は生まれるものです。遺伝的にIQ(知力)が高いほど、無意識に思考を発揮させてしまうでしょう。そして飛び出したマイノリティを、数という強大な力で袋叩きにしてしまう。まさに出る杭は打たれるという、ことわざ通りです。
この同調圧力こそ、偽りの平和を作ろうとした負の廃棄物であり、思考力を喪失しているからこそ行ってしまう行為なのですね。
③他責思考
更には集団に迎合すれば、必ず他責思考に染まります。価値観や行動を世間に任せて考えることを放棄したから、負の結果が受容できないのです。これが自分の頭で考えて価値観や行動を選択した人であれば、他人のせいにはしませんよね?
そして負の結果が目の前にあったとしても、そこからまた思考力を発揮して次なる1手を考えるはずです。政治家を叩く人が多く目立つ現代ですが、まさに思考していない証明とも言えるのではないでしょうか。
最後に
本日は「思考力喪失の理由」についてのお話、いかがでしたか?
これらの理由が複合的に絡み合い、人間が食物連鎖の頂点に君臨するための手段である思考力に蓋をしてしまっています。まさに考える力の退化です。思考力関連の書籍は巷に溢れているので、是非ともまず本を手に取ってみてはいかがでしょうか?
私は思考力が以前よりも強化されてから、人生とは自由なものだと知らされました。自由という人が求める大きな快楽を、あなたも思考力研磨の先に味わってください。
本日はご精読ありがとうございました。
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