本日のテーマは「仮説で作業時間を短くしよう」というお話です。
課題・問題に対して取り組む際に、仮説思考か網羅思考のどちらの思考法を用いるかにより、大きく達成スピードに違いが生まれます。そして前記事から仮説思考を推奨させて頂いていますが、本記事では第2段となる「作業時間」にフォーカスして深堀りしていこうと思います。
では一体、思考法の違いによりどう作業時間に影響していくのでしょうか…?
ビジネスはスピード
いきなり本題に…と言いたいところですが、まずはビジネスにおいてスピードが最も重要であるという、大前提のお話から入っていきます。
学問であれば、そこまで急がずとも長いスパンで上達を目指していけば良いでしょう。なぜなら1度身についた知見は一生の宝物となり、何よりも急いだことによって忘却しやすくなったり、分かったつもりで満足してしまう方が問題です。
しかし、ビジネスにおいてはその常識は通用しません。なぜならビジネスとは、人との競争であるから…。そんな戦国時代にも引けを取らない競争の世界で、2つの要素からビジネスではスピードが大事です。
①先行者利益
まず1つ目の要素は「先行者利益」です。
先行者利益とは、誰よりも早く新しい市場に参入したり、自分自身で新しい市場を作り出すことで、利益を独占できることを意味しています。
もしもこの波に遅れてしまえば、競争相手が市場に跋扈することでしょう。そして激化した競争の中で、勝ち残らなければいけません。このような血で血を洗うような激しい戦いをする市場を、海に例えて「レッドオーシャン」と呼ばれます。
それに対して新しい市場で事業を展開できれば、ライバルは比較的少ないことでしょう。まだ穏やかな市場なので、キレイな青色の海に例えられ「ブルーオーシャン」と呼ばれます。このブルーオーシャンで先行者利益を享受するためにも、何よりビジネスはスピードが大事なのですね。
②世の変化のスピード
次に2つ目の要素としては「世の変化のスピード」です。
昨今はAIの発達やグローバル化の波により、世の変化のスピードは加速度的に早くなっています。つまり需要がある商品・サービスや前提となるビジネスモデルでさえも、すぐに変化してしまうということです。
そんな中でチンタラと課題・問題をどうしたら解決できるか吟味していたら、きっと結果を得られる行動に着手する頃には、世の中が変わってしまう…。とどのつまり費やしてきた努力や時間が、全て水の泡になってしまうのですね。だからこそビジネスはスピードです。
網羅or仮説
ではここから本題の網羅思考と仮説思考により、どう作業時間に影響をもたらすのかを覗いていきます。
①網羅・作業時間長く
まず網羅思考の人は「作業時間が長く」なることでしょう。
なぜなら課題・問題を解決するための作業を決める際に、多くの情報を集めて吟味してから決めようとしてしまうから…。結果的に情報洪水に溺れやすくなり、意思決定が遅延することは間違いありません。
そして行動の方向性が決まり作業を始めた頃には、レッドオーシャンで激しい競争にさらされる。もしくは過去のニーズで、現在には需要がない事業に着手することになってしまうでしょう。
②仮説・作業時間短く
次に仮説思考の人ですが「作業時間は短く」なります。
彼らは課題・問題を解決するための仮の答え(仮説)をつくり、それが正しいか否かを見極めるのに必要な情報だけを集めます。そして正しいと感じたのなら、すぐに行動に移ることができる。
1度目の行動で解決したのなら最短ルートですし、仮に仮説が間違いであったとしても集めている情報が少ないので、大した時間ロスにもなっていません。再び仮説をつくり同じことを繰り返していけば、いつかはトライアンドエラーで成功に導ける。網羅思考の人が100の情報を集めたとして、仮説思考の人が1つの仮説に5の情報を集めたのであれば、20回失敗してやっと同じ時間です。
これらが仮説思考を私が推している、最大の理由と言えるでしょう。
ゴルフスイング矯正の比喩
そして最後に仮説思考でビジネスに取り組むことは、ゴルフスイング矯正にも同じことが言えるというお話で締めたいと思います。
①同時矯正
まずは網羅思考で多くの情報を集めようとすることは、ゴルフスイングの悪い箇所を同時に矯正しようとする営みです。
しかしあまりにも矯正するポイントが多すぎて、意識が分散してしまうことでしょう。結果として頭の中がごちゃごちゃになりすぎて、中々1つの欠点すら治らないこともしばしば…。
②一箇所ずつ矯正
それに対して仮説思考で仮説検証のための情報だけ集めることは、ゴルフスイングの悪い箇所を一箇所ずつ矯正していく営みです。
悪い箇所は数多にあれど、まずは急がず1つだけ治していく。その作業の積み重ねが、トータルの矯正する時間にしても短い時間で改善できる。そしてゴルフのスコアを、最短ルートでベストに導けるのですね。
最後に
本日は「仮説で作業時間を短くしよう」というお話、いかがでしたか?
ビジネスでの課題・問題解決も、ゴルフスイングを矯正することも、どちらにしても1つの物事にフォーカスしていきましょう。人間は多くの情報を、一気に処理できるように出来ていません。結果的に1つも頭に残らず、時間だけが喪失してしまうもの。そのために仮説だけに目を向け、目の前のことに注力していく。これこそ最短ルートとなるのですね。
本日はご精読ありがとうございました。
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