本日のテーマは「炭水化物が太るは嘘」というお話です。
ダイエットに関心がある方なら、1度は見聞きしたことがあるであろう糖質制限ダイエット(アトキンス・ダイエット)。もちろん一過性で急激に体重を落とせるかもしれませんが、長期的には効果を発揮しません。それどころか罹患率を上げて健康を害し、ダイエットを辞めたのなら強烈なリバウンドのジャブを食らってしまう。
では痩せることと、健康でいることはトレードオフの関係なのでしょうか…?いいえ、そんなことはありません。炭水化物が太るというのは、実は真っ赤な嘘なのです。本章では炭水化物を詳しく紐解き、さらに太る原因にまで深く追求していきたいと思います。
白or茶の炭水化物
まずは白色or茶色の炭水化物の存在について覗いていきましょう。
①白米と玄米・小麦粉と全粒粉
白の炭水化物とは、白米や小麦粉のことを指しています。オーソドックスな考えとして白米は日本人の主食であり、お店で売られているパンも殆どが小麦粉を使用して作られていますよね。
それに対して茶色の炭水化物は、玄米と全粒粉のことを示します。玄米は健康に良いという巷の声は、きっと誰もが1度は見聞きしたことがあるでしょう。また全粒粉という聞き馴染みのない単語は、小麦粉の玄米版と認識して頂ければOKです。
②精製されているか否か
ではこの2色の炭水化物は、一体何が違うのでしょうか?
その答えは、精製されているか否かにあります。
元々は白米も玄米であり、小麦粉も全粒粉です。稲の果実にあたる籾から、籾殻を除去したものが玄米にあたる。果物の種子のようなものという認識でOKです。それに対して白米は、籾殻の除去のみに留まらず、お米についている表皮や胚芽なども取り除いてしまいます。なので元々は茶色い自然の穀物が、白色に変化しているのですね。
全粒粉も原理は同じであり、小麦についている表皮や胚芽などの全てを粉にするため磨り潰しています。それに対して小麦粉は、表皮や胚芽を取り除いてから粉にするという工程を踏んでいるのです。
③食物繊維・ビタミン・ミネラル豊富
そして玄米や全粒粉の茶色い穀物は、同じ炭水化物の摂取量でも太らないと言われています。
その理由として、取り除いてしまう表皮や胚芽に「食物繊維・ビタミン・ミネラル」が豊富に含まれているからです。国語辞書で「精製」という言葉を詮索すると「混じりものを取り除いて、純良なものを作り上げること」と表記されています。しかし稲や小麦の観点からみれば「純良なものを取り除いて、不健康なものを作り上げること」になってしまう…。なぜなら大事な栄養素である食物繊維・ビタミン・ミネラルを、わざわざ取り去ってしまうのだから…。
GI値
しかしここで疑問符が、頭に浮かんだ人もいるでしょう。
きっと多くの方が「玄米や全粒粉などの茶色の炭水化物が健康に良いことは分かったけど、太るかどうかは別の論点ではないの?」と感じたかもしれません。ではその疑問にズバリ解答しましょう。
①Glycemic Index(グリセミック・インデックス)
その鍵は「GI値」にあります。
GI値とは、食後血糖値の上昇度を示す指数のこと。英語の表記で「Glycemic Index」の略であり、グリセミックというボキャブラリーが、日本語に変換すると血糖という語彙にあたります。
そして食後に血糖値が上昇すると、同じ摂取カロリーでも脂肪を蓄えやすくなってしまう…。
②インスリンが脂肪変換
その理由として、インスリンというホルモンが関連しています。
インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンで、血中の糖分を脂肪に変換して溜め込む性質を持っています。
低GI値食品であれば、血糖値の上昇は緩やかになるのでインスリンは過剰に分泌されません。そのことから同カロリーでも、脂肪に溜め込みにくくなるのですね。しかし高GI値食品であれば、急激に血糖値が上昇してインスリン過剰分泌を起こしてしまうでしょう。結果として、通常食べている量以上に太ってしまう。とどのつまり糖質量よりも、GI値に着目することが肥満を回避する最善策となるのです。
③他の栄養素という裏技
そして炭水化物の主原料・糖質は、他の栄養素よりもGI値が高いことはファクトです。ですのでインスリンを分泌しやすいことも、また真実でしょう。
しかし、ここで1つ裏技が隠れています。それは他の栄養素(低GI値)を先に接種したり、一緒に摂取したりすることにより、同じ糖質量でもGI値を下げることが可能なのです。最初に野菜を食べようと巷で囁かれますが、この声は正しいものでGI値を下げる働きがあることは自明でしょう。
④カルボナーラとペペロンチーノ
またカルボナーラとペペロンチーノの2種類のパスタで、どちらが太るかという議論でもGI値の原理が関与しています。解答としては、カロリーの多いカルボナーラの方が太りにくいのです。
その理由は、カルボナーラには「卵・クリーム・ペーコン」などのタンパク質・脂質が分厚くコーティングされています。これらの栄養素が膜となり、インスリン分泌を抑制することができるのですね。しかしペペロンチーノは、せいぜいオリーブオイルが絡んでいる程度でしょう。カルボナーラに比べれば、膜が薄い分だけ炭水化物の吸収スピードが早く太ってしまう…。
⑤痩身と健康
ただ今回の論点の話とは逸れてしまいますが、カルボナーラに含まれるベーコンは加工肉です。
WHOは2015年に、加工肉による大腸がんのリスク上昇を示唆しています。またペペロンチーノの膜となるオリーブオイルは、健康に良いと言われる不飽和脂肪酸であり、酸化を防ぐポリフェノールも含んでいる。
ここから学べることは痩身と健康になる食事法も、また分離して考える必要性があると知れる一例ではないでしょうか?
最後に
本日は「炭水化物が太るは嘘」というお話、いかがでしたか?
太りたくないからと極端な糖質制限をしているのなら、結果的に痩せても不健康な道へと一直線です。またその痩せ方は、きっとスタイルの良い体ではないでしょう。不健康そうな痩身スタイルを手にしても、それでは問題を見誤っていると私は感じます。是非とも健康とダイエットの2つを両立できる、正しいアウトプット食事を心がけてくださいね。
本日はご精読ありがとうございました。
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