本日のテーマは「果汁100%フルーツジュースには注意必要」というお話です。
前記事に引き続き、カリフォルニア大学・ロサンゼルス校医学部の医師である津川友介の著書「世界一シンプルで、科学的に証明された究極の食事」のお話を、抜粋して吟味していきます。
前回は健康のために摂取しているサプリメントが、有害になっている可能性を示唆した投稿でした。ですが本章では、それよりも身近にある果汁100%フルーツジュースが対象となるのですね。「えっ?毎朝健康のために飲んでいるよ」という方も、きっとおられるでしょう。ではなぜ巷で健康だと謳われる果汁100%フルーツジュースに、注意が必要なのかをじっくりと覗いていきましょう。
果物の健康効果
まず果物の健康効果のお話から入ります。
結論から言って、果物は積極的に毎日の食習慣に取り入れるべきマストの食材と言えるでしょう。野菜と並んで、健康志向が強い方であれば既に常時摂取をしているかもしれませんね。では具体的に、どのような健康効果があるのでしょうか?
その効果は2つあります。
①糖尿病予防
1つ目は、糖尿病予防に効果があるということです。
果物を定期的に摂取しているか否かにより、2型糖尿病への罹患率低下に大きく影響します。
一度糖尿病になってしまうと、血糖値の常時上昇により血管に負担がかかってしまいます。血管とは言わば、様々な臓器へのパイプラインですから、心臓病や腎臓病を誘発してしまうという結果すら招くのですね。まさに糖尿病が、恐ろしい病気と言われる所以でしょうか。そして多くの病の源泉となる糖尿病をブロックするためには、果物はとても重要な万能薬と言えるのです。
②痩身効果
2つ目の効果は、痩身効果があるということです。
「えっ?果物は糖質なのに痩せるの?」と、懐疑心を浮かべた人もきっといるでしょう。ですが痩せるのは自明であり、ダイエットの強い味方に果物はなり得るのですね。なぜなら果物に含まれる糖分は「ブドウ糖」ではなく「果糖」です。
血糖値とは、血液中のブドウ糖濃度のことを示しています。そこから考えれば、直接的に果糖が血糖値を上昇させることはないのですね。ただ糖新生と言って、体内で果糖をブドウ糖に変換します。タイムラグがあることから血糖値急上昇は起こしませんが、取りすぎてもOKということではないので注意はしましょう。
③低GI値食品
糖尿病予防にも痩身効果に影響がある、果物の本質を一言で最後に表したいと思います。
それは「低GI値食品」であるということ。
GI値とは、血糖値が上がりやすい食品か上がりにくい食品かを示す数値です。一般的に糖質は、他の栄養素よりもGI値が高い食品と言われています。しかし果物の場合は、その糖分が果糖であるということ。また豊富なビタミン・ミネラル・食物繊維を含んでいることから、それが膜のようにコーティング効果を生んでくれる。ですので糖質であっても、血糖値を急上昇させないのです。
そして栄養バランス最強と言っても過言でない果物により、糖尿病をはじめ多くの疾病の罹患率を下げるのですね。
果汁100%フルーツジュースの懸念点
さぁ、いよいよ本題の果汁100%フルーツジュースの懸念点のお話です。
こんなに良いことづくしの果物を、手軽にジュースで取れるのであれば最高ではないかと誰もが思うでしょう。実際に健康習慣のために、毎朝の果物ジュースを日課にしている人もいると思います。しかしその考えには、落とし穴があるのです。
①糖尿病罹患率UP&肥満
なんと果汁100%フルーツジュースは、糖尿病の罹患率を上げ、肥満を促してしまうそうです。なぜこのような差異が生まれるのかというと、同じ食品を生でとるのか、ジュースにしてとるのかの違い…。これだけで、全く真逆の結果を導き出してしまうのですね。
ではなぜ同じ食品で、ここまでの差異を生み出してしまうのでしょう?
②液体・固体のGI値
それは液体と固体のGI値の差に原因があります。
一般的に糖質は液体で摂取することにより、通常よりもGI値は高くなりがちです。消化というプロセスがない分、ダイレクトに血糖値を上げるのです。そのことからインスリン過剰分泌を促してしまい肥満になり、糖尿病への道を歩いてしまうことになるのですね。
しかし同じ糖質でも、固体で摂取するとGI値は低くなります。だからこそ果物を生で摂取して、健康効果だけを享受することが出来るわけです。また余談ですが、この原理から言えばケーキとシェイクであれば、ケーキの方が太りにくいという結果にもなりますよね。
最後に
本日は「果汁100%フルーツジュースには注意必要」というお話、いかがでしたか?
このように前記事のβカロテンのサプリメントと同じく、成分ばかりに気をとられるのは危険な考えです。しっかり食品単体を摂取するという考え方が、健康のためにはマストなのですね。
次回の記事では、健康のために栄養素となる成分ばかりに目をむけて、食品単体に目を向けない「ニュートリショニズム」についてのお話をさせて頂きます。楽しみにして頂けると嬉しいです。
本日はご精読ありがとうございました。
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