対人関係「競争→対等」

客観力

 本日のテーマは「対人関係・競争→対等」というお話です。

 社会生活を営む中で必ず含まれるシチュエーションとして、対人関係が挙げられます。その対人関係を深堀りしてみると、大きく2つの意識があると言えるでしょう。そのタイプはタイトルの通り「競争」と「対等」です。

 そして人は無意識だと、対人関係に「競争の意識」を持ってしまいます。そこを人間あるが故に手にした理性の力で「対等の意識」に変換しようねというのが、本記事の趣旨です。意識の変換が上手くいくと、あなたの対人関係の難易度や人生の幸福度に、良い意味で大きな影響をもたらすこと間違いなしです。

 ではそれぞれ「競争の意識」と「対等の意識」とはどんな目線か、垣間見ていきましょう。

競争の意識

 まずは対人関係に対して「競争の意識」を持っている人についてです。

 弱肉強食の世界で生まれたからこそ、生物は本能的に上に立ちたがりマウントを取ろうとしますよね。この本能に忠実に生きると、競争の意識を持つことになるのですね。

①敵という主観

 そして競争の意識は、他者に対して「敵という主観」を作り出します。

 この世界は大勢で競い合っているゲームのような感覚となり、「この人は私より上だ・この人は私より下だ」と評価して生きているとも言えるでしょう。すると何とか上に立とうと、全ての人が敵に見えます。

 そして競争の恐ろしさは、勝者側に回っても他者は敵なので信じることが出来なくなってしまうこと…。社会的成功やお金を執着の拠り所として、孤独で苦しみを感じ続けてしまうのですね。また敗者側に回れば、他人の幸福を見て大きな劣等感を感じ生き続けることでしょう。

 これらは敵という主観を持っているからこそで、他人の幸福を負けと感じ、心から祝福することができない。こうなれば協力し合うためのコミュニケーションが、相手を打ち負かすコミュニケーションしか出来なくなる。生きていて、こんなに悲しいことがあるでしょうか?

②権力争い

 そして競争の意識で生きていると、アドラー心理学の言葉で「権力争い」を行ってしまいます。権力争いとは、相手に闘いを挑んで勝つことによって承認欲求を満たそうとする行為です。

 例えば、ある漫画の話で意見が対立したとしましょう。片方は面白いと感じ、もう片方はつまらないという意見を持ちました。ここまでの現象自体は、別の他人が考えている以上はどうしようも出来ない事実です。

 しかし権力争いでは、ここから自分の面白い又はつまらないの主張をぶつけ合い、相手の意見を批判し始めるのですね。こうなってしまえば漫画について語りたいのではなく、相手を屈服させるために語りたいとなってしまいますよね。更に1人の時間には、相手への怒りを募らせること間違いなしです。

③絶対的正義の信奉

 この競争の意識や権力争いの源泉を探ると、絶対的正義の信奉があることに気づきます。

 これは東京大学の解剖学者・養老孟司さんの著書「バカの壁」の中で定義されている、3つのバカの壁の1つです。とどのつまり自分の主観は、世界の真理だと視野狭窄に陥っているという状況ですね。しかしこれは客観力が非常に低い状態で、頭が悪いが故に人を傷つけてしまう事象です。だからこそ養老孟司さんは、少し攻撃的な言葉でバカの壁と警鐘を鳴らしたのでしょう。

 そしてこの客観力の低さが相手を敵だと見なし、権力争いで倒さなければいけないと感じてしまう。そして倒した暁には、自分は正義を広めた英雄だと心の中では認識していることでしょう。

④少しでも正しいと感じたのなら…

 そして自分の心で、少しでも自分の方が正しいなと感じたのなら、それは絶対的正義の信奉に片足を突っ込んでいます。正確に俯瞰するのであれば自分の主観と他人の主観が違っていて、善悪の別のストーリーを抱いているなとなるはずだからです。

対等の意識

 では次に対人関係に対して「対等の意識」を持っている人について覗いていきます。

 対等の立場をイメージすることができれば、競争の脱却を果たすことができ、勝つ必要性がなくなります。すると相手に対して他者理解への気持ちが湧き、承認欲求が抑制されて好奇心が湧き上がってくるのですね。

①仲間という主観

 承認ではなく好奇心の優先順位が上がれば、きっと他者に対して「仲間という主観」が想起されることでしょう。コミュニケーション相手は、別のモノの見方や新たな情報を教えてくれる有り難い存在です。だからこそ自分も相手が知らないことを伝授して、お互い助け合おうという認識に変わるのですね。

 もちろん権力闘争は起こりませんし、相手の幸福を心から祝福できるようにもなるなど、良い事ずくめとはまさにこのことでしょう。

②権力争いの対処法

 とは言っても、相手が競争の意識を持って権力争いを仕掛けてくることもあるでしょう。人間は返報性の法則により、されたことを相手に返したくなる心理が働きます。しかしその本能に乗っかってしまえば、あなたは同じ穴のムジナになってしまう。とどのつまり競争の意識を持ち、承認欲求の鎖に繋がれて生きることになってしまうのですね。

 では権力争いを仕掛けられたら、どう対処すれば良いのか…?

 その方法は「話題を変える」か「いっそう離れる」ことを推奨します。絶対にその権力争いに、乗っかってはいけません。もし乗ってしまえば負けたら舐められますし、勝っても1度は引き下がってくれるかもしれませんが、相手は別の話題の際に復習とばかりか新たな議論を仕掛けてくることでしょう。

 そのような対人関係は必ず長期的に破綻してしまうか、自分の人間性を変えられてしまう。だからこそ、勇気を持ってその人と離れる。もしくは話題を変えるのです。

最後に

 本日は「対人関係・競争→対等」というお話、いかがでしたか?

 競争の価値観で生きていると怒りの感情が増幅して、利他ともに傷つける凶器へと自分が変容してしまいます。だからこそ私の主観としましては、自己防衛のためにも、これから出会う新たな人たちに被害を加えないためにも、権力争いが大好きな人とは離れるべきだと思うのです。

 しかし価値観に絶対的な正解がない以上、ここから先の答えは自分の頭で考え、自分だけの結論を出してくださいね。あなたの思考の材料として、本記事が少しでも一助になったのなら嬉しく思います。

 本日はご精読ありがとうございました。

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