本日のテーマは「アドラー心理学・生きる上での目標」というお話です。
岸見一郎さんと古賀史健さんがタッグを組んで執筆した著書「嫌われる勇気」は、アドラー心理学の思想の解説書と言える一冊です。この書籍の中では、生きる上での目標として「行動面の目標」と「心理面の目標」の2つに分けて解説されています。
そして本記事ではそれぞれの目標の要約と、私の意見もプラスで付け加えてご紹介していきたいと思います。
行動面の目標
まずアドラー心理学で説かれる「行動面の目標」についてのお話です。ここでは行動面の目標を、2つの分類に区別されています。ではそれぞれ垣間見ていきましょう。
①自立
アドラー心理学・行動面の目標・1分類目は「自立」です。
自立という言葉を聞くと社会に出て働いて、自分で給料を稼いで生きると理解しがちです。しかしアドラー心理学で述べる自立は、少し定義が異なります。ここでの定義は、周りに精神的な依存をしない行動のことを指しているのですね。これだけでは少し分かりにくいですので、具体例を挙げて見ていきましょう。
例えば、対人関係で自分の承認欲求を満たすために、相手に自分の話ばかりしてしまう人っていますよね。これはまさに他人に幸せにしてもらおうという、依存の気持ちが現れています。とどのつまり一端に稼いでいたとしても、自立していないという区分に入るのです。また恋愛や結婚でも、相手にGiveばかり求め自分はTakeをしないタイプの人もいるでしょう。彼ら彼女らも、アドラーの説く自立という定義からは離れています。
本来の自立とは、一人でも生きていけるくらい心が自立している。しかし2人以上になれば、更にお互いがシナジー効果を生み出して豊かになる。だからこそ一緒に共同体をつくるものであり、孤独解消のために傷の舐めあいとなる共依存とは違うのです。
②社会と調和
では次にアドラー心理学・行動面の目標・2分類目の「社会と調和」です。
人間は社会的な動物として、群れを作って進化してきました。だからこそ食物連鎖の頂点に、数という脅威で立つことが出来たのですね。この事実から読み取れることは、だからこそ社会と調和して共同体の認識を他人と持つこと。とどのつまり円滑なコミュニケーションを構築することが、行動面の目標の1つであるということです。
ただこの言葉を鵜呑みにすることは、私は少し危険だなと感じました。なぜなら社会が求める価値観が、自分の求める価値観と必ずしも一致する訳ではない。そう考えれば最初から社会の調和を目指してしまえば、自分の思想は時代の思想とイコールになってしまう。つまりはこの言葉を鵜呑みにすれば、思考停止を誘うのですね。
では社会と調和をする必要性はないのか…?その解答については、次の心理面の目標の項で結論を出したいと思います。
心理面の目標
では次にアドラー心理学で説かれる「心理面の目標」についてです。ここでも2つの分類に分けて、お話を展開していきます。
①自己肯定感の向上
アドラー心理学・心理面の目標・1分類目は「自己肯定感の向上」です。
自己肯定感とは、あるがままの自分を好きでいられる自信のこと。自信には大きく2種類のタイプがあると言われており、「外側の自信」と「内側の自信」があります。
外側の自信は、世間で評価されるものを身に纏うことにより、他人の評価を基に自分に自信を感じるタイプのものを指します。それに対して内側の自信は、自分の心の声に正直に生きたことにより、他人の評価の有無は関係なく、自由な自分自身が大好きだと感じられる自信です。
アドラー心理学では、心理面の目標に対して、自分1人でいつでも幸福を感じられる内側の自信「自己肯定感」の向上を目標に掲げています。ここで行動面の目標を思い返して欲しいのですが、「自立」という目標がありましたよね…?
この目標は他人に依存せずに、自分1人で立っていられる精神による行動を指すものです。そしてこの精神は自己肯定感あってこそで、まさに「行動面の自立」と「心理面の自己肯定感」は対をなすものと言っても過言ではないでしょう。
②仲間という主観
そして最後にアドラー心理学・心理面の目標・2分類目「仲間という主観」です。
もう1つの心理面の目標は、他人に対して敵ではなく仲間と認識する主観を持つこと。そのためには対人関係で、競争の意識ではなく対等の意識を持つことが重要です。対等の意識があれば思想・能力の差異に関係なく、人に慈愛の気持ちが湧き出てきます。
まさに異形を受け入れられる姿勢は、自己肯定感あっての自立があるからこそ出来る放れ業です。そしてその先に、行動面の目標「社会の調和」に繋がっているのではないでしょうか。つまりは始めから社会の調和を目指すのでなく、最初は自分の軸で自分と向き合って生きることが大事だと感じるのです。するとこの4つは交錯して混じり合って、全ての目標が達成できるはずだから…。
最後に
本日は「アドラー心理学・生きる上での目標」というお話、いかがでしたか?
私の体験談で感じるロードマップとしては、やはりまずは自分軸で生きて自己肯定感の向上を目指しましょう。だからこそ他人がいなくても余裕のある状況となり、自立した行動を促せて他人に迷惑をかけずにすむ。そして人格をさらに研磨していけば、身近な人との対人関係で仲間という主観が持てるようになり、社会の調和に繋がるのですね。
とは言っても、ここまでの結論はあくまで私の意見です。是非とも自分の頭で考えて、自分が進む道を自分自身で選択していってくださいね。
本日はご精読ありがとうございました。
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